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愛しのオリンピア様

2019年8月12日
私はここで、競馬の話に加え音楽の話題を上げることが多いのですが、今回は初めてのお話です。

写真にもよく登場させるアザラシさん。アイコンでも私はアザラシ。


今でも10年程前に購入したアザラシさんは、我が家の守り神。
綺麗にするためには「洗う」ではなく「お風呂に入れる」。
皆さんが相棒にしているワンちゃんや猫ちゃんなどのペットと同じ。
「家族」同様なんです。

前置きは長くなりましたが、娘と共に向かった先は、名古屋市にあるアクセサリーショップ。雑貨屋さんでもあるかな。
「Sipka(シプカ)」さん。

ご縁はなんと、noteです。フォロワーさんに会いに行きました。
きっかけはこのエッセイ

見る人から見れば、恐怖や嫌悪感も芽生えるかもしれません。

ただ、私にはこの異形怪物に恋をしてしまった少女の気持ちがとても良く分かりました。

「会いたい・・・」

Sipkaの店主、「ことり隊長」さんのエッセイをたどり、公式サイトへ。

てっきり東京かと思っていたら、

えええ名古屋じゃん!!大須じゃん!!

中を覗けば
…だめ、好きすぎる。この世界観。波長が合ってしまった。

娘に速攻LINE。
嫌いなわけがない。

案の上。
「わーー行きたい!!」
だよね、好きだよね。スチームパンクはあなたから教わったし。

■スチームパンク
蒸気機関が広く使われている設定で、イギリスのヴィクトリア朝やエドワード朝の雰囲気がベースとなっている世界観である。日本でいえば明治時代~大正時代頃の近代化を推し進める文明開化から大正ロマンの雰囲気が代表的世界観である。(ウィキペディア(Wikipedia)より抜粋)

分かりやすいのは、ジブリ作品「ハウルの動く城」でしょうか。

お盆休み、祝日、タピオカ・・・混雑覚悟で行ってみると・・・

メイン通りから2本ほど離れているためか静かで人も少なく、一安心。
(写真は娘)


ドキドキしながら階段を上り扉を開けると、寒すぎるくらいの冷房に、予想外に広い室内。

「…こんにちわ…」

ことり隊長さんは普通に「どうぞ」

それからゆっくりと店内を見回りました。撮影禁止のため店内の写真はありません。が、

陶酔。その一言。あとはため息。

ありとあらゆる作品が見るたびに話しかけてきます。

無事、愛しのオリンピア様にもお会いすることができました。このオリンピア様にも物語があり、金属で作られた冊子には哀しみのストーリー。
ああ、尚更愛しくなる。

この作品を製作されたマンタムさんは、舞台美術なども手掛けていて作品は大きいサイズが多め。動物の一部を使用するために気温が上がると「匂い」を放つとか。 おうちに置けるサイズもありますよ。

ああ、効き過ぎの冷房はそれを防ぐためだったんだ…

以前、豚の頭をモチーフにした作品が届けられたときも、店内が「豚骨ラーメン屋」のような雰囲気になったとか(笑)

そのほか、ことりさんに選ばれた作品が、そのブースごとに「物語」をもって佇んでいます。
許可を頂いて、何枚か写真と動画を撮らせていただきました。
こちらはお店のマスコットキャラクターでもある、「あぐ」さん作品。HPのTOPにも登場します。

ことり隊長さん自身の持ち物だったような。
折りたたむとカバンになります。

私がオリンピア様の次に魅せられた、植田明志(うえだ あきし)さん。

ことり隊長さんは2018年、クラウドファインディングによって資金を募り、1年以上かけて植田さんの作品集を製作しています。その金額は目標の300%を越えたとか。ある一定層の絶大な支持があることがうかがえます。
作者と向き合いながら、コツコツと進められた製作過程がことり隊長さんのマガジン「本を作る」に綴られていますので、是非こちらもご覧ください。造形作品もさることながら、デッサン、作品に秘められた物語を知ると、益々その作品に魅せられます。実はこの写真の裏側にも物語が。この作品、誰の手に渡るのか…そうなる前に、是非一度足を運んでいただいて、実物を見て欲しい。向き合えば自然と作品が教えてくれます。若干27歳。まだまだ世界は広がっていくような。

娘のお気に入りはペンダントとして売られているこの作品。精巧に計算されたギミックが内蔵されています。
作者の江島多規男さんは、某大手玩具メーカーでギミックデザイナーとして活躍されている方です。あえて名前はいいませんが、自動車や飛行機がロボットに変身するアニメの仕掛けは、彼のデザインです。これらのアクセサリー兼作品の製作工程も、江島さん自身のブログやTwitterで掲載されていますので、是非ご覧ください。

特別に触らせていただきました。動画を直接埋め込めなかったのでこちらで。ほんと素晴らしい。


ことり隊長さんが声をかけてくださったので、「noteから来ました!」と自分のアカウントを見せて自己紹介。色々お話を伺いました。

最近はコスプレやMV撮影などでこのジャンルを使った作品が増えてきているせいか、大手百貨店からも、作者に関する問い合わせがあるそうです。

薄々お分かりのかたもあるかと思いますが…
こういう作品を作り上げる感性の持ち主の多くは、簡単にいうと「サラリーマンに向いてない」人。もちろん両立されてる方もたくさんいますが。
打ち合わせや請求書発行や納品書など、ビジネスのルーティーンがうまく出来ない人が結構いて、ことり隊長さんもご苦労されることがあるそうな(笑)

そんな中でも、こうして生まれたアクセサリーや造形作品が、皆様の元に届けられるよう、作者が作り続けていける資金や環境が作れるような橋渡し役として、このセレクトショップを20年以上続けていらっしゃいます。

ことり隊長さんは作品を購入することを「お迎え」するといいます。

作品達も、生きているのと同じくらい、作者によって、命と物語が吹き込まれて産まれたものばかり。

ここに並べられた唯一無二の作品に付けられた作品達の値段を見たとき、高いと思うか安いと思うか
是非ご自身の目で確かめに来ていただけると嬉しい。
ただし、お迎えの気持ちがある方は準備を整えて。金銭も含めて。

現状、私にも娘にも、お迎えする準備が整わない状況。
でも肌で感じるだけでもいいと思います。ことり店長さん、その作品の一つ一つを丁寧に教えてくれるストーリーテラー。とても楽しい方ですよ。

帰りに娘が、欲しいピアスあるから穴をあけて欲しいと言いました。

うん。一緒に開けよう!
私も欲しいのあった!

娘の転職先の合否が早ければ今月中にに決まります。その時合格したらお迎えすると。

私は
「あなたのお送りくださった作品は見送ることなりました」

何通目かな。私も頑張ろ。

(愛しのオリンピア様-Fin-)



読んでいただきありがとうございました。これをご縁に、あなたのところへも逢いに行きたいです。導かれるように。