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言葉の宝箱 0229【不愉快な思いというのはなかなか忘れられないものです】

『希望の獅子』本城雅人(講談社2012/9/27)

横浜中華街、国慶節前夜。中国籍の男が殺された。
彼は31年前に獅子舞仲間2人と消息を絶ち、
さらに同時期に警察官も失踪していた。
殺人と過去の事件を結ぶのは、
かつて中華街を統べた男と、見えない国境に阻まれた恋。
日中関係激変の時代、少年たちはどこへ消えたのか。
今なお爪痕が残る街を舞台に繰り広げられる刑事小説。
文庫化に際し『境界 横浜中華街・潜伏捜査』と改題。

・顔ちゅうのは、
その国に長くいれば自然と変わってくるもんなんだよ P124

・人間不愉快な思いというのはなかなか忘れられないものですけどね P215

・本気で向こうがかかってきそうになると、うまくごまかして逃げちまう。びびっていると見せないように
本人はうまくやっているつもりなんだろうけど、
長く一緒にいるとそういうのも見えてきちゃうんだよな P248

・捜査は口で語り、目で読めと教わってきた。
口では同情しても目は非情なまでに冷静にならなくてはならない。
口と目を別人格にすることで、
それまで見えなかったものが見えてくると P315

・誰かがしゃしゃり出なきゃまとまらなかったから、
そういう人間が必要とされた。
平和だったら最初からそんな人間は存在しない P335

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