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本の棚 #228 『AI時代を生き抜くための仮説脳』

データばかりを集める収集化がいる。

集めれば集めるほど正確な判断ができる

そういう錯覚に陥っている典型だ。

集めることに時間をかけて

集める作業自体の効率化に走り出し

なんの仮説もないままに進んださきには

たいした解決策は出てこないことが多い。

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すべての物事に対して「仮説」の思考をするかしないかだけ

網羅思考から仮説思考へ

網羅思考とは冒頭で書いた通り

考えうるあらゆる事象を抽出して

限りなく多くの情報を集めて

徹底的に分析してから結論を出す

という思考プロセスだ。

それが良いとされる時代があったし

今でもある分野に関しては

それがいいかもしれない。

しかし遅い、あまりにも遅い。

昨日ならよかったけど、今日だと✕なのだ。

またそこに割く人的リソースは

意外に多いのではないかと考えている。

仮説を立ててから動く、ただこれだけで

これまでのパラダイムを脱出できる。

仮説を立てるというのは科学の世界だけの思考法ではなく、人間が生きていくうえで当たり前にやっている「生存戦略」の原点

人間が生きていくうえでもこの仮説思考が

おおいに役立ってきた。

仮説を立てる=戦略を考えるに近いのか。

では仮説を立てたあとに

どうやって情報をえていけばいいのか。

本当に有益で使える情報というのは結局のところ、人間から得るしかないというのが、私の経験から導き出した結論なのです。

WEB上にたくさん情報はあるが

それはあくまでもだれでもアクセスできるもので

人から得る情報ほど有益なものはない。

人に会う、ということが少なくなると

有益な情報を得る機会もまた少なくなる。

ちなみにWEB上にある情報の約6割が

英語だそうで、日本語検索ではなく

英語検索にするだけで、得られる情報の幅が

ぐっと広がるという。


もし仮設を構築するうえでそれが有力な仮説につながるという確信があるのであれば、たとえ不都合な情報やデータを見つけてしまっても、それを省いて仮説の構築を継続しても構わない

えっ?そうなの。

ここは本書でも重要な部分な気がする。

これは「隠蔽しろ」とかではなく

あれ?と思うデータが出てきても

構築を完全ストップするのではなく

構築を継続して、それを上回る有力情報を

見つけて仮説を立証するということか。

さすがに完全アウトな情報が出てきたら

そんなわけにもいかないだろうから。


どんな場面においても、立てた仮説について意思決定する権限を持った人を明確にする

意思決定者を明確にすることは

どんな会議やプロジェクトでも

同じことが言えるのではないか。 

責任と権限はセットでなければ機能しない。

私は第六感とはすなわち、その人の生きる力そのものだと考えています。

このまま進むとどうなるか、という仮説。

なにか起きるかわからない自然界のなかで

この仮説をもとに生き抜いてきた人類。

この第六感を研ぎ澄ますためには

自然を感じる機会をつくることだ。

いたってシンプル。


多くの日本企業は「未来を創造するための仮説」ではなく、「未来を予測するための仮説」を立ててしまっている

未来はどうなるんだろう?ではなく

未来をこう変えていくためには?

その方向性で仮説を立てることで

ある種のストーリーが生まれる。

未来のゴールをイメージしてから

逆算的に組み立てていく。

この力を鍛えていくためのステップは

RPGで発想力を鍛える4ステップ
①目的(問い)を押さえる
②目的に対する仮説(ストーリー)を立てる
③データを収集する
④分析により仮説(ストーリー)を確かめる


違う立場の人間が集まって仮説を立てていく

同じレイヤーの集まりだと

それを繰り返せば繰り返すほどに

化学反応が起きる確率は低くなると考える。

そのなかでは良い仮説は生まれにくい。

仮説の補強に必要なこと、それは

反対意見なのだ。

定説を覆していくものこそ究極の仮説

当たり前、いつもこうです、

そんななかにブレイクスルーは存在する。

組織の中にいると定説を疑う思考は

退化していってしまい傾向にあると思うが

様々やコミュニティに属することで

いろんな角度から物事に対して

アプローチできる人材が不可欠だ。

チームで仮説を立てていくうえで最後に重要になるのは、自分の仮説にいかに相手が共感してくれるか

仮説は立ててからが本番。

それに本気で共感して、共に取り組んで

もらえなければ仮説は仮説のままで終わる。

そうやって成し遂げられなかった仮説が

世の中には山程あるのではないか。

それほどまでに仮説を立証したり

仮説で描いた未来にすすむためには

パワーが必要になってくる。

誰のどんな仮説が、大勢の共感を生み出し

この先の未来をつくるのだろうか。

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#竹内薫

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