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ズボラが一軒家を買うと、こうなる。

アホほど翻弄されている。




庭に。



私と旦那が一軒家を購入したのは
今から6年ほど前だ。

長男が誕生して1歳になる前に
購入に踏み切った。

それまで私たちは
一人暮らしの時期も
結婚してからも
アパートやマンションに住んでいた。

それはそれで快適で
幸せな生活だった。

でも、私も旦那も一軒家育ち。

自分の生涯住む家は
出来れば一軒家がいいなぁと
お互い何となく思っていた。

息子がこれから歩き出して
ドンドンドカスカするのも
お喋りが増えて
ピーピーギャーギャー騒ぐのも

下や隣の部屋の方を気にせず
「好きなようにやれぃ!」
と、どーんと構えて言ってやりたい。

それと、
マンションは駅近で利便性は高かったが、
道路の音や
夜中の線路の工事の音、
電車の音がうるさくて
息子はすぐにグズグズと起きてしまっていた。

出来れば静かな場所に住みたいなぁ…
そうすればもう少し息子はぐっすり寝るのかなぁ…
と、毎晩旦那と順番に
数時間おきに息子を抱えてスクワットしながら寝かしつけ、
地獄の淵を行ったり来たりしながら
私たちは朝までぐっすり寝る息子を想像した。

仕事に復帰する前に家を買おう!と
ある時期に決心した。

私は謎の決断力に突き動かされることが
たまにある。

息子の成長と忙しさを考えたら
買うのは今しかないっ!

色々と家を探し回った結果
中古の家を購入し、
リフォームすることに決めた。

この家を選んだ理由は、
建売りの新築より敷地が広い。
南向き。
庭がある。
駐車場もある。
道路も行き止まりのため、
ほぼ交通量がない。
近くに保育園も小学校も公園もある。
最寄り駅までは徒歩では少しかかるけど、
バスの路線の充実っぷりが凄い。
それより何より、めっちゃ静か。
子育てには最高!
これ以上の条件はない。

そんなわけで私たちは家を購入した。



ところが、私は忘れていた。

我が家にはお手伝いさんが居るわけでもなく、
私が几帳面でも丁寧でもないということをっ!

どちらかというと私は
面倒くさがりだということをっ!!

というか
ズボラの化身だということをっ!!!


↓私のズボラを知らしめるエピソードはこちら。


最初に雲行きが怪しくなったのは
障子にブスリと1歳の長男が穴をあけた時。

その穴がどんどん広がって、
穴の勢力が拡大されて、
ここで銃撃戦でもあったんか?!みたいな障子が完成して、
いや、これもう障子の意味ないじゃん、
外からうちの中丸見えじゃん、
ってなった辺りから私の理想と現実が
おやおやおや?って。

これだけの障子を張り替える労力と
せっかくプラスチックの破れにくい障子にしたのに
それさえもベリッと剥がす息子の脚力に
もう絶望。


そして、庭。

昔ながらの和風な庭。

樹木も多く、
それ故に毛虫も多く、
前の家主さんが切り倒した木の幹は残ってて、
でっかい石がゴロゴロ落ちてる。
でも、花々は咲き乱れるし
季節を感じられる。

とりあえず
購入した時のまま様子をみていた。

しばらく経って、
ドラえもんののび太が
どうしてママに草むしりをさせられるのか
心の底から分かった。

私は昔から
なぜのび太がママに草むしりさせられているのか、
疑問でしかなかった。

家の手伝いって
もっと違うのあるでしょ!って思ってた。

でも今なら分かる。

私にもしも小5の子どもがいて
この庭を与えられたら
風呂掃除とか洗濯とかどーでも良いから
草むしりしてほしい。
切実に。
ドラえもんじゃなくて
のび太がほしい。
切実に。

我が家の庭は、
梅雨明けあたりから
突然、恐ろしいほど生命力を誇示してくる。

どこにそんな芽があったの?
どこから種がとんできたの?

と思うほど
毎年見たこともない草や花が現れるし
「おぉ!久しぶり!」と
常連組の草達も伸びはじめる。

昔、選挙の受付するバイトをした時に
〝この地域にこんなに人が住んでたのか…!〟
と驚いたことがあるが
その時の感覚に似ている。

〝この庭に、こんなに生命が宿っていたのか…!〟
と、毎年毎年飽きもせず驚く。

そのままズボラな私は
毎日庭を横切って
玄関と門を行ったり来たりする訳だけど
その1週間後には
草丈が2倍位になる。

久しぶりに友達の子どもを見た時に
「え?!もうこんな大きくなってんの?
前はハイハイしてたよね?!」
とひとしきり騒ぐことがあるが
その時の感覚に似ている。

我が家の庭の時空は
おそらく歪んでいて
数ヵ月の時間が1週間で過ぎている。
梅雨明けは特に時空が歪む。

それなのに、
ズボラの化身の私は
そのまま見てみぬフリをして庭を横切る。

なんせズボラだから。

それに、
庭の手入れをする前に
洗濯干したい。

庭の手入れをする前に
ご飯作りたい。

庭の手入れをする前に
子ども達をお風呂に入れたい。

庭の手入れをする前に
ちょっと休みたい。

庭の手入れをする前に…


うん、そうなの。

庭の手入れなんて
ズボラの私には
する時間ないんだよ。

せっかくの休みに
よしっ!庭いじりでもするか!
なんてならんのよ。

私にとって優先すべきは
仕事、家事、育児、息抜き。

ほーら、
そうこうしている内に、
ジャジャーン!
ズボラ庭の完成でーす!!

