ファンたちが思い思いの選手を組み合わせて、
ペナントを戦うシミュレーションゲーム「ファンタジーベースボール」。
全米野球ファンの頂点を争う戦いで優勝した野球好きの青年
大野俊太郎はニューヨーク・ヤンキースでGM補佐を務めた
立花の抜擢でIT企業に買収されたばかりの新生横浜ベイズの副GMに就任。
ビリー・ビーンの「マネーボール」に代表されるように
野球を統計学から分析するセイバーメトリクスを駆使し、
万年下位の弱小球団をテコ入れ、
見事チームに首位を快走させる辣腕フロントとなるが、
俊太郎に思いもよらぬに新たな試練、
ベイズと球界の盟主東都ジェッツとの合併。
その合併話は大変革への単なる序章にすぎなかった。
東都ジェッツのオーナーである
東都新聞社主の京極四郎は日本の球団を四球団に再編。
メジャーリーグの極東地区の一部に編入することを画策していた。
大野はこの歴史的大転換の渦に巻き込まれていく。
「ベースボール」と「野球」の本質の違い、
合従連衡で揺れる日本各地の地域性、随所で描かれる迫真の野球シーン、
そしてグッズや審判の問題。選手、オーナー、監督達の葛藤と苦悩。
プロ野球への思いをリアルに描きだした小説。

・男はハートなんだよ、情熱なんだよ　P27

・よくよく考えて行動した方がいい。
でなければとんだピエロのなるぞ　P66

・人が間違うとすぐ検証しろと言うくせに、
自分たちの考えが間違っていた時は、
そんなこと言いましたかと知らんぷりだ　P69

・人間の一番の恐怖は、仲間から疎外されること　P75

・若さは勇気やと言うけど、時には臆病にもなるから厄介やな　P127

・才能はいくら努力しても身につけることはできない　P150

・運動というのは長く続ければだれてしまう　P228

・恵まれていない家庭に生まれたとしても、
育っているうちに家族が好きになる　P288

・世の中なにをするんでも小さいことからコツコツや　P300

・正しいと思ったら一人でもそうするし、
間違っていると思ったら一人でも間違っていると言う。
自分のことはつねに自分で考えて決めるようにしているんだ　P386