見出し画像

田舎生活から、久しぶりに東京に帰ったところ

ここでは何もできない

今日は、「何もしなかった」
心地よいそれではなく、
やりたいこと、
やらなくてはいけないことがあったのに、
できなかった。

かろうじてこの文章を書いている。

普段は、長野の山間で生活しているが、
実家のある東京に帰ってきている。

どんな場所でも関係なく、
変わらない仕事ができることが理想だが、
どうやら私には難しいようだ。

東京ではなんだか、仕事が思うように進まない。
というか、やる気が0になる。

それはどうしてだろうか。

私は「精神の故郷」の存在を信じている。

サマセット・モームの代表作「月と6ペンス」が、
まさに「精神の故郷」を求めて、全てを捨てた主人公の物語であった。

住んでいたイギリスを離れ、
家族や仕事、地位も捨てる。
絵を描き、南国タヒチで新たな人生を始める。

この物語で、肉体と精神の故郷は必ずしも同じであるとは限らないことを印象付けられた。

私は先祖の代からずっと東京で、人生のほとんどを生まれた土地で過ごしている。

大学卒業後、日本を離れて中国で半年ほど生活したこともある。
だけど、現在の長野県の田舎での生活が私にとって一番心地がいい。

そう感じるのは、外部にアクティビティを求めなくなったからだ。

東京にいるときは、満たされないものを埋めるために消費をしているのような感覚があった。お店やイベントと、よく動き回っていた。

人との繋がりも増えるし、
やれることはどんどん増えていくし、
楽しいこともあるのだけど、
ずっと違和感があった。

それが、長野の田舎に来てから無くなった。


抵抗するものが多すぎる

ここ数日の生活は自分の「生きやすさ」について
改めて考える機会が多かった。

長野県の真ん中あたりから、
軽井沢を挟んで、
東京に帰ってきた。

軽井沢では、ひとつ予定を済まして
その後にアウトレット行った。

書いたいものがあったが、
結局何も買わなかった。

買わなかったというより、
買えなかった。

ひとつ買うのに色々考えすぎてしまう。
すっかり疲れてしまった。

「もう、ショッピングモールに来るのはやめよう」そう思った。
なんでだろう。

「損をしたくない」という思いが強いとも言えるが、
無駄なものを買ったら、捨てなくてはいけない。
その捨てる行為にすごくストレスを感じる。

世代ならではの、感覚なのだろうか。

だから買う時に慎重になってしまう。

やらないことが1つ決まった。


私にあった場所

田舎の生活が私にはあっているのだと思う。

東京に帰ってみて、再確認できた。
朝起きたらすぐに外に出て、ぼーっとできるし、
家にいて作業の息が詰まったら、
散歩にいて川まで歩いていける。

それで満足できるから、
私の精神の故郷は田舎なのかもしれない。

弱冠25歳であるが、
その発見に至るまでは、
トライ&エラーがあった。

海外にも住んだ。
中国上海に住んでみた。
異文化の刺激があったが、
都市での生活には変わりなかった。
お金がないと楽しみきれない印象はあった。

長野県でも、田舎とまでは言えない街に住んだ。
やはり、そこでの生活もつまらなくなってしまった。

私にとっては、土に近い生活というのが大切だった。
薄々気づいてはいたが、やってみてしっくりきた。

自分にあった暮らしは、ストレスはないが、
ひとつ困ったことがある。
自分の本質が発現することだ。

社会人として生きるために、
抑えていた部分がなくなって、
できないことが増えてきた。

時間に間に合うこととか、
電気つけっぱなしってどっかいってしまうとか。

時間基準にしようとすると、
すごく神経を使わなくちゃいけなくなってしまった。
たまに困る。


やらないことを決めるには


私にとって、やらないことを決めるのはとても勇気のいることに思える。
それは、頑張ればなんでもできる。
という考えがどこかにあるからだ。

学校の勉強でもそういうタイプだった。

切羽詰まれば、決めることができるが、
そうでなければ、全てを万番なくやろうとしてしまう。

なので、できない環境に身を置いてしまうとラクだ。

田舎では「できないこと」が多い。
その「できないこと」がやりたいのなら、
無理やり田舎で生活する必要はないが、
私にとって都会での生活は
特に「やりたくない」のに、
やっていることが多かった。

家に止まっていたいけど、
マンションの一室じゃ息が詰まるから、外に出た。
作業のために電気とWi-Fiが必要だから、
カフェを梯子したりした。

本、雑貨、家具。欲しいものがたくさんあった。

今の生活では土との近い生活ができていて、
外に出ないといけない理由もない。
自分で作ることが楽しいから、
原材料を買うことも増えた。


明日は、

朝から外に出よう。

いただいたサポートは、花と民芸の表現の追求にあてさせていただきます。