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雨宮天の昭和歌謡カバーソングアルバム『COVERS』を紹介したい!

【はじめに】
この記事では、声優&歌手・雨宮天さんが2021年10月6日に発売したカバーソングアルバム『COVERS-Sora Amamiya favorite songs-』の収録曲たちを、雨宮さんご本人のラジオ特番でのコメントを通じて紹介していきます。

※前回の記事(番組)の紹介

今回のカバーアルバムと、そのアルバムを紹介する今回の特番の前身となるのが、今年(2021年)6月に「文化放送」で放送をされたラジオ特番です。

地上波ラジオでの濃密な「昭和歌謡」特番を、放送翌週に私(Rx)が記事にしているのでそちらで振り返って頂ければと思いますが、20歳台の女性声優が、昭和歌謡を小さい頃から愛してきて、今回初めて「カバーアルバム」という形での販売に漕ぎ着けた感慨から今回の番組はスタートします!(↓)

0.オープニング

番組の正式名としては『超!A&G+×ABEMAアニメSpecial Radio Program』で、文化放送のデジタルラジオ局『超!A&G+』と『AbemaTV』アニメチャンネルという2つの局が、局や媒体の垣根を越えてコラボしているアニラジ(スペシャル番組)です。

2週続けての30分特番は、「Special Radio Program」的にも記念すべき第49&50回という節目に当たります。そんな記念すべき回という事で、再生回数も普段より多いみたいなのですが、雨宮さん的に冒頭笑っちゃったのは、

 『超!A&G+ × ABEMAアニメ Special Radio Program ~ 語れ!青の歌謡曲!「COVERS -Sora Amamiya favorite songs-」』

という情け容赦ない長さの番組の正式名でした。確かに長いわww 台本上は実に「3行」に渡っていた様です。

ちなみに、雨宮さん本人も補足説明していましたが、「語れ!青の歌謡曲」というのは、声優ユニット・TrySailトライセイルの3人が週替りで放送しているラジオ番組で雨宮さんが担当しているコーナーのタイトルです。
……というか、文化放送的には、1968年から2021年まで50年以上続いた深夜音楽番組『走れ!歌謡曲』のパロディ的なタイトルなんですよね、これww

『まさかまた歌謡曲について語れる特番が出来るなんて!』と番組冒頭からご満悦の様子の雨宮さん。カバーアルバム製作のコンセプトについて尋ねられると、『コンセプトでいうと……Favorite Songsなんですよ、ただ、好きな曲を集めましたー! っていう感じなので』と語りつつ、それに続けて、

雨宮「とにかくね、私のこだわりとして、私のアルバムからその曲を知って下さる方もいらっしゃると思うので、とにかく本家を聞いて欲しい! 
『本家至上主義』の私としては、本家に行って欲しいから、
本家に行きやすい、シームレスに行けるように、ご本家とアレンジを変えない、ご本家に寄せたアレンジにして下さいというのは強くお願いしました」

と熱弁する所に本家へのリスペクトが強く感じられました。なるほど、派手にアレンジをせず、“ご本家”(「御」をつけるあたりの丁寧さも伝わる)に近いアレンジなのも、雨宮さんのオーダーだったんですねー

※ここから「楽曲紹介」を進めて参りますが、音源は雨宮さんの思いを汲み取り、「ご本家」のものとさせて頂きます。ただ、雨宮さんのカバーVer.は想像を上回っているので、ぜひお聞きすることを強くオススメします!

