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【本】年間700冊読んでレビューする書評家の教え 積ん読からの解放-『遅読家のための読書術』

 コロナ禍に読書欲が増し、読みたい本が次から次へ。最近は図書館にも足を踏み入れ始め(読書家には天国ですね!)予約図書が次々と届きます。買った本、借りた本、携帯の中にある読みたい本のリスト。。。と、積み読が増える日々にちょっと追われている感さえ、感じ始めました。
「もっと早く本を読めないかな」そんな時に出会った本が、年間700冊もの本を読んでライフハッカーでレビューを執筆されている、印南敦史さんの「遅読家のための読書術」です。
自分のためのメモとして、まとめました。


意識改革 ー 本になるときちんと読もうとする意識を捨てる

 まず、最初に救われたな!と感じたのは、著者が冒頭で「じっくり読み込んでも『忘れること』は忘れる」とおっしゃっていること。確かに。人間の脳は有限ですし、忘れないと心も身体も持たない。それなのに、私は真面目過ぎるのか、貧乏性なのか、本になるとどうしても「読まなくては。理解しなくては。」と思ってしまうのですよね。同じ活字でもスマホで見る情報は斜め読み。なのに何故我々は本になると真剣に読み、理解しようとするのでしょう。この情報過多・情報洪水状態の現代において、この固執した考えは捨てた方が良いと思いました。
本には
 ①そもそも読まなくていい本
 ②速く読む必要がない本 
 ③速く読める本
の3種があり、著者はその中の③について方法を語っています。読書は音楽を聴くことに似ている、コツをつかめば「音楽を聴く」ように「本を読める」ようになるとおっしゃっています。

環境改革 ー 本を早く読む為の環境づくり、積み読は悪くない

著者は、習慣化する事の大切さを語っています。毎日同じ時間(著者のおススメは朝)そして、本を読む場所やシーン、シチュエーションも大切。自宅のこの場所、コーヒーを飲みながら。。こうすることで、脳に「習慣」だと勘違いさせると、習慣化しやすくなります。
そして、先ほどあった③「速く読める本」を中心に選ぶこと、「昨日とは違う本」を選ぶことも大切だと。そういう意味でも多読は決して悪いことではなく、積み読もポジティブに感じられてきました。むしろ充実した多読生活は「9対1の法則」がカギともおっしゃっています。積み読を悪いこと、追われている感を感じなくて良いのです!

行動改革 ー アウトプットしながら読む、読み飛ばしOK!、読むリズムを変える

 実は私はすでに行っていたのですが、著者は「読みながらどんどん書き写していく、引用していく」ことが大事だとおっしゃっています。(1ライン・サンプリング)それがA4 1枚になったときには、それはその本のハイライト集になり、その中でもっとも素晴らしいと思った引用がその本の価値全てになるのです。そこで、自分の感想も付け加えます。
私はすでにこの行動は行っていたので、過去にある自分で書き出したA4をあらためて読んでみると、、、、実は本の「目次」や「はじめに」、と自分のA4メモの内容がほとんど被ることも。ですので、割と読み飛ばしてしまいがちな「はじめに」、や「目次」をきちんと読むこともコツの一つ。

また、読み飛ばすこともOK !と著者はおっしゃっています。真面目な方、「きちんと理解しなくては」と思われる方はここがハードルですよね。でも大丈夫。なぜなら著者によると、ビジネス本、ノウハウ本である本の構造は大体下記パターンが多いからです。年に700冊以上読まれる方ですので、この道のエキスパート、このご主張は間違っていないでしょう。

《読み飛ばしOK箇所》 
● 
商品差別化のために挿入された「著者の自分語り」
● 理論や主張を裏付ける「個別の事例・体験談」
「理論」→「事例」→「理論(まとめ)」事例を飛ばしてまとめでOK
● 期待・危機を煽る「過剰すぎる表現」 例)本書を読み終えたとき、あなたの人生は劇的に変化するでしょう・・・・←変化した試しがない

そして最後に、読むリズムを変えることが大事です。音楽もそうですが、リズムで早い・遅いがありますのよね。その抑揚で音楽は成り立っています。本も同じように、早く良む箇所と遅く読むというリズムを変えていけば、本を読むこと自体に疲れることはないでしょう。

読書は旅や冒険

読書は「測量」よりも「宝探し」だと著者は主張します。
1行を探しながら読むようにすると、そこには冒険が
ある。
私も読書は旅に似ているな、と思う事は多々。特に②速く読む必要がない本、小説や文学は、著者と共に作品の旅に出ているような気持ちになることも。
読書という広い領域の中で、我々は読み方を工夫して読書を楽しみたいですね。皆様が心に響く本に出会えること、渾身の1行に出会えることを期待して。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。何かのお役にたてば幸いです。


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