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頭痛予防のためのセルフケア 現代医学編

今回はセルフケアによる、現代医学的な頭痛の原因の一つと考えられる首の後面にある筋肉の過緊張改善方法をお伝えいたします。
頭痛の現代医学的な原因についてはこちらを御覧ください。

セルフツボ指圧による首後面の筋を緩める

首の後ろに天柱(てんちゅう)というツボがあります。

いわゆる、頭痛に効くツボ、として有名なツボです。この場所は僧帽筋(そうぼうきん)、頭半棘筋(とうはんきょくきん)、頭板状筋(とうばんじょうきん)という筋肉の境目に該当する部位となっています。

僧帽筋、頭半棘筋、頭板状筋はそれぞれ、頭を後方から支える筋肉で、上の写真のように頭が前に出ている状態のときには特にこれらの筋肉が負担を強いられます。

天柱はそのような筋肉の境目に位置しているため、ポイントでアプローチする箇所としては便利な場所となっています。筋膜が重なる箇所にもなるため、ここを緩めてあげると、首の過緊張による、首の後ろ側の筋肉全体にかかる圧力を抜いてあげることにもなります。

このセルフ天柱指圧を、朝昼晩とそれぞれ10秒間3セット行いましょう。

セルフ天柱指圧のやり方
両手を組んで、組んだ手のひらを後頭部に当てる。両方の親指が当たるところがだいたい天柱の場所となる。その場所をじんわりと気持ちがいい程度の強さで10秒ほど息を吐きながら押す。
押したまま、上を向くようにしてもよい。そうすると、少し深く指圧することができる。これも行う場合は気持ちが良い程度に押す。

直接触れられない筋肉は、エクササイズを活用して緩める

次の方法は、首の後ろ側でも深部の筋肉を緩める方法です。このように直接触れることができない筋肉に対しては、反対の働きをもつ筋肉を使ってあげる方法もあります。生理学的には相反抑制(そうはんよくせい)という仕組みです。

関節運動というのは、一方の筋肉が収縮するときはもう片方の筋肉が弛緩する必要があります。例えば、肘を曲げると上腕二頭筋という力こぶを作る筋肉が収縮しますが、それと反対の働きをする上腕三頭筋は緩んでいる必要があります。

この仕組みを利用すると、顎を引くように首を曲げると、首の後ろ側で一番深いところにある、後頭下筋群という4種類の筋肉を緩めたポジションにすることができます。この後頭下筋群は、先程の写真のように頭が前に出た状態では慢性的に収縮状態にある筋肉たちです。逆に、首の前側の筋肉、特に深部の筋肉が働いていない状態となっているため、この筋肉を使うエクササイズとなります。

以下の写真のように行います。

ポイントは、頭を後方にひいた結果として、顎がひかれ少しうなずくような形で首が軽く曲がることです。

慢性的に頭が前にでる姿勢を取っていると、この動作を行うことができないかもしれません。そのような場合は、以下のように、まず自分の指で顎を後方に押し込めて、頭が後ろにいく動きの感覚を感じることも必要だと思います。

動画でも御覧ください。

このエクササイズは座ってでもできるため、こまめに行ってください。首の筋肉の緊張を、日常的に固定化しないようにするというイメージです。固定化しなければ、休息や睡眠により回復しやすい状態にもなります。いかに回復しやすい状態を作るかという考え方はセルフケアを行う上で重要になると思います。

この記事の執筆者

萱間洋平 かやまようへい 1980年浦和生まれ
神奈川県立横浜緑ヶ丘高校卒業→慶應義塾大学理工学部物理学科卒業→製薬会社勤務→鍼灸あん摩マッサージ指圧師免許取得→鍼灸学校教員免許取得→慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了→慶應義塾大学医学部漢方医学センター非常勤講師(鍼灸外来)→ヘルスケアデザインラボ代表
ランニングと料理とサウナが好き

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