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京都で桜旅①京都市京セラ美術館

2024年4月
京都と言えば、夏のシーズンの印象が強い。
夏は修学旅行シーズンであり、白シャツ・プリーツスカートで
汗を流しながら京都の観光名所を歩いた思い出が強いからだ。
社会人になり、ある程度お金を貯めて、好きな季節に旅行に行けるようになった。夏、秋は行ったことがあるから、まだ1度も行ったことがない春に行ってみよう、と思い立った。

京都の桜の名所を一眼レフやスマホで撮ることも旅の目的だが、
今回の大きな目的は、京都市京セラ美術館の企画展を見に行くことだ。
大学生あたりからだんだんと美術館に行くことが好きになり、
今では毎年1冊、全国の美術展の予定をまとめた雑誌を購入するようになった。2024年2月3日~9月1日まで京都市京セラ美術館で開催される「村上隆 もののけ 京都」を知り、会期が終わるまでにぜひ行かなくては!と年始あたりから計画をしていた。せっかくであれば、今まで行ったことが無い春のシーズンに京都へ行こう、と春の1人旅を計画。1人旅は去年の夏に行った広島(尾道・宮島)以来で、友達や家族と行く旅とはまた違ったワクワクを感じながら出かけた。少し長くなりますが、「京都にこんなところもあるんだ。今度行ってみたいな~」という目線で読んでいただけると嬉しいです。

1日目 
羽田空港~伊丹空港~シャトルバス

今回は初めてJALのマイルを使い、往路だけ飛行機とシャトルバスを利用して京都駅に向かった。
海外出張という、自分では全く予期していなかったご縁でマイルが溜まったことも、今回の1人旅の動機になった。
羽田空港~伊丹空港まで1時間程度で着いてしまうため、今まで貯めたマイルが一瞬で無くなってしまったような気持ちになる。今までの仕事への感謝と、自分への労いの気持ちを抱えて、空の旅を楽しんだ。(国内、海外によく移動する方は、マイルを貯めることをお勧めします!)
初めての伊丹空港に到着し、京都駅行きのシャトルバス(阪急観光バス)を待った。シャトルバズは予約をしなくても乗ることができ、PASMOなどのカード利用でスムーズに乗ることができる。伊丹空港は関西の観光地へのアクセスが抜群で、シャトルバスの別の行先には「ユニバーサルジャパン」や「姫路城」などがあった。姫路城に行ってみたい!という夢も持っているため、「姫路城」という名前に後ろ髪を引かれながら、京都行きのバスに乗り込んだ。
伊丹空港から京都駅は1時間程度。窓から景色を眺めながらラジオを聴いていたら、あっと言う間に時間が過ぎた。
道中、偶然に太陽の塔と桜のセットを窓から眺めることができた。大阪観光は予定に組んでいなかったが、バス旅は道中の景色が見えるから、得をした気分になった。
12時過ぎ頃に、京都駅に問題なく到着した。

四条ランチ
美味しいランチが食べたいと、何週間も前から夢を持ってリサーチを
していた。観光前だし、軽めに麺が食べたい。そう思い、京都ならではの和風なカレーうどんのお店を目指した。
京都駅から地下鉄に乗り、「四条駅」に到着。大通りを少し歩き、路地を曲がった先におしゃれな外観のうどん屋がある。実は2年ほど前の秋に京都に行き、四条駅近くのホテルに泊まったことがあった。美味しそう!という理由だけで今回のうどん屋を選んだのだが、見覚えのある道だなぁと思った矢先に、以前泊まったホテルが見えて驚いた。うどん屋は以前からあり、前回近くを訪れたときは気づかなかったのかもしれない。

四条のうどん屋「京都四条くをん」さんは、2階建ての建物で、1階にはカウンターとテーブル席があった。1人で来ているお客さんもいたため、1人の旅行客でも入りやすい印象。どれも美味しそうだったが、「和風かしわキーマうどん」を注文。

キーマうどんはもちろん大変美味しかったが、追い飯ならぬ、追いだしが付いてきたことにびっくりした。うどんが少なくなってきたところで、追いだしをかけると、また違った風味を楽しめた。
個人的にたまごかけごはんは苦手で普段はあまり食べないが、
このお店の卵は西京味噌に漬けている卵黄を使っているようで、今まで食べた卵とは全く違う味がした。とろとろしている訳でもなく、硬い訳でもない。ご飯と一緒に食べるための卵、という印象。予想外の味で、とても美味しくいただいた。
京都らしい上品なうどんでお腹をいっぱいにして、お待ちかねの美術館に向かった。

京都市京セラ美術館
四条駅から地下鉄を乗り継いで東山駅へ。
京都の駅は複雑で関東人にとっては分かりづらい…かと思いきや、
駅と駅の距離は短く、時間をあまりかけずにスムーズに移動することができた。
東山駅から歩いていくと、平安神宮の赤い鳥居が見え、隣に京都市京セラ美術館が見えた。美術館のすぐ側に川があり、桜が見事に咲いていた。
通行人が足を止めるような桜のスポットになっていて、満足するまで桜と京都の山々と、美術館の景色を楽しんだ。

