見出し画像

うつ症状にも波がある

私自身はⅡ型の双極性障害で、したがって周期的な躁とうつの波に翻弄されている。

※薬の効果で穏やかにはなっている

でもそれとは別に、うつ期の中にも波があって、日によって少しマシだったり激うつと呼ばれるような状態に逆戻りしたりすることがある。今日はそれについて書く。

ただし、私自身は医療従事者ではなく、一当事者だ

当てはまらない場合や、一般性に欠ける場合があるかもしれない。

それでも、体験談を書くことで、不安を抱えている当事者やその周囲の方の力になれればと思う。


「うつ病」は気分障害と言われ、多くの人は長く続く絶望、灰色の日々を思い浮かべるかもしれない。でも実際のうつ病は、周囲からどう見えるかはさておいて、そのような単純なイメージでは語り尽くせるものではない。

発現するうつ症状は個人差がある。私には眠れない、食べられない、自己否定、激しい無力感、無気力、無感動といった症状があることが多いが、いやなことばかり考えてしまう、ずっと涙が止まらない、頭が働かない、動悸やめまいなどの症状が現れることもある。

そしてこれらの症状が、いつも同じ強度で発現するかというと、そうではない。

薬を飲んでしばらく休んでいれば、そのうち調子のよい日も出てくる。
「今日は調子がいい気がする」「治ってきた気がする」という時だ。

これはいい兆候なのだが、しばしばやりがちなのは、焦って「治ったんだからまた働かなきゃ」とか「やってもらっていた家事をやらなきゃ」と何かの仕事、外出、家事などをしてしまうことだ。

うつ秒になるような真面目な方ほどこのようにしてしまいがちだが、結果として1日アクティブに動いた代わりに1週間寝込んだりする。当然だが、1週間寝込んでしまうということは、あまり治っていない。

私もこうした経験があった。どうしても友達に会いたくて、少し動けるようになったから会いに行こうとしたのだが、電車に耐えられず、途中で引き返すことになった。挙句1、2週間寝込んだ。

外出するために、起きて、顔を洗うこと。服を選ぶこと。お化粧をすること。髪をセットすること。

元気な人からは簡単なことだろうが、うつ症状のひどいときは化粧台の前で30分ボーっとしていたりする。ファンデを一塗りして、ボーッ。お粉を取り出して、ボーッ、という感じでかなりの困難を伴った。

なんで? と思うかもしれないが、どうしても集中できないのだ。
頭が、動くという指令を出してくれない感じがする。

医師の言うことが一番ではあるが、私の実感としては無理すると回復が遅れる感じがする。

だから、いったん、元気だったころの感覚は忘れて、少しずつ、少しずつ、「こんなことできて当然」と思っていたようなことを改めてやってみるのがよいのではないか。

とりあえず手をぐーぱーさせるところから始めて、起きてカーテンを開けられたら、それだけで満点をあげたい。

いずれにせよ、うつ症状にも波があることは多い。調子のよい日と悪い日を繰り返しながら少しずつ治っていくものだから、明日はどうだろうとおびえる。穏やかに過ごせれば良いが、激うつ(急性期)の日は……私自身は、地獄のガチャを引いている気分だった。

でも一つ言えることは、寝込むほどのうつ病が、一気に治ることはない

初めてうつ病になった方やその周囲は、少し元気が出た時に「やっぱりうつ病なんかじゃなかったんだ、だとしてもすぐ治るものだったんだ」と正常性バイアスをはたらかせ、無理してしまう、させてしまうことがあるかもしれない。

しかし、もどかしいと感じても、回復を信じて一歩一歩進んでいくしかないし、根性論で無理をすれば上述の通り後退を余儀なくされる。

このように書くと、当事者の方はさぞ不安だと思うし、未来が明るく思えないかもしれない。

何度もうつを経験している私でも、激うつの時はもう治ることはないんじゃないかと絶望するから、今まさにその状態の方の気持ちは少しは理解できるつもりだ。

でも、私は何回もうつ病を経験しているが、ちゃんと治っている。

その日は明日じゃないかもしれないし、明後日じゃないかもしれないが、
それでもきっと、いつか必ず治る日はくるのだ。

だからひどいうつ症状に苦しんでいる方も、よく医師の話を聞いて、なんとか一日、一日耐えしのんでほしい。それが唯一できることだと思う。


最後までお読みいただきありがとうございます! 良かったらスキ/フォローお待ちしてます。あなたにいいことがありますように!

▽他のこころの健康に関する記事

サポートありがとうございます! 金額にかかわらず、サポートが執筆の大きな助けです。 いつも感謝しています。