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【オススメ映画】「海外に行きたい行きたいと言いながら、なぜ今すぐに行かないの?」の答えが詰まった映画

みなさん、こんにちは。
株式会社Liberty 代表取締役の三上結香(みかみゆか)です。

私は昔から海外が身近にあったことから、将来は海外で仕事したい、世界中を自由に行き来できるようになりたい、海外に住みたい、などと、よく言っていました。

それは、時には自身の願望として頑張る理由の元になることもあり、また時には目先のやるべきことから逃げる理由になることもありました。「すべてを投げ出して海外に行けばいいのでは?」「だったら、いますぐ海外に行けばいいじゃない!」

、、、いや、今じゃない。

「なぜ、今じゃないのか」の理由がふんだんに詰まった映画がこちら。

『イン・ザ・ハイツ(In The Heights)』

ミュージカル大好きな私としては、映画のストーリーが面白かっただけでなく、歌も踊りも存分に味わえて良かったです。ところどころスペイン語だったことや、ラテンミュージックが取り入れられていたことも、面白かった理由の1つかもしれません。

映画をみた後すぐの感想としては、「あぁ、だから私は、海外に行きたいと言いつつも、身一つで今すぐ行くのは違うと思ったんだよな」と過去の自分の選択を思い出すきっかけにもなりました。
せっかくなので、映画の紹介も交えながら感じたことをお伝えできればと思います。

1、「アメリカンドリーム」は本当に存在するのか?

アメリカといえば、「アメリカンドリーム!」と言われるように、夢や希望に満ち溢れていて、チャンスを掴みたいチャレンジャーたちが渡米しているイメージはありませんか?

以前のコラムにも書いたように、ビリオネアを多く輩出している国でもありますから、チャンスがあることは間違いないと思います。

今回の主人公たちであるカリブ海からの移民にとっても、アメリカは仕事がある国。自国では経済状況が悪く、働くことすらままならないため、仕事が多くあるアメリカへの移住を夢みる人が多いそうです。

しかし、この映画を見ると、アメリカに移民をしてきた親を持つ第二世代、第三世代の子どもたちがどのように扱われているかが明白です。ただ移住をすればうまくいくわけではないということがとてもわかりやすく描かれています。

「どういう目的で海外に行くのか?」
これが明確かどうかが大事です。なぜなら、目的によって海外への行き方が変わるからです。

2、圧倒的な格差社会の現実

日本で「格差」と聞くとどのようなイメージを持たれるかはわかりませんが、映画の中では「移民の子どもであるという出自」「人種」「職種」などが差別される要因になっていることは明らかでした。

私もアルゼンチンにいた時は、歩くだけで「China!(中国人!)」と言われたので心当たりがあります。(最初は、見た目の違いを言われているとは思わず、日本人だよ!といちいち返事をしていた自分のピュアさにビックリです笑)

アメリカは、「サラダボウル」と言われるくらい、多種多様な人種が混ざっています。映画の舞台になった街は、カリブ海からのラテン移民が多く住む街。このように、地区によって住んでいる人が違うのも海外ならではかもしれません。

映画のストーリーは、地価の高騰により、金銭的な理由で住み慣れた街を離れて新たな新たな夢を追うか、安住して今の地で働き続けるか、の選択に迫られるところから始まりました。夢を追うことが映画のテーマで、「宝くじに当たったら何がしたいのか?」など本来の願望を問いかける場面もあるなど、夢を追う美しさも描かれています。

しかし私が一番気になったのは、そもそも、その地に住む人たちは誰も豊かな生活をしていないということです。テレビで見るアメリカや、イメージしているアメリカとは違う現実がそこにある。そして問題は、貧しさは第二世代、第三世代、と引き継がれ、なかなか抜け出せないということです。

果たして、自分が海外に行った時にはどのような生活が待ち受けているのでしょうか?

Amaicha del Valle(アルゼンチン北西部にある田舎町の様子)

3、公平なチャンスがあることは当たり前ではない

日本にいる外国人の友達の話を聞くと、日本では何をするにしても国籍の問題でチャレンジしづらいと感じるそうです。家を借りるにも、就職するにも、起業するにも、融資を受けるにも、日本国籍がないからという理由で厳しい現実を叩きつけられると聞きます。

私たちが海外に行くとどうでしょうか?日本のパスポートは世界最強と言われてもいますが、住むとなればまた話は別問題ですよね。

映画でも移民の方々の苦労がわかりやすく描かれていました。家が借りれなかったり、泥棒と間違われたり。主人公のウスナビは、自営業でキオスクを営んでいるのでまだ良いかもしれませんが、雇われる仕事をしている人たちの生活は厳しさ以外の何物でもありませんでした。よほど飛び抜けた才能がなければ、一生抜け出せることはなさそうです。

そんな世界に飛び込んで、果たして自分が挑戦できるチャンスはどれだけあるのでしょうか?チャンスは至る所にあるとはいえ、それを手に入れられるかどうかはまた別問題。そうして、改めて、今日本にいてチャレンジしやすい環境があることが当たり前じゃないよな、と考えさせられるのです。

San Telmo(アルゼンチンの日曜マーケットにて)

まとめ

漠然とした現状への不満から、留学したい、ワーキングホリデイに行きたい、世界一周したい、海外に住みたい、などという相談を受けることがよくあります。私がそういう時にいつもいうのは、「で、行って、どうするの?」です。海外に場所を移すことで、果たしてどのような未来を期待しているのでしょうか?

20代前半の私は、行きたいという想いはありながら、行った先の具体的な目標や、そもそも海外に行く明確な目的を持ち合わせていませんでした。だから、上に書いたような様々な理由で現実を知り、果たして本当に今行くことがベストなのだろうかと振り返り、行くことを辞めたのです。本当に明確な理由があれば、状況がどうであれ、チャレンジするはずですよね。

もう1つは、私が望んでいる生活を海外で成し遂げようと思ったら、現地での差別や様々な障害を乗り越えられるだけの「自分を保証できる何か」が必要だとも思いました。しかし残念ながら、誰かが自分を保証してくれることはありません。海外では特に実力主義ですから、会社も自分を保証してくれることもないでしょう。だから、まずは自力をつけることに集中しよう、と決めて日本で事業の立ち上げに集中してきました。

海外に行きたい!という方には、行く前にぜひ一度は見ていただきたい映画です。

良い作品に触れると、考えさせられることも多いですし、自分の大事にしている価値観を感じることもできて良いですね。これからも様々な作品に触れて、感じたことをお伝えできればと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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