平安神宮の鳥居・京都市京セラ美術館・桜が見える、「三位一体」な場所
京都旅で最初に見た桜。薄いピンクが可愛らしい。

桜を楽しんだ後、初めての京都市京セラ美術館を訪れた。(※文中の作品紹介は展覧会キャプションを元に執筆)
1933年(昭和8年)に開館し、近年のリニューアル期間を経て再オープンをしたこの美術館は、モダンで趣のある外観に限らず、内観も素晴らしかった。
昭和初期の豪華な内装で、どこにカメラを向けても絵になるような、建物自体が美しい美術館だ。そんな美術館のチケット売り場コーナーを抜けると、入り口正面に来館客を歓迎するように、巨大な村上隆氏のアート作品が広がっていた。

村上隆氏と言えば、ニコニコとした顔が特徴のフラワーが有名だ。
カラフルな花びらをつけたフラワーの印象があったが、入り口で出迎えてくれたのは桜。無数のニコニコの桜で埋め尽くされた壁面があり、その前方には、迫力のある赤と青の阿吽像が立っている。ポップでカラフルなのに金と銀の屏風があったり、日本らしいモチーフが描かれていたりと、入り口から京都×村上隆ワールドが全開だった。

入り口の大きな作品を見た後、再び美しい美術館のスペースを抜けると、
大きなガラス窓の向こうに庭園が広がっていた。
池と桜という、風流な風景に現れる金色のフラワー(親子)。キラキラと金色に輝く像がと桜がなぜかとても合っていて惹かれた。風景は全く違うが、
島根県の足立美術館を連想するような広々とした庭園だった。

展示室に入ると、村上氏版の屏風絵≪洛中洛外図≫が出迎えてくれた。
岩佐又兵衛の「洛中洛外図(舟木本)」の画像のスキャンをAIで線画化し、再度人の絵で描き直すことによって、伝統のある屏風絵なのにポップアート、という不思議な作品になっていた。所々にフラワーやオリジナルキャラクターが描かれていて、京都の町中に村上氏のキャラクターが表れたような、なんとも可愛らしい屏風絵だった。
この展覧会で特に印象に残ったのは、「四神」の部屋と、壁一面に大きな作品が展示された「風神雷神ワンダーランド」の展示室だ。
東西南北の守護神である青龍、白虎、朱雀、玄武が四方に描かれた部屋では、村上氏のポップでカワイイ印象の作品とは異なる作品を見ることができた。煌びやかでありながら細かい色使いで、見る者を圧倒するような迫力があった。
美術の展示室としては珍しく、足元のライトを探さないと周りの人とぶつかりそうなほど照明が暗かった。「京都のへそ」と呼ばれている「六角堂」をモチーフにした立体作品≪六角螺旋堂≫にはドクロの装飾があり、死を連想させるモチーフがある真っ暗な展示室で、人々を導くように光輝く「四神」が印象的だった。

「風神雷神ワンダーランド」の展示室では、企画展のチラシにも掲載されている作品≪金色の空の夏のお花畑≫を鑑賞することができた。豪華絢爛な金の屏風に、たくさんのニコニコしたフラワーが咲いている作品。よく見てみると、隠れてしまった花の顔が悲しげであったりと、フラワーの細かな違いを探すのが面白い。
ポップで豪華な作品の向かい側を見ると、迫力のある龍が描かれた≪雲竜赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》≫が展示されていた。
龍はデフォルメされていて可愛らしい印象だが、竜の頭から尾にかけて書道のように迫力と勢いが感じられ、他の作品とは異なる日本画のような印象を受けた。

公式ショップで買い物をした後、入り口の庭園で写真を撮影。
桜と村上氏のフラワーという、今だけしか見られないコラボを堪能した。
関東から京都に行くのはちょっと距離が…という方も多いと思うが、この美術展を見ただけでも十分に満足することができたため、ぜひ足を運ぶことをお勧めしたい。

あとがき 美術展グッズ紹介
今回も公式ショップでグッズを購入。
有名な老舗菓子屋の聖護院八ツ橋総本店とコラボしていて、
生八つ橋がフラワー(桜)とドクロをあしらったパッケージで
販売されていたりと、京都らしい豪華なものが多かった。
シークレット缶バッチは1つ600円で、今回は2回チャレンジをしてみた。
1番欲しかった金屏風にフラワーの絵のバッチは当たらなかったが、
展覧会で惹かれた、フラワーステッキを持った魔法少女?が当たって満足。
他にもフラワーが描かれた金色のお菓子の缶や、丸い形のポストカードなどがあったので、気になるグッズはSNSなどでチェックをしてから、公式ショップで購入をすると良いかもしれない。

上 フラワー(桜)シールは、八ツ橋コラボを買うと1枚ついてくる。

長くなりそうなので、今回はここまでにします。
次回、1日目の旅から続きます。








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