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これからの時代を生き抜くスキル:BTC_#2BTC 珠玉のテクニック集

前回はBTC概論と称して、なぜBTC(Business、Technology、Creative)がいま必要なのかをビジネスの変化から説明しました。

#1の所感にも記載しましたがこの本はこの第4章からが面白いです!

デザインってよく分からない

と思っている人が多いかもしれませんが、

・ビジネスにデザインをどう活かすか
・そのためにはどうすれば良いかが

が詳細に分かり易く説明させています!
文字数:約5,100

参考図書

第4章 BTC型人材へのファーストステップ

4-1 ★BTCへの入り口

①エンジニアリングからの入り口
まずデザインの理解を深め「デザインに理解の深いエンジニア」を経てデザインエンジニアを目指す
・そのうえで、ビジネスリテラシーを見つけることでBTCの山頂を目指す
・まずはエンジニアリングとデザインの中間にあるスキルを習得すると良い
具体的には、プロトタイプのスキルのことで、アイデアとテクノロジーをユーザーにぶつけて確認できる施策レベルのものづくりを、自分自身で実行できるようにする
・プロトタイプの大まかな3つの目的
 1、考えるために作る
 2、改善するために作る
 3、人に物事を伝えるために作る


②ビジネスからの入り口
・エンジニアリングと同じく、まずはデザインの理解を深め「デザインに理解の深いビジネスパーソン」を経由してビジネスデザイナーを目指す
・そのうえで、テクノロジーのリテラシーを高めBTCの山頂を目指す

以降4-2 ~ 4-8でエンジニアおよびビジネスパーソンにとってクリエイティブへの越境を進める上で役立つ考え方やアプローチについて紹介する

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P108~P114

4-2 ★n=1のリサーチ

・デザイナーたちが行うのが、n=1のリサーチであり、「現場」「現物」「現人」を観察やインタビューで深堀りしていくタイプ
ユーザーや環境を取り巻く様々な要素のすべてをありのままに情報としてインプットし、情報の背景にあるコンテクストについても深掘りし、複雑なものを複雑なまま理解するように努める
・n=1で深く観察するためには観察対象を絞る必要がある

サンプル数が少ない中で見出したアイデアがどれだけ普遍性を持つのか?という疑問については、プロトタイプで途中段階のファクトを確認すると割り切り仮説ドリブンで進めれば良い
・n=1のリサーチ手法はエンジニアにもビジネスパーソンにも実行し易い威力を発揮しやすい

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P115~P119

4-3 ★プロトタイピング入門の入門

新規のプロダクト開発は「まだ世の中で証明されていない価値を生み出す仕事」であり、仮説ドリブン型になる
アイデアの最小構成がどのような組み合わせかをプロトタイプを経ずに確認することは難しい
・プロトタイプを使ってブラッシュアップすることはイノベーションに取組む人の基本姿勢

<よく使われているプロトタイピングの6つの手法>
①スケッチ:アイデアを最小限の時間で見える形にする
②ダーティプロトタイプ:ありあわせの素材を組み合わせて作る
③テクニカルプロトタイプ:テクノロジーの機能性を確認するため
④コールドモックアップ:外観やスタイルを検証するため
⑤ワーキングプロトタイプ:ほぼ製品と同じ機能性と見た目を実現
⑥ビジョンムービ:現時点で実現不能やビジョンを示すため

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P119~P129

4-4 ★プロトタイプをどう活用するか

・プロトタイプはユーザー調査だけでなく、社内の合意形成にも威力を発揮する
提案の全体を「ようするに(抽象面の結論)」と「プロトタイプによる体験(具体面の結論)」の2つを組み合わせて提示するとよい
・抽象と具体が正しい順番でバランスよく提示されたとき意思決定の確立は一気に上がる

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P129~P131

4-5 ★センスを鍛える「付箋トレーニング」

・センスという、つかみどころのないものをどのように鍛えれば良いか
センスとは「ジャッジの連続から生まれる」、これは良い・これはダメと日々の生活のなかでジャッジを続けることでセンスは磨かれていく
・センスを鍛えるためにはジャッジをトレーニングすればよい
センスを鍛えるトレーニングとして「付箋トレーニング」があり、単純に次の3つを日々実施するだけ
①赤・青・黄の3色の小さな付箋を準備
②デザイン系の雑誌やデザイン集などを購入する
③良いものは「青」、ダメなものは「赤」、どちらでもないものは「黄」の付箋を貼る

・これを何冊か実施することで自分の好き嫌いが可視化され、好みの傾向が分かる
センスがないのバロメーターは「黄色の付箋」であり、自分ではジャッジできてないことを表している
・付箋トレーニングの次のステップは、「赤や黄の付箋のついたものに対してどのように変更すれば青のの状態になるのかを一歩踏み込んで考えてみる」
・センスがない=自分の好みが自分のなかで整理できていないだけ

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P131~P141

4-6 ★整理術としての「たす、ひく、みがく」

・ものごとを良くしていくときのアプローチを分類したもので
「足りないものを足す」
「不要なものを引く」
「残すものは少しでも良くする」
の3つしかはい
この作業は根気のいる地味な作業の連続だが、それを執念深く実施することで目指す方向性とそのイメージに合致した強いものになる
組織においても定期的に「ひく」ための会議を実施し、タスクの棚卸をし役割を終えたものをどんどんクローズしていく。これによって組織に余白が生まれ、新しいことにチャレンジしやすい新陳代謝が進む

