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大好きなものが同じ友達がいることの幸せ

好きなものが同じ人というのは割といるけれど、大好きなものが同じ人というのはなかなか出会えない。

私の場合、中学生のときにそんな友人に出会えたのが、とても幸運だった。思春期の多感な時期に

大好きなものは胸を張って大好きって言っても良いんだ。

と思えたのは、その後の自分の人生に影響を与えたと思う。

友達の名は、えるめす。(※本名ではない。可愛い外見なので、当時流行っていた「電車男」の影響で「えるめす」とあだ名がつき、そのまま呼ばれ続けた。笑)

私たちが大好きなものは例えば、ローラ・インガルス著の小説「大草原の小さな家」シリーズ。

谷口由美子さんの訳が一番好きで、中でも話に出てくるアイダという女の子の目の表現「Dark brown eyes」を「やわらかいココア色の目」と訳すセンスが大好き!みたいな、そういう解像度で「大好き」が同じなのである。

他にも、「ハリーポッター」にハマってほとんどの呪文を暗記してしまったり、「オペラ座の怪人」の映画を観てファントムに感情移入したり。印象派展に行って、二人ともメアリーカサットという人の描く女の子の絵が大好きになったこともある。

美しいものに胸がときめく瞬間が近くて、えるめすとは何時間でも大好きなものの話ができた。ダンス部のえるめすと演劇部の私で、表現というものに敏感になっていたのもあるのかな。

***

そんな私たちが中学3年生のころにいっしょに観に行って、とりわけ大好きになってしまった映画がある。美しいギリシャの小島カロカイリを舞台にしたミュージカル映画、「マンマ・ミーア!」だ。

初めて映画を見たときの高揚感といったら!
ギリシャの真っ青な海に、真っ白な壁の家。会話の途中で突然始まる軽快なABBAの曲と、アマンダやメリル・ストリープの伸びやかな歌声。パワフルなダンスと、朗らかでオープンマインドな登場人物たちに、うっとり。

そのあとカラオケでマンマ・ミーアの挿入歌を歌いまくり、「♪See that girl〜!」と互いを指差しながらとびはねたのもよき思い出。(「Dancing Queen」より)

あれから10年。(そんなに?!)
社会人になった私たちは久しぶりに会って、ある映画を観に行った。

かつてはまった映画の2作目。「マンマ・ミーア ヒアウィーゴー」!

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えるめす:いやー、よかった!10年前にいっしょに観た映画の続編をまたまいちゃんと観られるなんて本当に感慨深いよ。

まい;そうだねえ。あのときほんと、尋常じゃないくらいはまったもんね(笑)

えるめす:まいちゃんは、マンマ・ミーアをきっかけに英語が好きになったんだっけ?

まい:そうそう!それまで英語嫌いだったんだけど、マンマ・ミーアを歌うために英語を勉強したくなったんだよねー。結局そこから英語が好きになって、大学で英語の教員免許をとったからね。好きなものの力ってすごい(笑)

えるめす:わかる。私も、「大草原の小さな家シリーズ」の影響でインディアンに興味を持って、文化人類学学んだりしたもん。

まい:大好きなものをきっかけに何かを学んだり身につけたりすることってたくさんあるよね。

えるめす:ほんとそう。それを分かち合える仲間がいるとなおさら強いもん。

***

大好きなものがあることはつらいときの心のよりどころになるし、世界が広がるきっかけにもなる。

そして、大好きなものを共有できる人があることでそのよりどころはより強くなるし、もっと広い世界につながるパイプになると思うのである。

学校などのせまい世界ではなかなかそんな人に出会えないし、なかには自分の大好きを馬鹿にしてくる人もいるかもしれない。

私の教え子にもそんな子がいたんだけど、「自分の大好きなものに胸を張っていいんだよ!」って伝え続けていた。大好きなものを語れるコミュニティを見つけたら、せめて一人でも仲間が見つかったら、彼はすごく強いはず。

大好きのパワーを私はすごく信じてるし、大好きでつながるコミュニティの価値を感じてる、そんな話。

※ちなみに「マンマ・ミーア」は本当にハッピーな映画なので、夏の締めくくりにおすすめです♩


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