◎前半(2021/10/08放送):1~5曲目

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M-1:1978年『かもめが翔んだ日』/渡辺真知子

ソニーの大先輩である「渡辺真知子」さんの、言わずと知れた代表曲です。雨宮さんも力を入れた『ハーバーライト』の歌い出しが、カバーアルバムの1曲目=幕開けを彩ります。

雨宮さんにとっても小学生、中学生ぐらいから歌い続けているという年季の入った楽曲です。若い女性にも比較的浸透していますよね、この曲。

M-2:1978年『みずいろの雨』/八神純子

こちらも1978年(昭和53年)発売のヒット曲です。『かもめが翔んだ日』と似た路線の曲を2つ続けてきましたが、良く聞けば細かいアプローチの違いに拘りが垣間見えます。

「青色」が大好きで、YouTubeチャンネルでも「青」を全面に押し出している雨宮天さんにとっては、『譲れない1曲』だったのではないでしょうか。

勿論「青」という要素だけでなく、御本家の歌唱のインパクトが凄いだけにチャレンジするのにも勇気のいるこの曲。雨宮さんの力強い歌い方がかなりマッチしている部類ではないかと感じました。

小学校時代に“変わった”友人が好きで、その友達から教えてもらったのがキッカケという『みずいろの雨』。やはり皆が思いますが、冒頭の

『ああ みずいろの雨』

の高音部分に“全集中”した感じの歌唱がひしひしと伝わってきましたねぇ。

ちなみに、雨宮さんの歌唱する中で、(本人曰く)『ピーープーー』という感じの笛の音については、雨宮さんも笛を吹いたので、その音が使われているかも知れないとのことでした。雨宮さんの音かも知れない笛の音を、ぜひ一度お聞きいただきたい!

M-3:1981年『フライディ・チャイナタウン』/泰葉

そして1~2曲目は70年代ポップスの定番曲であり、雨宮さんも幼少期から聞いていた楽曲でしたが、3曲目の選曲に痺れました。(海老名)泰葉さんの『フライディ・チャイナタウン』が、この流れで打ち込まれます。

リリース当時のセールスは今回の選曲の中で劣りますが、平成から令和にかけて様々な形で注目を集める“ロングヒット”曲となってきています。
楽曲の良さが、雨宮さんとの歌唱に非常にマッチし、「声優アーティスト」という職業の持つ歌唱の武器を最大限に発揮したカバーとなっていました。

この曲は、雨宮さんが「ラジオのコーナー」でリスナーからオススメされてハマった曲なんだそうです。私も正直、今回のカバーで『ここまでの名曲だったか!』と驚かされた口です。

M-4:1978年『たそがれマイ・ラブ』/大橋純子

そして4曲目も、1~2曲目と同じく1978年の楽曲から。どれだけ層が厚いんだと驚かされてしまいますww 大橋純子さんの『たそがれマイ・ラブ』です。

事務所の社長がものすごい数の昭和歌謡曲をオススメしてくれて、その中でひと聞き惚れして今回のカバーに至ったそうで、嗅覚も良いのでしょうね。

『聞く分には良いけど、歌ってみると本当に難しい!』と気持ちを込めて語る雨宮さんですが、雨宮さんらしい歌唱になっているとは思いましたよー

M-5:1975年『時の過ぎゆくままに』/沢田研二

今回のカバーアルバムの中では、寧ろ異色にすら感じる選曲であるジュリーの『時の過ぎゆくままに』。1975年と抜けて古く、かつ前半唯一の男性曲。

原曲至上主義の雨宮さんとしては、キーの置き所を含め相当歌唱に悩んだ事が垣間見える歌唱です。事務所の先輩の【豊崎愛生】さんが、男性曲カバーでも自分色にうまく染め上げていたのとは対照的かも知れませんね。

雨宮さん自身は「男性曲」を殆ど聞かないそうですが、アルバム全体を考えた時にプロデューサーに相談して、この曲をオススメされたんだそうです。

【前半フリートーク】:『シルエット・ロマンス』/大橋純子

リスナーから募集していたテーマは、『あなたの好きな、歌謡曲の“歌詞”』なフリートークコーナー。複数名の視聴者から寄せられたのは、

大橋純子さんの『シルエット・ロマンス』から、「ああ あなたに恋心ぬすまれて」という部分。『恋心を奪われる』という表現は良く聞くけれど、この『恋心を盗まれる』という表現が好きというリスナーに雨宮さんも全面的に同意しておられました。

