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最強(たぶん)漫画で漫画術13    プロットとキャラクターについて5

 
Ⅴ 復讐の男
復讐の話は物語の基本形の一つと言ってもいい。決定版ともいえる傑作がアレクサンドル・デュマ・ペール『モンテクリスト伯』(1844~1846)。ほぼこれ一本につきる。

【復讐の男プロット】
1 本人は周知されない理由でとじこめられる
相手は強力な権力や暴力をもった存在。実際の理由は、本人の能力や出自などにあり相手の脅威になっているのだが、本人は気がつかない。そして主人公のもつ価値あるものはすべて奪われる。家族であったり恋人であったり…。閉じ込めた相手は主人公に人としての価値をほとんど認めないような存在。したがって主人公が幸せであればあるほど、急落ぶりが胸をうつ。

2 閉じ込められている間に訓練されたり改造されたりする
心身、知識などを鍛え上げる存在が主人公の身近にいる。それらを有形無形の財産として主人公に渡して物語から退場していく。

3 出てきた時は違った人のようになる
新しい生活を始める時は、全く違った存在として始めるが、閉じ込められる以前の場所に自ら戻ってしまう。そこには閉じ込めた相手が権威ある人物としているが、その相手にさえわからないほど別人のようになっている。時には閉じ込めた相手が魅了され、尊敬したくなるような人物になっている。

4 復讐をする
『モンテクリスト伯』では三人の復讐相手がいたが、三人という数字は以降の復讐譚でも採用されている。収まりのいい数字だと思う。復讐される側は途中で憤死したり自ら死んだりするパターンもある。また、復讐される側がすでに因果応報を受けており、そのあまりの惨状に主人公が復讐をあきらめる事もある。

5 去る
主人公は復讐後はその地にはいられない。以前とはまるで違う人物になっているので、新たな場所を探す必要があるからだ。こうして主人公の退場とともに物語は終わっていく。(この稿続く)

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