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明日の世界が少し変わる本:『眠られぬ夜のために』

おはようございます。/こんにちは。/こんばんは。
本日も一日、お疲れさまです。


今日は、私が最近救われている本をご紹介したいと思います。


ヒルティ著、草間平作・大和邦太郎訳
『眠られぬ夜のために 第一部〔全2冊〕』岩波書店(1973)


だいぶ前に買って、一度も開いていなかった本でした。

私は働いたあともアドレナリンが過剰に出つづけるタイプらしく、仕事に就いているときには「眠られぬ夜」が続いていました。
それで適当に本棚からこの作品を取りだして読んでみたのですが、すごく心が洗われる内容で「もっと早く読めばよかった!」とおもったのを覚えています。

とはいっても、「一月」から「十二月」+さらにもうひとつ章がある中で、まだ「一月」半ばくらいまでしか読めていないのですけれどね……。それも、おもしろくってつい読み進めてしまうので、「ガチで寝たい夜」は違う本を読んでいるせいです。(笑)


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今のところいちばんすきなのは「一月四日」です。

ここでは、快楽主義的な毎日を追い求めるかわりに、「今どんな善いこと、正しいことをなし得るか」とそのためにどう自分が変わっていけばよいのかを考えていくことで、より満足すべき観念が見えてくる(注)ということをまず述べています。そしてこう続きます。

そうなると、さしあたり、善を行う機会さえあれば(この機会がないことはまれだ)、あなたの生活がいくぶん苦しかろうと楽であろうと、また、あなたが健康であろうと病気であろうと、そんなことはこれまでより、ずっと、、、どうでもよくなるだろう。

ヒルティ著、草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために 第一部〔全2冊〕』岩波書店(1973)、p.31

私は完璧主義(でも完璧にできたことない;だから病むのですが)で、一度ヘマをしてしまったら、もうリカバリーする気すら起こらなくなってしまうタイプです。
しかし、この部分を読んだときに、「失敗しても、またがんばってよいことを積んでいけばいいんだ」と素直におもえました。

自分がどう感じるかも大切ですが、もっと利他的になれたなら、世界はもっとよく見えるのかもしれないとおもいます。もっとも、ここでいう「善」は利他だけでなく、自分にとってのあらゆる道徳的善を含むのだとはおもいますが。

「善を行う機会さえあれば(この機会がないことはまれだ)」というのが特に響きました。日々できるだけ、「この行動は善いとおもう」という行動を選択していけるとよいな、とおもいます。なかなか難しいですけれどもね。現代社会には「しょうもない誘惑」が多すぎるような気がします。

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『眠られぬ夜のために』には、「キリスト教」や「信仰」というワードが結構出てくるので、馴染みが薄い我々日本人は若干引いてしまうこともあるかもしれません。
ですが、そのあたりは軽く読んでしまっても大丈夫だと私はおもいます。そういったワードが分からなくても、ポジティブで救いを与えてくれるようなメッセージはちゃんと受けとることができるでしょう。


最後にもう一箇所だけ、私が感動した言葉を引いて今回の記事を終わります。

あなたの身の上に最善のことが
定められ、、、、てあると固く信じなさい。

ヒルティ著、草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために 第一部〔全2冊〕』岩波書店(1973)、p.37


すべてが「最善」に向かう道だと信じて、一歩ずつ進んでいきましょうね。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

それでは、おやすみなさい。


注:ヒルティ著、草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために 第一部〔全2冊〕』岩波書店(1973)、pp.30-31


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