見出し画像

言葉の宝箱 0467【音楽は人の心を豊かにし、リラックスさせる。脳からα波を発生させるのだ】

『小説のだめカンタービレ』二ノ宮知子(講談社2006/12/25)


ピアノ科に在籍しながらも指揮者を目指すエリート音大生千秋真一は胴体着陸の恐怖体験による重度の飛行機恐怖症に加えて海で溺れたことのトラウマのため船にも乗れないことから、クラシック音楽の本場であるヨーロッパに行くことが出来ず、将来に行き詰まりを感じて思い悩む日々を送っていた。担任の教授の教育方針に反発し、口論の末に決別。別れた彼女にもつれなくされて自暴自棄になっていた。ある日、千秋は酔っ払って自宅の前で眠ってしまう。目が覚めると周囲にはゴミの山と悪臭、そして美しいピアノソナタを奏でる女性がいた。彼女の名前は野田恵(通称・のだめ)で、千秋と同じマンションの隣の部屋に住み、同じ音大のピアノ科に在籍していた。入浴は1日おき、シャンプーは3日おきというのだめだったものの、千秋はのだめの中に秘められた天賦の才を敏感に感じ取り、のだめもまた千秋の外見と音楽の才能に憧れて彼に纏わり付くようになる。この出会い以来、千秋はのだめの才能を引き出すべく、何だかんだと彼女に関わるようになる。将来に行き詰まりを感じていたため無愛想だったが、本来は面倒見が良い性格の千秋はのだめとの出会いを機に彼女の存在が潤滑油となり、音大の変人たちに出会い、懐かれ、順調に道を踏み外しながらも音楽の楽しさを思い出し、新しい音楽の世界と指揮者への道を一歩一歩切り拓き始める。また千秋の存在によりのだめもより高い技術を得るための指導者や、環境に出会う機会を得て、それぞれが成長していく姿描いたコミックを小説化したもの。


・音楽は人の心を豊かにし、気持ちをリラックスさせる。
脳からα波を発生させるのだ P90

・努力が徒労に終わる、この虚しさと言ったらない P115

・才能だけじゃなく人との大事な出会いがあるものさ P267

この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?