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言葉の宝箱 0131【男って、バカだよな】


『KATANA』服部真澄 (角川書店2010/6/30)

あらためて記すことでもないのだが
「男って、バカだよな」そうバカなのである。つくづく、そう思う。
「男って、バカだよな」

『KATANA』服部真澄  には、
そのバカさ加減と女性の賢さが綴られている。

・――男って、バカだよな。
分かってはいても、できないことが、山のようにある P60

・「あのな。
戦争ってのは、千人以上の命が失われる激しい争いをさす言葉なんだ。
つまりさ、考え方によっては、
この国は、しじゅう戦争のさなかにあるってことだ。
『銃戦争』で、年間三万の、“戦死者”を出している」(略)
「ところが、そんななかでもな。人間の気持ちだけは昔のままなんだ。
愛憎、ねたみ、孤立、失意。気持ちは激しく揺れ動き、ぶつかる。
古代から続く、もの凄く個人的な理由で、人は人を殺したくなる。
資源の安定や社会の秩序、そんなところにはすごく遠い理由でな。
『銃戦争』は、だから、いまだに続いている」  P145

・ネクスト・ジェネレーション、あるいはセカンド・ジェネレーション、
次世代兵器。
軍事フィールドではいまそう称されてるのは、非殺傷タイプの兵器だ(略)殺さずに、人を無抵抗にする武器。
人類は、見果てぬ夢として、
繰り返しその可能性を語り、探ってきた  P154

・「企画は流しちゃってもいいのよ、そのときには。
ただ、それでもすごく気になってるなら、
いろいろウラを取ったり、周辺を調べておく。
あとで、それが財産になるんだから。
長い構えでかかることが、まず第一ね(略)
材料を煮込んだり、塩漬けにしたりして、ブリザーブしておく。
保存しておけば、出してきて、いざというときに使える(略)
流されちゃった企画でも、よ。
ムダに思えるかもしれないけれど、それは違うの。
あたしは、すごく元のとれる財テクみたいだと思うようになった。
貯金というより投資ね。
企画は流れても、現実の問題は終ってないでしょう?
ことは動きながら続いていく。
大きな話題ほど、何かの拍子にぶり返して、新鮮さを取り戻すの。
だから、材料をとっておけば、それが積み重なって活きる。
ついには企画が復活する。
何年後か、それこそ何十年後ということもあるけど」(略)
「ネタが古びちゃうんじゃない?」
「あり得るわね。
でも、そうならないように、煮込んだり、塩をしとくんでしょ?
そうすることで、ネタが逆に重みを増したりもする。
いま取っておいた証言者の語りや、リアルな周辺取材が、
後日、時代を蘇らせる」
「周辺取材か・・・」
「そう。確信になるできごとはもちろんだけど、
周りを固めとくといいわね。
関係者の人柄とか、時代を感じさせるトピックや、
現状の技術の細かい部分とか、
いっけん無関係に思えるところを取材しておくと、
あとで振り返ったとき、当時が立ちあがってくるから」 P386

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