「親しき仲にもスキャンダル」を信条とし、
取材対象者へ独特の感性で切り込み数々のスクープを抜きまくってきた
伝説の週刊誌記者が女性宅への不法侵入と窃盗の容疑で逮捕された。
窃盗容疑は否認する中、
取り調べ中に語った「友を待つ」という一言の真意とはなんなのか？
その言葉の意味と目的を調べ始めた
後輩記者達は十年前のある官僚との因縁に原因があることに気づく。

吉川英治文学新人賞受賞の『ミッドナイト・ジャーナル』に続く、
記者ミステリ。

・負けた時に悔しさを体に染み込ませなかったらまた負けるぞ　P49

・好きな男に、好きなことを思う存分やってほしいと願ってくれる
女なんてそうそう見つかるわけがない　P64

・人は特別なことをする時は癖が出る　P92

・ノルマを終えた後、どれだけ頑張れるかによって、
伸びる者とそこで終わる者とに色分けされる　P125

・事件にいいも悪いもねえ。
誰かがドブさらいをしなきゃこの国は良くなんねえよ　P147

・警察官にとっての仕事の成果はどれだけメディアで評価されるか　P148

・振られてすぐに他の女に気が移るより、
あの女が一番だったと一人の女をずっと思っている不器用な男の方が、
人間味があって俺は好きだ　P158

・別れたら一人になっちまうじゃないか。
だから違うなと思いながら、
心の中でうまく修正して、相手のいいところを探してんだよ（略）
だけど神様はきまぐれだからな。
この相手でいいと決めたところで、ちょっといい出会いを起こすんだ。
だからあちこちで不倫も起きる。
不倫する人間はその罠にかかったようなもんだ　P159

・親しい間柄だからこそ、
普通なら見えない人間の汚さも見えるんだよ　P223

・嘘も表に出れば事実になるし、
事実も隠れれば嘘と代わり映えしない　P243

・仕事で失った自信は、仕事でしか取り返すことはできない　P263

・親しいかどうかより、
俺はなにが正しいかを基準に仕事をしてきたつもりだ　P321