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P141~P145

4-6 ★アイデアを展開する「モノとモノサシ」

ひとつの物事を複眼思考によって考えることで新たなアイデアを抽出することができる
・こうしたマインドセットは著者は「振り子の思考」と呼んでいる

①モノがあったら評価軸となるモノサシを想起しその目盛りをずらしてみる
・アイデアの発散だけでなく、最適化作業とアイデアの伝達時に利用できる
例)
1、350mlのペットボトルと言うモノに対して、容量というモノサシを準備する
2、モノサシの軸を200mlにズラし小さなペットボトルはなぜないのか?あればどんなニーズがあるかを考える
3、逆に100ℓのペットボトルではどうかを考える
モノサシを左右にズラしたり、振り切ってみたりすることで、「普段の自分では考えないようなアイデア」を生み出すことができる

②アイデアの発散後に目星をつけたアイデアの精度を高める
・いろんなモノサシをあてがって発想を横展開してみると、当初のアイデアが相対化される
「目盛りを動かなさいほうが良さそうなところ」「改善出来そうなところ」が見えてくる

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P145~P150

4-7 ★思考をストレッチする「デザインフィクション」

デザインフィクションとは、科学技術に嘘をつくのではなく人間の生活様式や価値観に嘘をつき、その嘘(仮説)を起点にして、どんな世界が想像できるか、どうすればその社会を実現できるかを考察する
デザインシンキングは「目の前にある課題」を発見し解決する手法に対して、デザインフィクションは「目の前にない課題」をフィクションの中で発生させ、それを解決するためのプロダクトを検討し新しいアイデアを発想する手法
デザインフィクションは狭くなりがちな視野を強引にストレッチする手段であり、具体化の手段は全く伴っていない
ひらめきレベルの「WHY」はあくまで起点であり、裏付けを検証を繰り返して「WHAT」に行き、テクノロジーとビジネスの力で「HOW」を明確にする

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P151~P155

4-8 ★学びの心構え「4つのA」

・学習の4つのAはどんな学びであっても必ず通るステップをまとめたものであり、これを頭に入れておくと自分の学びを客観視できるようになる
・以下4つのAは自転車に乗れるようになれるプロセスを考えると分かりやすい

①Awareness:気づき
・何かを学ぶ必要性に気付いたり、自覚してない場合は学習は始まらない

②Awkwardness:違和感
・学びの初期は理解できない自分を責めて諦めるのではなく、正しく学習の第二段階にいると言い聞かせる鈍感力が必要

③Achivement:達成
・学習してきた努力が報われたと感じる段階だが、一方で理解できていない部分も残っている状態
・このステージでは実践を積んで経験値を上げる事が重要

④Assimilation:一体化、無意識化
・無意識でできるようになる状態で、学習の最終ステージ

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P155~P160

第5章 デザインドリブンプロジェクト

5-1 新規事業へのBTCの活かし方

・新規事業を考える際にBTCならではのパターンは『まず抽象思考を完成させ、その後具体的なアイデアを考える』
・クリエティブに身を置くと、目の前の具体的な現象からいきなり具体的な打ち手を思いついたりする事が多々ある
・一方で、具体的な現象にインスピレーションを受けた具体的なアイデアには、その必要性・合理性・普遍性にクエスチョンがつく事が多いことも確か
・そこで、『本当に優れたアイデアは具体と抽象を何度も行き来することから生まれてくる』と言う考えに行き着く

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P166~P170

5-2 アイデアは「Day1」から考える

・いいアイデアを思いつくかどうかは運であり、確率の問題
・具体もDay 1で考えるアプローチ

①リサーチ期間とアイデア出し期間を分けない
・良いアイデアとの遭遇確率を上げるには、アイデアをアウトプットする時間を単純に増やす
・リサーチ→分析→構造化する抽象化作業を行う
・観察やインタビューをしながら、頭の半分はインプットしつつ、もう半分でアイデアが湧いている状況を作りそのアイデアをロングリストに溜め込んでいく

②些細なアイデアでも逐次共有する

③アイデアを考える人こそリサーチの現場に
・現場現物現人を知っている人こそ解像度の高いアイデアを生み出せる可能性は上がる

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P170~P174

5-6 成功するプロジェクトに共通する4つのポイント

①ユーザーの高解像度の理解を獲得しながら同時にアイデアも出す
②アイデアは群として考える
③プロトタイピングを通して仮説・検証:アラ取りを行う
④デザインには「課題解決のためのデザイン」と「ブランドやスタイルを作るデザイン」があることを知り活用法を意識する

イノベーション・スキルセット
世界が求めるBTC型人材とその手引
ISBN 978-4-479-79703-6
P199~P200

<#2BTC 珠玉のテクニック集の所感>

今の自分が
「ビジネス(B)寄りなのか」
「エンジニア(T)寄りなのか」
と考えて、そこにどうデザインを掛け算していけば良いかを4-1 BTCへの入り口で丁寧に説明してくれているのが良いですね。

しかも、

「センスとはジャッジの連続であり、
センスがないとは自分の好みを整理できていないだけ」

という説明に驚愕してしまいました。
私自身全くセンスはないな、と思っていましたが、自分の好みを確固たるものとし、それをプロダクトに一貫性を持って吹き込めば立派なセンスの塊になると自信を持つことができました。

それ以外にもついつい真面目にこじんまりと考えてしまいがちな思考をストレッチする方法も目からうろこでした。

良い本に出会えました!

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