アロマティカスをご存知か。

　「ナートゥをご存知か」みたいな勢いで言ってみたが、別にナートゥとは関係ない。

　アロマティカスはミントっぽい香りのかわいい植物だ。

　なぜアロマティカスの話をしているのか。

　そう、Gが出たからである。

　G。正式名称を言いたくないのでGで察して欲しい不快害虫。

　先日、なんか床に転がってるクッションを持ち上げたら何かがカサカサ這って行ったのである。　
　私は「うおお！」と男らしく叫んでクッションを捨てた。その隙にヤツは闇に紛れて消えた。

　私はその後、色んな薬剤を家中に噴射し……2匹ヤツを仕留めた。

　2匹。

　2匹だ。

　確かに昨年Gが出なかったので、私は対策をサボりがちだった。しかし夏場に2匹もGが出るなどとは青天の霹靂。奴らはそんなスキを見逃さなかったということか……！？

　奴らは一匹いれば五十匹いるという。本当だろうか。だとするとあと48匹はどこに消えたのだ。こわい。。

　アロマティカスはGを寄せ付けないという。科学的なエビデンスはなさそうなのでまた水素水みたいにエセ科学を信じやがってと言われそうで嫌なのだが、少なくともミントっぽい爽やかな良い香りがする。

　折よく、アロマティカスはG対策効果を期待され、近所の花屋にわんさかと入荷されていた。5月の始めには「ついに入荷しました！」と鳴り物入りだったアロマティカスは、今も20株くらい展示されている。思ったより売れなかったのか、20％値下げされていた。なにか哀愁を感じる。

　こうして私はアロマティカスを300円程度で購入した。

　アロマティカスはいい香りがしてかわいい。
　葉が茂り過ぎていたので、鉢植えする時に少し切ったのだが、葉っぱにうっすらと毛が生えていて、ふわふわしている。かわいい。撫でると、ビロードのような手触りで、しかもいい香りがする。かわいい。

　アロマティカスの葉っぱは、デトックスウォーターや、ハーブティーや、モヒートのミントの代わりになるそうだ。
　この中だと、季節柄、モヒートが飲みたい……。しかし最近お酒は飲まないようにしているので、モヒートには使えない。

　なので切ったアロマティカスは捨ててしまおうと思っていたのだが、なんかかわいすぎて捨てられなかった。とりあえずその辺に転がってたオシャレ花瓶に挿している。

　いい香りがしてふわふわで明るいグリーンの生き物はかわいい。
　ここまで書いて思ったが、この特徴……ガチャピンと一緒である。

　なぜか私はこの手の生き物に弱いようだ。

　ただのG避けに購入したアロマティカスだが、なるべく日当たりの良いところを確保しておこうと思う。

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