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ベーコンエッグ

ベーコンエッグ

あらためて、自分が日ごろから執心しているものをプレゼンテーションするとき、その一点突破力というか、チームの訴求力というか、人心掌握のすごさは、群を抜いているなって思う。
最近、自分でも仕事しなくちゃと思うけど、ベーコンエッグの画像検索をずーっと見ていて、定食屋でチープな主菜にあれば必ず頼んだりして、この料理が好きで好きで、気になってしょうがない。ああ。

色みかな? 匂いかな? 味かな?
そのビジ

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そういえば、

そういえば、

「台風一過」を「台風一家」だと思っていた僕の友人は、今ごろ何をしているのだろう、なんて、思いが飛ぶのは今日みたいな嵐が去った朝ですね。机に座って、ラップトップを開く。昨日入れたポットのコーヒーがぬるくなっていて、これはこれで嫌いじゃない。もうひと踏ん張りがんばるぞ!

今、僕は人生ではじめてといっていいと思う「プレゼンテーションの資料」を作っていて、慣れない作業に手こずっています。プレゼンテーショ

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2014年の読書経験

2014年の読書経験

 自分のために書き残しておくノートに、正確性を求めるときりがないけれど、たしか、あれは、2014年のはじめだとおもう。僕はキンドルを買った。

 プラットフォームとしてのキンドルは、いわばただの空っぽの箱で、そこには(本といってもいいけれど)コンテンツが入っていなくては、役には立たない。……はずなのだけれども、3Gの、あるいはWi-Fiの速度でe-inkのブラウジングなどは、男の子的なガジェット心

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ヒコーキ

ヒコーキ

 たそかれの時間に西の空を見上げると、オレンジの夕方と藍色の夜が、くっきりと、きれいに、まるでフロートカクテルみたいに、二層を作っていることがあります。それらは混ざることなく、藍色がじわじわとオレンジを押し下げ、身応(やが)て、電柱に灯りが点ったり、車の目が光ったり、気がつけばまわりは夜ばかりになっていき、そのステキな時間は過ぎていきます。これはもちろん、いつでも見ることができるわけではなくて、ふ

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年表の色

年表の色

 フワフワと、世界のどこかに浮かんでいる仮想の雲の中から、一曲ずつ、音楽をダウンロードすることになった今、それでも僕は、アルバムという概念を知った上で音楽を聴くことが、クールなことだと信じている。

 僕はトモフスキー氏の「NEGACHOV & POSICOV(ネガチョフ アンド ポジコフ)」を、今でも色あせない名盤だと思っていて、その補完し合う曲群は「盤」という概念こそが相応しい。テープに曲

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テセウスのおでん

テセウスのおでん

おはようございます。
「おでんと哲学」の時間です。今日は皆さんと、おでんを使って、アイデンティティについて考えていきましょう。

ええ、そうです、おでんです。あなたの聞き間違いではありません。アイデンティティについて考えるのに、我々はおでんを使おうとしています。
冴えたやり方ですよねえ。だって、哲学を嫌いな人はいても、おでんを嫌いな人はいないでしょう?

ハ~イ! 実存、唯物、プップクプ~!(ジン

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黄色い瓶に刺さったグリーン

朱夏、この季節は暑く眩しくあるべきで、チリチリ、ギラギラ、照りつける太陽が僕らのすべてだ、サマー! やけくそな暑さがくらくらと、色々な境界線を曖昧にして、僕たちは夏のトランスにはまり込む。そして、夜も尚、アスファルトに蓄まった熱が、ぼんやりと思考を鈍らせるんだ。
なんて! すばらしい! 季節なんだろう!

おっと、ビールについて考えていたら、思わず夏について書いてしまいました。夏でなくても、夜でな

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空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ

空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ

全力で愛を捧げて、それでも人生を一緒に歩くことができなかった、かつての恋人たちに、共通する何かしらかの項目があるのならば、それがきっと僕たちの業というものです。

たとえば、恋人たちがみんな、末っ子だったとか、長男だったとか、お姉ちゃんがいたとか、お兄ちゃんがいたとか、片親だったとか、年下だったとか、年上だったとか、二世帯住宅で過ごしていたとか、団地で過ごしていたとか、車が必要な地方都市の出身だっ

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車輪の下

行動だけが自分と世界を変えるので、「詩人になりたい」ということを、三割の冗談を込めて、この数日、僕はまわりの人たちに訴えるようにしていました。

備忘のため、また、標本として、その反応(の意訳・要約)を記すことにします。
・詩人は「なる」ものではないんです。(あしからず)
・馬鹿なことを言っていないで仕事してください。
・人は誰でも詩人ですよ。(ところで、仕事は終わったんですか?)
・哲学者あたり

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漢字の使い分け(鬚・髯・髭)

漢字の使い分け(鬚・髯・髭)

2007.09.05

「ひげ」には「髭」「鬚」「髯」と三種類の漢字がありますね。

それぞれ
髭→口ひげ
鬚→顎ひげ
髯→頬ひげ
と使い分けます。

「総称として『髭』を使うことが多い」
と明鏡先生もおっしゃっていますので文脈によって鉛筆を出しましょう。

僕が以前悩んだのは
「青髭ジル・ド・レ」
というものでした。
「髭」という字が適当か瞬時に判断できなかったんです。

ペローの原題は『La

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