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20代のころ好きだったKくん⑤~どうしていいかわからない編~+今現在

 社内旅行という一大イベントも終え、もとの日常に戻って参りました。Kくんとは社内旅行の余興で苦楽を共にしたおかげなのか以前よりも話す機会は増えて楽しく、ただ彼女がいることが頭によぎっては切ない日々を送っていました。

 ある日、人事異動で部署のトップが代わることになり、新しいトップを迎えて歓迎会が行われることになりました。若手のKくんと私は料理を頼んだりお酒をついだり色々働きつつ、トップの方がこんな話をし始めました。

「うちの娘が看護婦でもういい年なんだけどさ、誰かもらってやってくれないかね?!」

「いやー、○○さんの娘さんなんて恐れ多いですよ😅」
「Kなんかいいじゃないか。お前彼女いるのか」
「今いないんですよー」

は??!!

え?!

遠距離の彼女は?!

動揺を隠せない私。

でも、確かに最近金曜日の飲み会普通に参加してたよな‥。前は毎週金曜日はそそくさ帰ってたのに。

マジかよ‥。

飲み会も上の空のまま終了し、私は自分の感情をどうしていいかわからなくなってしまった。え、彼女いないの?じゃあ今フリーってこと?じゃあ私にも可能性があるってこと?普通なら、彼女がいないってわかったら喜ぶんだろうけど、私は戸惑ってしまった。たぶん、今までは彼女がいるから叶わない片思い😢で悲劇のヒロイン気取りでいけたのに、急に彼女がいないってわかったら自分の恋愛に向き合わなくちゃいけなくなって怖くなってしまったんだろう。自分がアタックできる立場になって、彼と正面からぶつかって拒絶されるのが怖いんだと思う。それなら彼女がいて、アタックできない理由があった方が私は安心して片思いを楽しめたのに。

 気持ちの整理がつかないまま翌日になり、いつも通り仕事をしていると、Kくんが話しかけてきました。

「ヤンマーさん!今日の午後〇〇までドライブしませんか!?」

ファッ?!?!

 ドキッとしたのは一瞬で、話を聞いてみるとどうやら彼の取引先で契約がとれそうなので、一緒についてきてほしいとのこと。ただその取引先がちょっと遠いところだったので、ドライブしましょう、と。

 このタイミングで彼との長距離ドライブはどうしていいかわからねー!!!!

 動揺しすぎて午前中スピード出しすぎて警察に捕まって罰金\(^o^)/感情がぐちゃぐちゃのまま彼の車に乗り込み取引先へ向かいます。

「ヤンマーさん聞いてくださいよー。今日俺やらかしちゃって…」

 彼も仕事で失敗してしまって、結構大変だったみたい。彼の弱音を吐くところ、私すごく好きなんだよな。

「大丈夫大丈夫。私も今日警察に捕まって罰金払わなきゃだから笑」
「マジすか!マイナスとマイナスの二人が行って大丈夫ですかね?」
「ほら、マイナスとマイナスはかければプラスだから!」
「確かに!さすがっすね!ヤンマーさん!」

 彼と話していると本当に楽しい。この時間が永遠に続けばいいと思う。契約も無事に終わり、二人ともほっとしたのか車内でやったやったと大盛り上がり。

「ヤンマーさんおなかすかないっすか!?」
「おなかすいたー!」
「食べに行っちゃいましょ!」

 そうしてまたご飯に行くことに。彼はあそこどうですか、ここどうですか?と聞いてくれたけどうだうだしてたら通り過ぎてしまって、結局最初に二人で入った牛丼屋へ。二人で色んな話をした。テンションが上がっているついでに昨日の飲み会のことを話題に出してみた。
「昨日の飲み会すごかったねー」
「いやー新しいボスめっちゃ飲みますね」
「そういえばボスの娘おすすめされてたじゃん笑」
「でもさすがに上司の娘はきついっすわー」

 彼女との別れ話までは話題に出せなかった。牛丼屋を出たあとも、「ヤンマーさんと一緒にいるとお客さんと話盛り上がるからもう1件いっていいですか?」とかいってもう1件寄ることになった。その先も感触よくて、二人とも上機嫌で車に乗り込みます。「やっぱヤンマーさんいるとうまくいくなー。今度アポなし訪問付き合ってくださいよ!」と言ってきた。

 Kくん、私のことすごく褒めてくれる。私のこと頼りにしてくれる。どんどん好きになる。彼女はいないからブレーキをかけることもない。でも私はこれ以上どうすることもできなかった。彼とこうして二人きりで車に乗って、楽しくお話しして、ご飯を一緒に食べられるだけで幸せ。ささやかな時間を楽しめればそれでよかった。

 彼への気持ちが盛り上がる一方、私は彼にいまいち踏み込むことができずにいた。

 この片思いの結末は私が現在も喪女であることで想像がつくかと思いますが、もう少しKくんとの思い出を語らせてください。Kくんのことは今でも思い出して胸の奥がきゅんとなるくらい好きだったのです。

 今の好きな人のことも、片思いが実らなかったとしても、いい思い出だって思える日が来るのかな。カウンセリングでも前に「ヤンマーさんは心のどこか恋愛がうまくいかなければいいと思っている。だから破滅する方向に自分で向かっちゃってるんじゃないかな。」と言われたことがあって、確かにそうかも、と思っている。このシリーズを書き始めてKくんも、今の好きな人も私の感情の動き方のパターンが似ていることに気づいた。なぜ私が恋愛がうまくいくことを避けているのか、まだ答えは見つからないけど次のカウンセリングで探ってみよう。

 次は、ただただKくんに落とされた萌え爆弾を羅列しようと思います。
 またまたつづく。

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