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【UTMB Race】104km- Trient143km

From Grand Col Ferret

フェレ峠からLa Foulyへの10kmの下り。右足脹脛上部、腸脛靭帯炎のような痛みで既に走れない状態でした。なだらかな下りは走れれば気持ちのいい傾斜ですが、騙し騙しの下り。ここでも走れる選手は先行していきます。我慢の下りでした。受け入れるしかない現実。我慢、我慢。

エイドのLa Foulyに到着。足は痛むものの体は元気だったのですぐにエイドを出発し、先を急ぎました。エイド前後での応援で力がでました。
Proz de Fortまでも下り。ここは耐える時間。先行する選手の背中を追いました。日没も近く、二晩目の眠気への不安も大きくなってきました。

To Champex-Lac

シャンペ湖への登りは、眠気も強くなり、道も不安だったので、パックになっていた選手たちの後を追いました。パックの外国人選手たちは仲間のようで、外国人選手たちのなかに日本人が一人ということで少し「ん?」という感じでしたが同行させていただきました。エイドの手前2kmくらいで先行させてもらい、無事にシャンペ湖(Champex-Lac)へ到着しました。

眠気MaxでTrientへ

レース前日眠れなく寝不足だったため、スタート前はChampex-Lacで寝ることを計画していましたが、まだ行けると判断し休まずに進むことを選択しました。

シャンペ湖畔

エイド後のシャンペ湖畔はとても寒く感じました。ここからフラットな道がしばらく続き、最後の3peakの1つを目指します。
前後の選手があいてきたので道に迷わないよう進みました。
ときどき走って先行してく選手たち。強い。
フラット区間が終わり登りへ。
そして、登るにつれて眠気が強くなってきました。

せん妄の兆候

登る途中、眠気で意識が遠のいてきました。
現実と夢のはざまの時間。
これがロングレースの楽しい時間でもあります。
そして、歩きながらこのセクションで意識を飛ばしました…
・・・
そのときの意識は、なぜか奥武蔵の山を登っている感じ。仲間と奥武蔵の急坂を登っていました。すぐ後ろに聞こえる息遣い。仲間がバテテきているのかなという感じ。その感じがしばらく続きました。
時々、「UTMBを走っていたはずだけど、なんでここは奥武蔵なんだろう?」と思いながら。直後にいる仲間(と思っている)の息遣いがさらに荒くなってきたので、日本語で
「この登り、ほんとえげつないね」
と言って振り返ったら、ブラジル人の女性でした…
「Sorry,Sorry」と謝り、そこでようやく意識を取り戻しました。
意識を取り戻したら、1つめのピークの手前。少し得した気分でした。
寝ぼけている間にピークに着き、Trient143kmのエイドへ下りました。
下りは依然として痛く、まだ眠気もあるので依然として不安でした。
このあたりのエイド・チェックポイントでは、疲労と眠気と戦う選手たちが多かったように思います。

そして、次は最後2つ目のピーク。
「下りは痛いけど、平坦・登りはまだまだいける」そのような気持ちでした。

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