◎後半(2021/10/15放送):6~11曲目

普段のラジオのコーナー同様、好きな昭和歌謡、そして好きな曲だからこそ語りすぎてしまう雨宮さん。後半は前半以上に曲数が多くなるので、反省を踏まえつつの進行となりました。

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M-6:1979年『異邦人』/久保田早紀

「普段、歌謡曲知らない人でも知ってる」という名曲『異邦人』。私の独自集計したヒット指標でも、累計セールスは「トリプルミリオン認定」に近いという70年代ソングの中でも屈指の人気を誇っています。

正直キーが高いのだけど、雨宮さんによる『布教のためのカバーアルバム』(言っちゃったww とのこと)なので、曲のイメージが変わってしまう「キー変更」という選択肢はなかったとのことでした。

M-7:1984年『北ウイング』/中森明菜

中森明菜さんの中で、どの曲を選ぶかで迷った雨宮さん。御本家を聞きすぎて、雨宮天の良さを出せなかったと感じていたとのこと。別日に聞き直して歌い直し、中森さんを意識しすぎた当初のテイクと、後日収録のテイクを「掛け合わせた」バージョンが収録されているとのことです。

こんな裏話があったとは!

M-8:1983年『悲しみがとまらない』/杏里

好きな曲を並べると、悲しい曲・ローテンションな曲が多いということで、この明るい曲調の楽曲が選ばれたとのこと。(ただ、歌詞の内容を見れば、『悲しみがとまらない』というタイトル通りな訳ですがww)

個人的には、メロの部分のポップス感が今回のアルバムでも屈指だと感じ、こんなツイートまでしてしまっていましたww(↓)

M-9:1983年『SWEET MEMORIES』/松田聖子

JASRACの調べで、今回のアルバムの中で最も多くカバーされているのがこの『SWEET MEMORIES』です。発売から40年足らずで88回はカバーされているとのことで、元は両A面の2曲目だったことを考えると、絶大な感動と支持があることが明らかですよね。

歌い方のバランスを意識したけど、普段から歌っているので、「4~5回」歌って収録が終わった位だそうです。雨宮さんは、『本家を聞いて下さい』と仰ってましたが、私からすると是非「雨宮さんカバーも聞いて下さい』といった感じです。「御本家リスペクトが極まったカバー」だと思いますね。

M-10:1986年『レイニー ブルー』/德永英明

後半唯一の男性曲は、昭和60年代にかかる1曲。シングルのリリースこそ他の楽曲に劣りますが、時代を越えて平成・令和で人気を着実なものとしてきました。

「もうちょっと最初はちゃんと歌ってた」と語る雨宮さん。歌ってるうちに「歌と呟きの間」みたいな歌唱になったとのこと。男性ボーカルだからこそ自由度高く歌えることを活かしたとのこと。

M-11:1985年『恋におちて -Fall in Love-』/小林明子

前回の特番(↑)でも触れられてた『恋におちて』が、この1作目のカバーアルバムのラストナンバーです。

昔からカラオケの十八番だったという『恋におちて』。それも納得な歌唱。

そして、曲のラストの『Fall in …… Love~♪』と溜める所で、ピアノの音を入れず雨宮さんの声一本で勝負する案も出たそうなんですが、『いや御本家が!(ピアノの音と一緒に歌い終わるから、私のも御本家と一緒で!)』と熱い思いが盛り込まれていますねー

さらにこの曲が実は「収録1曲目」だったとのこと。面白い裏話でしたねー

※私(Rx)個人としても、80年代の楽曲の中でも大好きな1曲なので、これでカバーアルバムが締めなのが嬉しかったです。私の指標にもあります通り時代が違っていれば、ミリオンヒットは間違いなかっただろうと思います。

【おわりに】

以上11曲。雨宮さんのご要望に合わせて「御本家」のリンクを貼らせてもらいましたが、私からすればこの記事は、『雨宮さん布教note』なので、雨宮さんのことをご存知ない方、そしてこのカバーアルバムを聞いていない方はぜひご一聴頂ければ幸いです。(↓)


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