好きなところから好きなだけ
草を伸ばし放題!
ツルもからまり放題!
花も咲き放題!
お!虫さんもどうぞ!
誰でも大歓迎ですよ!

私たちが幸せな時間を過ごさせてもらったマンションのように
我が家の庭では様々な住人が
共同生活を送っている。

間口を広げ過ぎたからか
草花による口コミが良いからか
あれよあれよという間に
見知らぬ草や虫が庭を占拠する。

余りの生命力の勢いに
我々人間の危機を感じた旦那が
汗まみれで1日かけて
草を刈ったり引っこ抜くのが、7月頃。
これはもう
我が家の風物詩と化している。

しかし刈った草を乾燥させてるという名目で
またもや私はズボラを発揮して
引っこ抜かれた草達を放置する。

放置した草は枯れて
地面の栄養や
虫達の住処になる。

命は巡るんだよねぇ
生き物ってよく出来てるよねぇ

じゃないのよ。

旦那の汗まみれの努力を水の泡にする、
それが私です。

もう、趣味はズボラ、特技は放置って
プロフィール欄に書くから。
だから許して欲しい。

またもや枯れた草を栄養に
成長期の高校生男子のように
ぐんぐん伸びる草。

丼で白米を食う!みたいに
私が放置した草を吸収し、
ジャックと豆の木のように伸びる草。
蔓延る虫。

ついに限界を迎えた旦那が
ホームセンターへ駆け込み
除草剤を購入する。

陽が落ちた夕方に
バシャリバシャリと
般若の顔で除草剤を撒く旦那が
8月の風物詩。

その結果、我が家の庭に冬がやってくる。

他の家の庭は
トマトやら胡瓜やら茄子やら
青々と水々しく眩しい緑なのに
うちの庭だけ茶色一色。

いや、男子校生の弁当でも
オシャレな人の季節の先取りでもないんだよ。

時空が歪んでるから
我が家の庭だけ枯れ果ててる訳でもないんだよ。

本当は恥ずかしいんだよ。

でも、少しでも草が生えてこようものなら
般若顔の旦那が登場し
バシャリバシャリ。

私はズボラという札を首から下げ、
般若の旦那をそっと見つめるしかない。


もうイヤ!

こんな生活イヤ!

ズボラな自分がイヤ!

でも庭の手入れ出来ない!


理想と現実がせめぎ合い、
ついに私は旦那に宣言した。


「私、金貯めて、庭リフォームするわ」



それからというもの、
私は庭のリフォームを夢見て
人様の家の庭事情を散歩がてら見たり
『庭 リフォーム』で検索したり
リフォーム業者の口コミを読み漁ったり
色々な情報を
隙間時間に頭に叩き込んできた。

そんな時間あるなら
草むしりしろよって感じですよね。
でもしないの。
ズボラだから。

またある時は
散財する旦那を取り締まり
般若顔で財布の紐をギュルリギュルリと締め上げてきた。

そして、先日
長男が小学生になる前に
庭をリフォームしよう!と決心した。

私は謎の決断力に突き動かされることが
たまにある。

でも、その決断は
おそらく間違ってない。

なぜなら大きな決断をする時には
ちゃんと理由があるから。

息子達と色んな時間を共有出来るのは
あと何年だろう?と思ったら
それなりに広い庭があるんだから
庭でも思い出を作りたくなった。

息子達の記憶に
庭で過ごした楽しい記憶も
残したいなと思ってしまった。

だったら今しかないっ!

そんなわけで
庭のリフォームに向けて
今は着々と準備を進めている。

私が選びに選び抜いた業者さんに
私がいかにズボラで、
いかに庭の手入れができないダメな奴かを熱く語った上で
色んなお願いをして、
色んなアイデアをいただいている。

餅は餅屋。
庭は庭屋。

今は内装や、家具や、家電を選ぶ時みたいな
キラキラした楽しさを感じながら、
だけどズボラの札は
ちゃーんと首から下げたまま
理想だけに偏らない
自分のライフスタイルにあった庭が
出来上がるといいなぁと
今からワクワクしている。

ズボラだって
庭つき一戸建てに住んでもいいのよ。

ズボラにだって
管理できる庭はきっとあるのよ。

きっと。

多分。

ではこの結果は、2年後に。

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