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私とあめこさん #3【最終話】~ ” アイ ” のメッセージ~

私の友人・蛙田あめこさん著「女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました」2巻発売を記念し、あめこさんの著作のテーマにならって「百合」っぽいエッセイを書いている。

あめこさんのツイッターはこちら

Twitterにはぞくぞくと購入報告が上がっている。私もRTしている。

感想ツイートも上がり始め、やはり評価が非常に高い。

そう、この本。このシリーズはめちゃくちゃ面白いのだ。

2巻は「毒親成敗」の要素もあるため、親の支配に苦しむ人はぜひとも読んでほしい。



【あらすじ】
私は蛙田あめこさんと筏田かつらさんを憧れ、慕い、「二人の為に戦おう」と思っていた。だが、私は心を蝕んでいった病により、人のエネルギーを奪う言葉をしきりに使ってしまうようになる。

二人を守るために戦いたかった。だが、「二人を守るためには、私が二人から退くしかないんだ」。そう気づいた私は、枕を涙に濡らし、二人と距離を置くことになった。

と、いうことで最終話である。

ごくごく最近のことなのでうまくまとめる自信がないが、私はあめこさんと交流を再開するようになった。

あめこさんと私の新しい交流は、「コーチング」によって繋がっていくことになる。

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二人から離れることになっても、あめこさんを相手に「叫び」のようなものを時折投げかけていた。

許されることではないとわかっていたが、それでも叫ばないとどうにかなってしまいそうだった。

心が折れ、傷だらけになった当時の私は知る由もなかったが、今考えてみると、あめこさんはとてもつらい時期にあったと思う。

あめこさんは上品で、面白くて、負けん気が強くて、スマートで、仕事もできて…………

バカな自分を指して「この人は本当に愚か」だと思われてはいないだろうか。

極端な自分を「この人は間違ったことばかり言っている」と思われてはいないだろうか。

憧ればかりが独り歩きして大きく大きく腫れ上がって膨れ上がった分、自分のちっぽけさばかりが目立った。

今考えればばかげているとしか思えない不安が、拭ってもぬぐってもぬぐい去ることができなかった。


何がきっかけかは本当に覚えていない。あの頃から、今に至るまでに色々なことがありすぎた。


ある時、私はTwitterでひどく傷つけられた。

ある人のリプライに応じていたら、どんどん心臓の音が大ききなり、ぐるぐると吐き気が出ておかしくなりそうになってしまった。

当時の私は引きこもり状態からようやく立ち上がったばかりで、生傷を抱えたまま戦場に飛び出したも同然だった。

そこが喫茶店にも関わらず、涙がどくどくと出て、帰ることもままならなかったその日。

交流が再開していたあめこさんに泣きついた。

ほとんど「ドラえもん」に泣きつく「のび太」だった。

そんな私に、あめこさんは不思議な話法を使い、私に色々聞いてくれた。

そう、私が言ったことに、質問を返すような――。

今考えてみると、少し責められているような感じもした気がする。

何度も「こんなこと思ってすみません」と、気が動転してしまった。我慢が足りない、根性が足りない、とも。

ですが、あめこさんは辛抱強く「それは自分の気持ちなので大切にしてください」と言ってくれた。

そんな嵐のような私の感情に対して、時折「心配しています」と言ってもらえることが有難かった。

結局、私のどうしようもないヘルプに何時間か付き合って頂き、最終的にあめこさんが「気づき」を一振り加えたことによって、この事件を「なーんだ」で片づけることができたのだ。

あめこさんは魔法が使えるのかと思った。

だが、あめこさんは実は……と私に教えてくれた。

「これはコーチングの一種なんです」と。

コーチング。noteではこばかなさんによって有名になった、「自分の中の答えを引き出す」技法だ。

もともとコーチングに興味のあった私は、あめこさんをコーチとし、しばらくコーチングをしてもらっていた。

多分、これからもお願いしてしまう日があると思う。


コーチングによって、私はどんどんエネルギーを取り戻していったように思える。みるみる元気になっていき、一般の社会人には追い付けないものの1日で消化できるタスクが以前よりぐんと増えていった。

やっぱり、あめこさんは魔法がつかえる。

だが、私は浮き沈みの激しい人間で、沈み……嵐のようなトラブルが起きる度に何度も何度もTwitterのDMであめこさんに泣きついてしまった。

本当に迷惑なやつである。

あめこさんに「あなたのお陰でうまくいきました!」と報告した日も多かったが、それ以上に泣きながら戸を叩いた数の方が圧倒的に多かったと思える。

そんな中でも、あめこさんは「心配しています」、「応援しています」などなど、声をかけてくれて、その声が届く度に温かい気持ちになり、心の嵐が緩んだのを覚えています。

これは、I(アイ)メッセージと呼ばれるコーチングの技法で、「私」が主語になる言葉を伝え、「自分が思っていること」を相手に伝える方法だ。

「すごい」とか「かわいいね」「ブス」など、「相手」を主語にするYOUメッセージで、相手を「判断」してしまうことになるのでコーチングではあまり推奨されていない言葉だ。

あめこさん自身が大変だった時期に。

本当によくこんなにも付き合って頂けて…………こうしてコーチングを重ねて受けた今、それ自体が「Iメッセージ」として私の心を戦いへ奮い立たせてくれる支えとなっている。


それと同時に、あめこさんが、私が思い浮かべた憧れの姿とは違って、そう完璧ではない、本人は全然満足していないことがわかった。

あめこさんも、あめこさんの世界で、ずっとずっと私と似たようなものに苦しめられているんだと思う。


Amazonで本を買った。発売日よりも前に届いたそれを、夢中で読んだ。やっぱりあめこさんは魔法使いだと思った。


私にできることってなんだろう。

できることの少なさを覚えた。

考えた結果、ちょっと大げさで、YOUメッセージも混じったこのIメッセージを認めようと思った。

そう、表題であるアイのメッセージは私からあめこさんへのこの3つのお話を表す。

それと、これを読んだ人がAmazonのリンクをクリックしてくれたらいいなぁとも思っている。


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――これは、平成も終わり、令和の時代の始まった頃のお話。

あるところに、傷だらけの頼りない戦士がいました。

戦士は、「わたしは元気なので、全てお任せください」と言いました。彼女の通った跡には彼女の流した血がありました。

戦士は、魔法使いと出会いました。

戦士は空を飛ぶ魔法使いに憧れを抱き、そして、いつしか嫉妬をするようになったのです。

しかし、魔法使いは空をふよふよと浮いていながら、実は足が傷だらけで手には血の跡の滲んでいました。

決して完璧じゃないけど愛おしい魔法使いだったのです。


今度は守れるように。

今度はちゃんと戦えるように。

戦士は、傷を治し、魔法の勉強をするようになりました。

この世界はチートどころか魔法もない世界。

時間はかかるけど、勉強とお仕事を頑張って、健康にお金が稼げる日々が来れば、もっとできることが増えるんじゃないかと思っています。


今度は、戦士と魔法使い、そして誰もが憧れる凛々しい騎士様のお話をしたいと思います。

その時を、どうか楽しみにしていていてください。



拝啓、これを読んだ皆さま――

私が面白いと思った本には、その作者には、興味はわきましたでしょうか?

私にとって大好きな本です。めちゃくちゃ売れて欲しい本です。

よければ、手に取ってみてください。


矢御あやせ






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