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言葉の宝箱 0238【どうして浮気した?あなたといてもつまらないから。覚悟していた以上に傷つく言葉が返ってきた】

『傍流の記者』本城雅人(新潮社2018/4/25)

優秀な記者ばかりが揃った黄金世代。
社会部長になれるのは一人だけだった。
生き残っているのは得意分野が違う五人の男。
部下の転職や妻との関係、苦悩の種に惑いながら
出世レースは佳境を迎えるが、
会社が倒れかねない大スキャンダルが男たちを襲う。
組織を守るか、己を守るか、それとも正義をとるか。勝つのは、誰だ?
『第一話敗者の行進』『第二話逆転の仮説』第三話疲弊部隊』
『第四話選抜の基準』『第五話人事の風』『第六話記憶の固執』

・記者は隠された真実をいち早く摑んで明らかにする
正義感のある職務だと自己陶酔していたからなのだろう。
恋人も自分の仕事に興味があると思い込んでいたし、
相談された時は、
話をよく聞くことなく自分の考えを押し付けてしまっていた。
同じ過ちを繰り返さないように(略)
自分のことを話すより、まず彼女の話を聞こうとした。
彼女がなにを求めてそのような話をしてきたのか、
心の中を探り、違うと思ったとしても、
一方的な否定はしないよう気をつけて助言するようにした P30

・人はすぐにチームワークって言葉を口にするけど、
そういうのは最初のうちは考えんでええって(略)
最初からちチームワーク重視で動いていたら、
みんなが全力を出し切らんでしょ(略)
最初は人のことなんか気にせず、自分が好きなようにやる。
後輩の人の仕事をなにも言わんと黙って見てたんやて。
上の人が任せてくれたら、下の人かて頑張ろうと思うでしょ。
そうなった時が本当のチームワークで、
そういうチームが一番強うなるって言うてた P 33

・人の感情は日々揺れ動き、そのタイミングで口にしなければ、
伝わるチャンスも逃してしまう P63

・――どうして浮気した?(略)
――あなたといてもつまらないから。
覚悟していた以上に傷つく言葉が返ってきた P104

・親友だと思っていた男への絆が、
胸の中で憎しみへと変わろうとしていた P205

・人間なんてものは下から偉そうに言われたら、
こっちはおまえより何年もこの仕事で食ってんだぞって気になる。
ましてや言われたことが正論であればあるほど、
素直に受け入れられなくなるもんだ P242

・敵というのは身近にまとめて置いた方が安心する P243

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