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本の棚 #88 『格闘する者に○』

『格闘する者に○』
三浦しをん

漫画喫茶で就職活動をサボる可南子。

となりには営業をさぼるサラリーマン…

なんとも肩の力の抜けた始まり。

この「脱力感」が、いや「人間らしさ」の描き方が

三浦しをんさんを好きな理由の一つだ。

今日も楽しみな小説を読むために

特急ではなく各駅停車を選択する。

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問題の表紙に、「適性検査(SPI)試験」と書いてあった。なぜ百貨店に入るためにスパイの適性が必要なのだ。

懐かしい、SPIテスト。

結局何も勉強せずに挑んだなぁ。

にしても横文字(アルファベットの羅列)には

そろそろ限界値がきているように思う。

簡単に文字数を少なくまとめられるということは

パスワードと同じで、被ってしまう可能性も高い。

ということは「ここの場面で使われるAAAの意味」

というように文脈から読み取らないといけないし

意味を誤って理解したまま話が進むこともある。

SPI KPI OMO GDP SDGs SaaS

最近3文字が危なくなってきたから

小文字を使った4文字ブームに入っている。

この行く末は…

ちなみにスパイのスペルはSPY。

さらにちなみにタイトルは

「該当するものに○」の読み間違い。

「可南子、会社入るだけが『大人』やないで。ワシらだって会社に入ったことないけど、それなりに自分で稼いで食うてる」

就職活動がうまくいかない…

そんなときにある村の人たちと話す機会があった。

就職したら、なんとなく大人になれた気がする。

その気持ちはなんとなくわかる。

けれども就職活動だけが道ではない。

道はたくさんあるけど、何故かあの時期は

盲目的になってしまうのだ。

ぼくはみんなが就職活動を始めると同時に

親友の宮くんとディズニーランドにいき

夢の国を楽しんだあとは

「就職活動」に背を向けて暮らしていた。

結局二人とも就職活動して卒論書いて

なんとかかんとか卒業したけど

すごい前向きに取り組んだ、というわけでは

決してなかった。

そこにはなにかしらの「迷い」があったのだと

今では思う。

他にやりたいことがあったわけではなく

人生に対して諦めているとかでもなく

ただただふわふわしていた。

それに比べたら地元で漁師をしているともだちは

すごい大人に感じたものだ。

今でも会社に勤めていることは違和感だらけだ。

それが嫌とかではない。

けれどもこの「違和感」は消えることはない。

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#読書感想文 #格闘 #該当 #女子大生

#就職活動 #内定ゼロ #大人 #デビュー作

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