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中秋の名月に限りある生命を思う

今年は9/10が中秋の名月でした。ちょうどベランダからよく見える位置に綺麗な月が上ってきたので、娘達と作った月見団子を食べながらお月見をしました。

今年は空気が澄んでいたのか、月面の模様までくっきりと見え、娘達は「ウサギさんがお餅ついてるね」など他愛ない話を楽しんでいました。その傍らで私は、「平安時代や鎌倉時代の人達もこうして同じ月を見上げて、月の美しさを愛でていたんだろうな」「宇宙の悠久に比べると人間の命なんて一瞬だな」と感慨に耽っているうちに、なんだかしんみりとした気分になり、「あと何回くらい、こうして家族と中秋の名月を愛でることができるのだろう」とふと思いました。

こんなに月が綺麗に見えるというのは天候や気象条件もあるので何年かに一度かもしれませんし、娘達が大きくなって忙しくなれば、共に過ごす時間は減っていきます。またいずれは私達親のほうも年老いていくでしょう。私自身が自分の父母とお月見をした記憶は、もう遠すぎて覚えていないくらいです。けれどもきっとこうして、今は亡き父母に囲まれて月を見上げていた幼い時は確かにあったのでしょう。

家族と過ごすこうした何気ない時間は、実はとても貴重でかけがえのないものなのかもしれません。つい色々な雑事に追われて見失いがちですが、過ぎ去るともう戻ることのない、幼い娘達と過ごすこの日々を、大切にしていきたいと思います。

最後に一冊、お月見にぴったりの絵本をご紹介します。

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「じゅうごやおつきさま」(福音館書店 ちいさなかがくのともシリーズ)

文:高柳芳恵、絵:松成真理子

小さな女の子がパパに連れられて月を見にお散歩に行く、どこか懐かしく心温まるお話です。最後におばあちゃんが差し出したお盆に月を映しとって眺め入るシーンが印象的です。

実はこの絵本の文章を書かれた高柳芳恵さんは、一月に亡くなったうちの母の古い友人です。母の訃報を連絡したところ、とても悲しんでくださり、絵本の執筆や児童図書館の活動をなさっている近況と共に、こちらの素敵な絵本を送ってくださいました。その絵本を娘達に読み聞かせながら、小さい頃母が近所の児童図書館に連れて行ってくれたり、寝る前に絵本を読んでくれたことを思い出していました。

絵本を読んで聞かせる営みも、家族で月を愛でる風景も、親から子へ、子から孫へと世代を超えて受け継がれていくもの。父母亡き後もその思い出が私の心に残っているように、いつか私達が年老いていなくなった後も、娘達に親から慈しまれた記憶が残ることを願って。


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