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今週消費した10のこと その友情があなたの心を壊す、そして挑戦することの意味とは

・その友情が心を破壊している

険悪な仲であるという共通認識の友人と過ごす時間の血圧より、意見が合わないことが多いのに対立したくないという理由で仲良くしている友人と過ご時間の血圧の方が高かった、という心理学者ジュリアン・ホルトが発表した研究結果。

社会的な交流は健康に少なからず影響しているよね…
などと呑気に考えていたのですが、「実際に」身体に悪影響だ、という内容もあり大変興味深く読みました。

というのも、このパンデミックが起きた当初、私は今まで当たり前だと思っていた日常がいかに尊いものだったかを知り、パンデミックが終われば色んな人に連絡し、ぎゅうぎゅうの居酒屋なんかに集合できれば、さぞ感激するのだろうと思っていたのですが、自分でも驚くほどにそんな感情がない。
「そんなはずは無い!私はこんなにも変化を簡単に受け入れる無難な女じゃない!」と思っていたのですが、気の置けない女友達にフト思っていることを話すと、同じように感じている友人が何人かいて、なんだかホッとしたのをよく覚えています。

記事によると、友情が終わりを迎えるのには、引っ越し、仕事、結婚、離婚、子育てに加えて、特にパンデミック以降は政治的なこと(マスク着用可否、ワクチン接種可否など)が原因のケースが多いそう。

コラムを書いたライターは、どのケースにも当てはまる根本的な原因として下記の2点を強調していました。

▪️仲が良いと頻繁にやり取りするために、極端に情熱を傾けてしまい、結果的にお互いが疲れ切ってしまう。
▪️仲が良い友人だからこそ許せる感情が多い反面、妬みの感情にはどうしても打ち勝てない。なぜなら片方が成功するということは、もう片方はその成功の影のような存在になってしまうから。

これらの感情的な原因が、結婚や子育てなどの環境的要因と結び付き友情は終わってしまう。そして、結婚、子育て、仕事などがひと段落しミドルエイジ(50代以降)になり友人との時間を取り戻したい!と切に願った時には、既に友人と呼べる関係の人が周囲にいないのが問題ですよね、という内容のコラムでした。みんな悩んでいるのだ。

ちなみに、ライターは現在52歳。コラムによると失った友人も多いし、後悔も沢山あるようなのですが、今は様々なことを乗り越えて出来た友人が数人いるそう。
「興味関心を無くすことと、中毒的に仲良くすること、その間のどの場所でテントを張るが重要よね。歳を取ると、そのコツが分かるのよ」とコラムを締めくくっていました。

友情というのはいくつになっても難しいものだなぁ、と思ったのですが、このパンデミックに対して私と同じような感情を共有してくれている友人とは気が付けば20年近くも一緒に生きている。いつか私と彼女が全く違う環境に置かれたとしても、私は自分のことのように喜んだり悲しんだりするのだろうと思います。
決して社交的ではない私ですが、それでも40年近く生きていると貴重な友人が持てたのだから、歳を重ねるのはまんざらでもないな、としみじみ思います。

旅は道連れ、人生もきっと同じだ。

・挑戦することの意味とは

たった15歳の少女を資本にし使い捨てる、という大会の在り方に非常に疑問を感じたオリンピック。
ドーピングをしたかもしれないコトばかりが報道されていて、何故その選択肢しかなかったのかに注視されないまま、全ての問題が15歳の少女の肩に重くのしかかった冷戦を観ているようで、本当に残念でした。

そもそも不可能とされていた、女子アイススケート選手の4回転ジャンプ。それはつまり、4回転さえ飛べばメダルは確定ということを意味し、そのためにドーピングが行われていた、という記事。
17歳以上の女子選手が4回転を飛ぶことは、恐らく不可能なので、この狂ったゲームを正常に戻すためにアイススケートのオリンピック出場資格を17歳以上にするべきだ、という内容でとても共感しました。

これはアイススケートに限ったことではないのですが、オリンピックで日本人選手がメダルを獲得した競技が話題になり、子供がそれに影響されてその競技を始める。
そのこと自体は、個性豊かな感性を育むという意味では本当に素晴らしいと思います。
ですが、若いうちは「未来は無限の可能性に満ちている」と思いますし、実際ある程度はその通りなのですが、未来が無限であるのと同じくらいにある部分で限定されているという事実に大人はきっと気が付いている。

だからこそ、一生懸命に練習したのに転んでしまった選手、ユニフォームが規定サイズより少し大きくて失格になり、涙をぐっとこらえて必死に2回目の競技に挑んだ選手、きっと成功しないと分かっている技に挑戦した選手たちに拍手を送りたい。
みんなメダル獲得はできなかったけれど、自分の未来が限定されていることを理解しながらも、彼らは無限の可能性に挑戦したのだ。

メダル獲得だけがオリンピックの勝者、と決めてかからない斬新な考え方と、上手くいかなくても何度も試してみる努力、そしてそれらを楽しんでやろうとする向上心がないと無理だろうとしみじみ思い、急に胸が詰まるような気持ちになり観戦したオリンピックでした。

•開戦、再び

ロシアのウクライナ侵攻に対する抗議は、ついにニューヨーク、タイムズスクエアでも進行中。
「民族」や「宗教」を理由に人が争うことは、もう終わらないのだろうか。万人にとっての正義などは、この先も存在しないのだろうか、と思うと胸が痛い。


・BGMはリトルフォレスト

夜ご飯を作るのが面倒な時は、何度も観ている「リトルフォレスト」をBGMにすると、何故だか心がみずみずしく潤っていくような気がして、料理する気が2倍増しに。

・凍みさせて、春を待つ


「寒いのは困るけれど、寒さも大事な調味料」というのはリトルフォレストの主人公いち子のセリフ。
とにかく寒くて、夜中は気温が氷点下になる日もあった今週。リトルフォレストで観てから憧れていた「凍み大根」が、ついにできました。

・マリアに導かれし、凍み大根

寒い日には、寒い季節の小説が読みたくなる、という理由で手にした「まぐだら屋のマリア」。心に傷を負った人たちが集まる「まぐだら屋」は寒い北国の断崖絶壁でひっそり商いをしています。
その主人マリアの作る料理はどれもこれも本当に美味しそうで、真冬の空の下、まぐだら屋に来る客は皆、火傷も恐れずマリアが作る料理を頬張る…、その中になんと「凍み大根」がでてきたのです。
原田マハさんの小説には、傷付いた心が喜ぶ料理だけでなく、雪国ならではの食材も喜ぶ料理法がギュッと詰まっていました。

・雪の日のはっと汁

リトルフォレストを観ていて、作りたくなった「はっと汁」。2日目の方が味が馴染んでいて美味しかったです。

・太宰の津軽風土記

こちらも、寒い日に寒い季節の本が読みたくて手にした一冊。絶望に満ちたまま、その人生を終えたように感じていた太宰のこの小説はこんな言葉で終わります。

「さらば、読者よ、命あればまた他日。元気でいこう。絶望するな。では、失敬」

前に向かって強く生きていらっしゃった感じが伝わってきて、心を揺さぶられた一冊になりました。

・写真家の食卓

すこし古い記事なのですが、どれも凄く読み応えがありました。

・腐敗の先にある悦び

毎回異なる農作物や穀物を育てる農家さんをゲストに呼んで、その作物を深掘りして語るポッドキャスト。 
テーマが面白そうな時だけ聞いているのですが、今回は特別編で「発酵」がテーマ。「人類堆肥計画」的な熱い話も聞けて、非常に面白かったです。







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