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経済だったりNFTだったり。往復書簡#37

私が止めて時間が経ってしまいました。すみません。でもやめてないよ〜じわ〜と続いております。
画家・タシロサトミさんとの往復書簡37回目です。
前回はこちら、仮縁問題と、ヒルマ・アフ・クリント 往復書簡#3

変形パネルと同じ形+数ミリの木枠をつくり、そこにプラ板を固定した後、作品をはめ込んでいます。
往復所管#36

タシロさんの変形パネル額装問題の解決、これはすごい!
変形パネルの仮縁や額装は難しいですよね。
作品に合わせて仮縁を作るアイデアと実際に作る技術、素晴らしいです。
絵に合わせてプラ板で縁を作るなんて、とても手間暇がかかることをよくやりましたね。しかもかっこよくできてる!尊敬です。
本当は額なしで出品したくとも、公募展は仮枠をつけて出品という規定になってることがほとんどなので、このアイデアはこれからも使えますね。
絵の額装って難しいんですよね。額と絵がマッチしている場合は何倍も作品がよく見えますが、合わない場合は一気にダサくなる。
展覧会の時は、作品の質感を直に観て味わってほしいので、本当は額装しない状態で見てほしいので、街の画廊で発表の場合は額装なしにしているのですが、百貨店での展示の場合は作品保護やご購入されたお客様がご自宅に飾るときに困らないようにするために額装した状態で展示されることが多い。
そういう時に私の場合は、箱額と言われる四角い箱の中に浮かせたような状態になる額を最初は使っていたのですが、最近はより額を感じさせないように、全体をアクリルで囲むような額を自分でサイズを測って設計発注したものを付けるようにしています。
これだと額装はされていますが全体が透明なので、額装されていない状態に近い。額装の予算と作品の販売価格の妥協点としては、今の所これで行くかな〜??という感じです。

アクリル被せ額。後ろはキャンバスのままで空いています
考え続けている問題の方は主に経済との付き合い方というか、販売価格や作品発表の場のことですね。
これは発表をしているかぎり作家は皆、ずっと考え続けて修正を重ねていくのでしょうが、すこしモヤが晴れて自分のスタンスがみえてきた感じがあります。
きっかけをくれたものの1つに、4月にみた映画「見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界」がありました。ヒルマは世界で初めて、カンディンスキーよりも早く抽象画を描いたという画家で、作風も好みだったのでとても楽しみにしていて、映画館には2回見に行きました。鑑賞後はいろいろと思うところが多かったです。ヒルマは美術史に名を残せず、映画でもそれを問題視しているのですけど、作家としてなにが幸福なのかは断言が難しい問いだなと感じました。
 往復書簡#36

ヒルマ・アフ・フリントの映画、気になってたのですが見逃しました。
作品もとっても素敵。実物をみたいな。
経済との付き合い方は難しいですよね。作家だってかすみを食べて生きてるわけではないし、画材だってお金がないと買えないし発表もできない。

今福岡に来てるのですが、以前東京で見逃していた「永遠のソール・ライター展」を福岡市美術館で開催中で鑑賞してきました。
ソール・ライターの写真はとても絵画的で、画家の目を持った写真家と言われるだけはあって、とても刺激になりました。そしてソール・ライターの作品と共に、彼の生き方は、作家と経済と名声との距離感のあり方を考えさせられます。

福岡時美術館のレストランにて。永遠のソール・ライターの図録見ながらランチしましたよ。

作品集の中にソールの言葉が書かれてるのですが

本があるのは楽しかった。
絵をみるのも楽しかった。
誰かが一緒にいるのも楽しかった。互いに大切に思える誰かが。
そういうことの方が私には 成功より大事だった。
永遠のソール・ライター より

というのを見て、私はまだそういう心境にはなれないな。まだ成功したいと思ってるもの、、と思ってしまった。
私にとってはいい作品を描くことが一番の目的であるのは間違いないのですが、そのためには経済的な問題もクリアしないといけないわけで、成功する必要もあるんじゃないの??バランスよくいけたらいいけど、かなり難しい!
欲だってあるので、これからもずーっと悩み続けながら歩んでいくしかないのかな。。。と思っています。

今回のお題、NFTアートについて。

NFTアート、私は出品していないです。
理由は私がNFTアートについてよく知らないから。
ざっくりとNFTアートはゲームのアイテムなどのようなもので、その売り買いで株のように値段が上がったり下がったりするもの、、というようなくらいの認識しかなく、そこに私の現在の作品を写真に撮ってデジタル化したものに値段をつけて出品する事は、まだピンと来てないのです。NFTならではのアプローチの仕方が思い付いたらやってみるかなぁ???
あと実際の作品を購入するのは高価で無理だけど、NFTなら買えるという場合もあると思うんですよね。作家を応援するアイテムとしてお客様が購入するっていうこともあるのかな???いろんな可能性はあるとは思うのですが、やっていないのでなんとも言えないです。
多分は私はNFTアートやる前に、株とかNISAとかお金の運用についての知識を持った方がいい。友人に勧められて証券口座は持ったのですが、全く何もやってません。なんでもいいから株を少し買ってみて、経済の動きに参加してみるというのも今年の小さな目標です。作家道とは違う目標ですが(笑)


さて、次のお題です。

2月も終わりになり、だんだん日差しが暖かくなってきました。タシロさんは春が近づいてきたな〜というのをどのような時に感じますか?
タシロさんは緑の手を持つ人だと思うんですよね。お庭の植物の変化も季節によって色々あるのでは? お庭のことでも食べ物事でもなんでも、何かありましたら教えてください。

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