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ドイツに社畜はいるのか その3

ドイツ人の働き方というか、暮らしぶりに驚かされ続けながらも、どんなに忙しくても定時になればさっさと帰宅してしまう姿にひっそり憧憬の念を抱くことを禁じ得なかったというのが偽らざるマロンの気持ちであった。

長年日本の社畜ライフスタイルが染みついてしまっていた自分としては、そのギャップが生み出すストレスに危うく鬱になる寸前まで追い込まれていたのであるが、そんなある日ふと目にした日本人向け情報誌に掲載されていたドイツ在住邦人の書いたコラムに救われた。

ドイツ人部下に「今日残業して欲しい」と言うべきか?というお題の内容で、コラム主さん曰く「絶対にやめた方が良い」との結論であった。当時の日本では急な残業もいとわず仕事をすることが美徳であり組織への忠誠心の表れと捉えられる傾向が強かったが、ドイツではそもそも急な残業をせねばならない=計画性が無い=悪という図式というのである。

残業して欲しいと言われたドイツ人にしてみると、そんな計画性が無い会社に勤務する自分も計画性の無い人物との烙印を家族・地域から押されかねないため、家族や恋人・友人との約束よりも仕事優先などという発想はそもそもないというのである。よくよく考えてみれば実に理にかなった考え方で、「へぇー」ボタンを何回押したことか・・・

このコラムを読んで、何故自分の部下達が月末の忙しい時であっても社畜マロン一人残してそそくさと帰宅してしまうのか漸く腹落ちした気がした。と同時に、異文化に触れるって面白いなぁとすら思えてきたのだから不思議なものである

郷に入っては郷に従え When in Rome, do as the Romans do ですね

つづく・・・



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