見出し画像

鎌倉の海で迎えた最高の瞬間【#わたしと海】

 私は海を眺めながらお酒や食事を楽しむのは、最高の体験の一つじゃないかと考えている。

 数年前の初夏、Twitterで鎌倉散策オフ会を企画したところ、数人参加者が集まったので決行したことがあった。

 コロナの影響などで断ってしまったが、オフ会って楽しい。ネットでの印象とリアルの印象はびっくりするぐらいかけ離れていることがある。少し変な人かなと思っても、話してみたら全然普通の良い人であることもあるし、逆のパターンもある。長いことネットで付き合いがある人とリアルで顔を合わせると、旧友のような印象と初対面の印象が相まって不思議な感じがする。

 待ち合わせなどで、「〇〇さんですか?」と声をかけるのも楽しい。

 一度、「私は髪の長い化粧の濃い女です」と特徴を伝えられ、なんと答えていいのか分からない時があった。
 とりあえずその場にいる、一番化粧が濃いであろう、アイシャドウも鮮やかな女性に声をかけたら合っていた。正解してしまったのも失礼な気がして困る。

 それはそうと、鎌倉は好きなお寺が多いので、よく行く好きな町の一つだ。

地蔵(photoAC様から)

 オフ会では小町通りという商店街をアイスなど買い食いしながら練り歩き、お寺で写経体験とかして「すべては菩薩なのだ」みたいな講釈を聞き、他にも神社を周り、由比ガ浜を散策する。私は海水浴をするつもりはなかった(だって主催者カナヅチだもん)ので普通にパンプスみたいな靴だったが、数人はビーサンを持参しており、波打ち際で海とたわむれて遊んでいた。非常に絵になる光景だった。

鎌倉の海(PhotoAC様から)

 由比ガ浜を散策したあたりでちょうど夕方になり、私たちは予約した海辺のイタリアンレストランに向かった。風が涼しい、気持ちの良い日だったので、オープン席で円卓を囲んだ。もちろん、全員ツイッタラーなので飲食前に儀式のごとく写真を撮ってアップする無言の時間が流れる。それが済んだら乾杯だ。

夕日(PhotoAC様より)

 私たちは肌に涼しい海風を感じながら由比ガ浜の沈みゆく夕日を眺め、キンキンに冷えた生ビールで喉を潤した。美味しい料理に、冷たいビール。景色は最高で、涼しい風。ゆったりとイスに座って楽しいお喋り。

ビール(PhotoAC様より)

 控えめに言って最高の体験だった。今が人生の最高のひと時だと思った。

 すっかり日が沈んでお腹がいっぱいになった頃、私たちは駅まで戻る。その帰り道もまだ楽しい気分で、話題が尽きない。解散した後も方向が一緒の人たちとは電車に同乗し、「今日は楽しかったね」「最高だったね」と言いながら、楽しみはいつまでも続いた。

 というのが私の楽しかった海の思い出だ。

 人間が生きるということの大半は、日々の忙しない生活に振り回され、目の前の何かに対応していくということに尽きる。
 でも時折こんな風に、自分のすべてが報われるような幸福な瞬間を得ることもある。
 こういう瞬間を逃さず感じて大事にしていければ、それだけでいいのだと思う。


 最後までお読みいただきありがとうございます! 良かったら、スキ/フォローお待ちしてます。あなたにいいことがありますように🌈

サポートありがとうございます! 金額にかかわらず、サポートが執筆の大きな助けです。 いつも感謝しています。