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あなたの視線の先にいるのは私がいいの


好きだ。

好きなのに、この好きが恋愛的に好きなのか、あなたと付き合いたいと思うのかはどうしても自信がもてない。

他にも可能性は低くても、気になる人がいて。

あなたに対する期待も低くて。

好きな気持ちが大きくなることを恐れてしまう。きっと好きな思いが大きくなればなるほど、傷ついてしまうと思っているから。


あなたと一緒に遊んだ日は、周りからはきっとカップルに見えるだろうなと
心の中で思っている。待ち合わせ場所で会って、早い段階で手を繋いでくるあなたはずるいと思うし、それにいつまで経っても慣れない私をからかってくる。

手は軽く繋いでいるせいかすぐにほどけてしまう。しかし、再び繋がれるの繰り返し。

私が差し伸べられる手を無視すれば軽く手首をつかむところ。

「犬みたいでいや」と私はいうが、少しだけきゅんと来てしまってるのは重症だ。大抵並んで歩いているときは手が繋がれる。たまに腕を絡めてくることもある。

二人でいるとき、普通に女の子へ連絡を返している。画面をそっと覗けば名前で分かる。内容までは見ないが、別に画面を隠されることもない。

元カノの話だって、聞けば答えてくれる。

車道側を歩いてくれたり、対向に人や自転車が見えると手を引いてくれる。サプライズで誕生日プレゼントを買ってくれたり、欲しいと言っていたプリンを買ってくれたり、優しいあなたを知っている。

この前、冗談で「おばあちゃん」「おばちゃん」と言ってきたときは、許せないって言ったよね。1歳しか変わらないし、いつも実年齢は私が年上なのに、年下に見えるってからかってくるのに、こういうこと言ってくるのはなんとなく不服だった。まず、私はまだ若いと思っているし、若くいたいよ。

立場を誰かに聞かれれば、少し考え込んでしまうが、「友達」と答えると思う。あなたは、遊ぶたびによく同級生に出会っているけど、二人でいる時に出くわしたらどうするの?って質問に、「友達」っていうというし、焦ることもなく、どうも思わないというよね。そんなさっぱりさが羨ましい。


あなたのことが好きだ。

水族館に行ったとき、カニやエビの前で「食べたい」と言ってみたり、隠れたり水槽の上の方を泳いでいる魚に対して「給料泥棒」って言ってみたり、勝手にアフレコしてみたり、そんな子どもじみたことも受け止めて付き合ってくれたの嬉しかったよ。


でも、付き合ってしまえば、未来は、結婚か別れるの2択しかなくなってしまう。そのことがひどく悲しく、離れること望まない私は、一歩を進むことを拒んでしまう。

でも、誰かの隣に行ってしまうことは許せなくて、
そばにいてほしいと思ってしまう。

あなたのことが好きだ。でも、あなたを愛することができるか少し不安だ。


あなたの視線の先は私がいいの。
あなたにこう言えば、あなたからは何て返ってくるかな。

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