フナオ(物理・学び方・教え方)

高校で5年間教諭として、現在は塾で、高校生に物理を教えています。教材作成にも関わってい…

フナオ(物理・学び方・教え方)

高校で5年間教諭として、現在は塾で、高校生に物理を教えています。教材作成にも関わっています。【Twitter】 https://twitter.com/yfunako 【ブログ】http://madefromjunk.hatenablog.com/

最近の記事

ブラックだから教員辞めたんだよ!

勢いに任せて脈絡もなく書く。 文科省大臣に当てた学校教員の労働上の問題点を訴えたこのツイートを読んだ反応として少しツイートをしたのだが、気持ちが収まらないのでここに少し吐き出すことにした。 ■ 5年勤めて教員辞めた詳しいことはいずれどこかにまとめるつもりだが、自分は地方の公立高校に5年間勤め、卒業生を送り出したタイミングで辞めた。今は、フリーランスとして難関大進学希望者向けの塾で物理を教えつつ、執筆や校正など教材作成に関わっている。 ■ 辞めてよかった辞めるときには少し

    • 『ステレオタイプの科学』と再現性問題

      以前、TBSラジオのセッション22で荻上チキさんが紹介していた書籍『ステレオタイプの科学』を読み終えた。 『ステレオタイプの科学』クロード・スティール(英治出版)↓ ■ はじめに読む前はなんとなく差別についての話なのかと思っていたけれど、読んでみるとだいぶ違った。 社会に存在している「ステレオタイプ(偏見)」がパフォーマンス(テストの点数やスポーツのスコアなど)を低下させるのではないか? という仮説が正しいのか? その影響を緩和させる方法はあるのか? これらを心理学

      • [バグ?]Word数式でTeXを変換すると特定の文字だけ明朝に

        ふだん数式交じりの文章はTeXで書いていますが、仕事で必要な場合は嫌々ながらWordで数式交じりの文章を書くことになります。 数式にする部分はTeXのコマンドを書いておいて、後から数式モードにして変換しています。 ところが特定の文字だけ、数式に変換しても数式のフォント(デフォルトではCambria Math)にならずに、本文のフォント(明朝体)になってしまうのです。 今のところ見つけたのは、hとΔ(\Delta)の2つです。 下の画像は、元の文、数式モードにしたもの、

        • note感想|授業で「生徒に馬鹿にされたくない」という気持ちに流されてしまう|結城浩さんの『難易度調整をどうするか(教えるときの心がけ)』

          高校生などに物理を教えています。 結城浩さんの『難易度調整をどうするか(教えるときの心がけ)』を読んで  「なんでそんなに教師のことがわかるの!?」 とズキズキしました、という感想です。 ※全文を無料で公開しています。 ■ 読んでズキズキッとした箇所上記の記事を読んで、個人的に胸がズキズキッとした箇所を引用します 導入部分の難易度は非常に低めに設定します。生徒にすこし馬鹿にされてもかまわないくらいに設定します。 (導入部分の難易度 より) たとえば(これは結城個

        ブラックだから教員辞めたんだよ!

          iPad proで教材作成|予習編−TeX環境について追記

          iPad proでTeXを使う方法について。 Cloud LatexがiOSで使えないことがわかったため、日本語のTeXファイルをコンパイルできるアプリを探しました。 ※全文を無料で公開しています ■ iPad pro で TeX を使う予習以前、iPad proで物理の教材を作る方法について、iPad pro本体が手元に届く前に予習をしました。 この記事の中でTeXを使う方法について アプリなら「Texpad」が評判良いけど、日本語でコンパイルするにはオンライン上

          iPad proで教材作成|予習編−TeX環境について追記

          iPad proで教材作成|印刷編

          iPad proが手元に届いてから3週間が経ちました。今回は、iPad pro内にあるファイルをプリンターから印刷する方法について書きます。 以前、iPad proを購入する前に、どのようにして教材を作るか、ということを考えました(机上の空論)↓ 前回は手元にiPad proがなかったので、WEB上の記事を頼りにしながらの予習でした。 今回からは、iPad proを使いながら「実際のところはどうなのか」を書いていきます。 長くなってしまったので、概要をつかみたい方は下

          iPad proで教材作成|印刷編

          iPad proで教材作成|予習編

          高校生や高卒生に物理を教えています。 授業などで用いる教材を作る際、これまではノートPCを使っていました。iPad proの購入を決めたので、教材作成をiPad proで行う方法をアレコレ考えているところです。まだ現物が手元に届いていない現段階での予習状況を備忘録としてここに記します。 これまでの経緯やノートPC時代の話もアレコレ書いていたら長くなってしまいました。具体的なツールについて興味がある方は、ちょうど真ん中あたりから始まる「iPad proで教材をどう作るか」と

          iPad proで教材作成|予習編

          解の吟味|手応えのなさにサヨナラ(高校物理・大学受験)

          ■ この記事を読んでほしい人【物理を学習している人】 ①問題を解いて答えが出たらすぐに解答を見る人 ②求めた答えが正しそうなのか判断できるようになりたい人 ③問題を解いて「わかった」感がほしい人  【物理を教えている人】 こちらが間違いを指摘する前に、生徒自ら間違いに気づけるようになってほしいという人 ■ 併せて読んでほしい記事ミスを分析する|勉強は自分を知ること(高校物理・大学受験) ミスや間違いとの向き合い方について書いています。 ■ 計算したけど手応えが全くない

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          解の吟味|手応えのなさにサヨナラ(高校物理・大学受験)

          ミスを分析する|勉強は自分を知ること(高校物理・大学受験)

          ※全文を無料で公開している「投げ銭」スタイルの文章です。 ■ 間違いは消さずに残そうよく生徒に「消さなくていいよ」と声をかけます。生徒の中には、自分の間違いに気づくと反射的に間違った部分を消しゴムで消してしまう人がけっこういます。 そのときは「消さないで、バツ印をつけたり色ペンで印をつけるだけでいいよ。自分の間違いは必ず残しておこう」と伝えています。 どうしてもノートには「正しいもの」だけを残しておきたくなるものです。「間違い」はノートの中に存在すべきじゃない。そう思う

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          ミスを分析する|勉強は自分を知ること(高校物理・大学受…

          【高校物理】勉強の果てしなさをv-tグラフと仕事の計算で和らげる【授業で話したこと】

          高校生や高卒生に物理を教えています。特に苦手な生徒が感じる「勉強の果てしなさ」について授業で話していることを簡単にまとめます。 ■ 苦手な生徒は勉強に「果てしなさ」を感じている物理を苦手としている生徒は、たったひとつのことを理解するだけでも、けっこう体力を使います。「たったひとつのこと」といっても色々なことが絡んできますから、時間と労力が必要になるのは仕方がありません。 例えば「v-tグラフの面積が移動距離※になる」ということを飲み込むには、次のようなことが必要になるでし

          【高校物理】勉強の果てしなさをv-tグラフと仕事の計算で和らげる【授業で話したこと】

          「物理の学び直し」で「ハードルを下げること」の重要性を再認識

          ※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。 ※物理の内容にはほぼ触れていません。「学び方」についてのノートです。 熱力学第2法則を勉強していましたちょっと必要になったため、ここ数日ほど熱力学第2法則について勉強し直していました。カルノーサイクルの重要性と、第2法則とエントロピーの関わりについて、恥ずかしながらようやく納得できたような気がします。 大学生のときに熱力学を習ったときにはチンプンカンプンでした。あれから約十年。高校で物理を教える経験を経て、多少は「物

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          「物理の学び直し」で「ハードルを下げること」の重要性を…