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文フリ札幌 無事終了&通販開始&余談


文学フリマ札幌、無事終了

除霊でもされたみたいに肩首の痛みが消えていきました。いや、本当になんか憑いていたかも。文学フリマを無事終えて、愛車の黄色いエッセに乗ろうと屈んだ時、首のズキズキする痛みがだいぶ消えていて驚きました。良かった良かった。

立ち寄ってくださった方々、ありがとうございました!

よく考えてみたら本を作って終わりではなく、売るところまでが文学フリマだということを開場のアナウンスまですっかり忘れていました。「え、接客?無理無理」と言っている間もなく、開始10分。やってきたお客さんに初めて自分の本を買ってもらえて嬉しかったです。加藤千昇29歳、記念すべき最初の本の購入者は、無口な淑女でした。一緒に写真でも撮ってもらえば良かった。おばあちゃん、本当にありがとう。

実際、自分も去年は客として行っていたから少しわかるのですが、著者であろう方がブースに座っていると、まず試読の段階から緊張するのです。面白そうな本はたくさんあるけど、あそこ行くの緊張するなぁの繰り返し。今回ブースの内側に入って初めてわかったことですが、案外試読だけでもブースにやってきて本を手に取ってくださることだけでも本当に嬉しくて、「ありがとうございます」みたいなそうじゃなかったような僕の唸りの小声は、わりと感謝にあふれています本当です。

はじめてのことばかりでド緊張していた時に同じ机で出店していた「葦屋」の、ものすごい愛さんと杉山ハウスさんが色々と声をかけてくださって、本当にあふれる感謝の気持ちでいっぱいです。「僕のはじめてがあなたでよかった」と言うと少しアダルトな感じもしますが本当です。本が1冊売れると「嬉しいよね」と笑顔をくれたものすごい愛さん、ものすごい愛でした。

ものすごい愛さんと杉山ハウスさんの共著の日記集『氷水』はじめ、『賢者タイムズ』も購入させてもらって、ブースでこっそり読んでいたのですが、どちゃくそ面白いです。挨拶の時あんな穏やかな印象だった杉山ハウスさんのエッセイを読んで、変態ってやっぱりすげえやって思いました(感動しています)。11月に文学フリマ東京にも参加されるようなので、関東近辺の方は是非。

黄色い車文庫とかいうよくわからんブースに来て、本を購入してくださった方、さっそく感想のメッセージを送ってくださった方、本当にありがとうございます。次はもっともっと面白い本を作るので、是非これからもよろしくお願いします。



通販開始のおしらせ

通販サイトも立ち上げたので、来場できなかった方でもし購入希望があれば、こちらからよろしくお願いします。…正直、本体500円なのに送料込みで1000円とかなんだかな、と思うところもあるので、直接お渡しできそうな方にはできるだけ持っていけるようにします。ただ、いつになるかわからないので、その点だけご了承ください。ごめんて。



余談 『生活の幽霊たち』のタイトルについて

たまたま「なんで幽霊なの?」と聞いてくださった方がいたので、少しだけそれについて書きます。

自分が東京を発つときに書いた「生活の幽霊(旧題:引越し)」という記事が、きっかけです。その頃読んでいたカルロ・ロヴェッリの『時間は存在しない』とかA24の映画『A Ghost Story』がもっと深いテーマとして根底にはあるのですが、そこは割愛。


幽霊っていうとホラーな文脈で語られてしまいがちですが、僕が「幽霊」と使う時はもっと身近な存在として使っています。よくドーナツの穴なんかをモチーフにしてざっくり「不在によって存在する」みたいな哲学がありますが、それと似ています。

「いない」とか「別れた」とかそういった出来事って生きていて沢山あると思うのですが、「不在」ってつまるところ「誰かの記憶」だと思っています。そこにいたもの、そこにあったもの、そこで過ごした時間。そんな記憶こそが「幽霊」で、僕たちは生きていようが死んでいようが世界の記憶として過去も未来もない時間のなか、ただここにいるっていう…

あれ、なんかわかりにくくなってる?

めちゃくちゃ簡単に言ってしまうと、「幽霊」みたいな「誰かの記憶」が大好きで、そんな幽霊たちにこれまでもこれからもずっと囲まれて、「辛かったことも苦しかったこともひっくるめて、大好きな時間だよ」と僕なりに伝えたい。それは読者も含め、いろんな場所で生きてきた自分、そこにただいた人たちすべてに向けて。

そんな気持ちで「生活の幽霊たち」とタイトルを付けました。


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