あたたかい瞬間を自らの手でつくる

一車線の細い道路。交差点の停止線で運転していた車を止めると、自転車から降りて立ち止まっているおばあちゃんが見えた。わたしの車が通り過ぎてから渡ろうとしているみたい。

「どうせもう車は止まっているし、先におばあちゃんに渡ってもらってから再発進すればいいや」と思い、合図を送る。

そしたらおばあちゃんも「先にどうぞ」という合図を送ってきて、何度か互いの合図合戦。

結局わたしが先に発進することになったのだけど、おじぎをするためにちら見したおばあちゃんの表情は明るかった。わたしも彼女もぺこりと頭を下げる。

ハンドルを握る手は、じんわりとしたあたたかさに包まれていた。


起こったことは大した出来事ではないかもしれない。インスタ映えだってしないし、派手なストーリーでもない。

それでもこういうちょっとしたあたたかさ、人と心が通う瞬間を、わたしは求めている。人間関係で嫌な思いをしたからこそ、こんな小さなできごとでも幸せを感じる。あの経験があったからこそ、かもしれないな。

もちろん日々のなかでイラッとしてしまうこともたくさんあるのだけど。

ただ、それと同じくらい、それかちょっとだけ多いくらい、こういうあたたかい瞬間を自らの手でつくっていけたらいいなと思っている。


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