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日本での投資ファンドの進化

以前のNoteでも、世界のベンチャーキャピタルは規模が大きく、日本へ投資しようと、探している投資案件規模がでかい!ってことをお話しました。

そして米系のPEファンドも、日経新聞などメディアを通じて、大きな投資目標額を出して、日本への投資強化を図っていきたい、と書いております。

また上記のようなPEファンドは、所謂オーナー企業の事業承継や大企業の非中核ビジネスのスピンアウトを狙っている、と書かれております。(下記PWCの日本PEレポートもご参照下さい)なので、どちらかというと、既存企業の承継や再編と成長戦略(や海外展開の促進)を進める、といった方向が大きいかと。

今回は上記のようなスタイルとは少し異なった、ファンドの関り方が日本でも徐々に見られてきているかな、と思ったので、書いてみます。

①PEファンドがスタートアップ投資:
下記のように、ベインキャピタルがECサービスの「ヘイ」へ70億円投資。同社にとって初のスタートアップ投資とのこと。「ヘイ」は決済端末の「コイニ―」とECサイト開設運営の「ストアーズ・ドット・ジェーピー」が2018年に統合した会社。段々VCやPEファンドとの投資先の境目がもっと薄くなってきましたね、と思いました。

②PEファンドによる、上場企業の箱を介したTOB/MBOと相続対策:
ニチイ学館がまたベインキャピタルからの資金を背景に、MBO(経営陣による企業買収)を行うため、既存株主に対してTOB(上場株式の買い付け)を通じた非上場化を行っている。TOB期限が2020年8月31日まで延長され、金額も従来の1株当たり1500円から1670円に上昇し、旧村上ファンドの脈絡のエフィッシモキャピタルは新価格にてTOBに応じ、新会社に出資する方針とのこと。一方で香港のリムアドバイザースはTOBに応じない模様。真の目的は、創業者の寺田明彦会長が亡くなったことで、相続と創業家対策のようだが、上場企業の箱を活用し、複雑なスキームをファンドが支援している、という面では面白い案件かな、と。

③JREITに売却できないのなら、ファンドに売却
これは不動産案件で、且つ分かりやすい事例かと思います。

足元の株価は戻ってきていますが、上記投稿にもあるように、コロナショックの影響でREIT全体の価格が大きく下落したこと、また大和ハウスリート(8984)の株価もコロナ前の公募価格(283,670円)を最近まで下回っていたこと、そして外部の買い手が高い金額を提示、も相まって、大和ハウスが開発した案件を外部に売却する、といった具合になったようです。

売却が成立したのは、ブラックストーンが提示した価格が魅力的だったことが大きい。大和ハウスはこれまで原則として開発物件をグループの不動産投資信託(REIT)に売ってきたが、初めてまとまった規模で外資系ファンドに売却する。

どの形態にしろ、日本国内の企業が案件、事業、物件などを投資ファンドに売却することのアレルギーが減ってきている、とは感じる流れですね。下記は救済買収的な案件でしたが(笑)






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