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本の棚 #247 『きみのお金は誰のため』

お金についての本は久しぶり。

「しょせんは10キロの紙切れや」

目の前に1億円の札束がある状態から

この物語はスタートする。

当たり前に存在している紙切れに

ぼくらは「価値」があると信じている。

どうやってこんなことになったのか。

こういうことこそ学校で学びたい。

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「多くの人がお金のために働き、お金に感謝する。年収が高ければえらいと思い、貯金が多ければ幸せやと感じる。生活を支えるのはお金やと勘違いして、いつしかお金の奴隷に成り下がるんや」

奴隷は言いすぎじゃないか、と思いきや

本を読み進めるにつれて

いかに自分が奴隷になっているかに気づく。

あらためて次の3つについて考えたい。


一、お金自体には価値がない。
二、お金で解決できる問題はない。
三、みんなでお金を貯めても意味がない。

一つ目については厳密に言うと

一人ひとりにとっては価値があるが

全体では価値が消える。

これを説明するのは至難の業なので

ぜひ本を読んでほしい。

お金はツールとして世の中をまわっているが

本来それ自体には価値がない。

しかし我々は価値があると信じている。

誰も働いてくれない無人島にお金を持ってく人はおらへん。

「無人島に何を持っていきますか」

と聞かれて「お金」とは言わない。

ここに真実がある、ということだ。

二つ目、三つ目も既成概念の真逆をいくが

「たしかに〜」となる。

問題を解決してくれるのはお金ではなく

働く人たち。

このフレーズを身に沁みて感じるのは

とてつもない不便な環境に身をおいたとき。

当たり前が当たり前でなくなったとき。

日本人の貯金は1000兆円みたいな話があり

どれだけ貯金するんだよ、と思う。

そのものに価値はないけど貯めてしまう。

悪いことではないけど

特に良いことが起こりそうでもない。

「使ってなんぼ」みたい軽いことは言えないけど

お金が身体で言う血液と同じだと言われたら

循環してもらわないと、危ないよね。

自分で調べて、自分の言葉で深く考える

お金についてもそうだが

これらの一般教養、リベラルアーツは

ことばだけ覚えても意味がない。

それについて自分でも深く考えて

自分のことばで意見が言えるようになると

みえてくるものがあるし

このままでいいのか、と考える。

経世済民→世をおさめて民をすくう

経済は実は略語である。

世をおさめて民をすくう。

政治的な意味が語源のようだが

現代ではそこにお金、ビジネスの要素が

加わっている。

世界は贈与でできているんや。…それを補っているのがお金やと僕は位置づけている

なるほど。

贈与循環のサポーターとしてお金が

あるということか。

お金のない世界をイメージすると

ここまでのスピードで循環することもなく

人の役に立てる範囲も限られる。

仮想通貨についても書かれていたが

人々がお金を信じるようになったときよりも

さらにスピードアップして

仮想通貨を信じるようになるか…

誰のために働くのか?

自分のために働く

家族のために働く

仲間のために働く

組織のために、地域のために…

"自分たち"を広げると、社会の感じ方が変わる。

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