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日常をお伽話にする、魔法の言葉。“ねえ、想像して”「Laundry ランドリー」


こんにちは。
全国的に梅雨入りしましたね☔︎

お洗濯物がカラッとできる晴れの日が
貴重な存在になるこの時期。


今日は純粋無垢な真っ白さが、心をさらっと洗ってくれる映画 森淳一監督「Laundry ランドリー 」について




トレーラーの曲、映像、雰囲気だけで、心臓がバクバクします。



「Laundry ランドリー」あらすじ

テルは20歳になる青年。祖母の経営するコイン・ランドリーで、洗濯物が盗まれないよう見張りをする仕事をしているテルは、幼い頃、マンホールに落ちて頭部に傷を負ったことで、脳に障害がある。そのランドリーには、いろんな人が毎日やってきて、帰っていく。テルにとっては、そのコイン・ランドリーと、その手前の道だけが世界のすべてであった。ある日、そこにやってきた女性がワンピースを忘れて去っていったので、テルは追いかけて届けてあげる。そしてテルはその女性・水絵と親しくなり…。



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終始、ゆったりと流れる優しい空気感

主演は窪塚洋介さん。これを観るまで個人的に、『GOの窪塚』イメージが強かったわたしは、(凶気の桜なども含めて。)ギラギラした、個性的な役がとってもハマる俳優さんだよなあっていう印象でした。


まず、感想としては

・・・振り幅未知数すぎる。天才・・?


窪塚さんが演じるテルは、純粋さ、無邪気さ、そして空気に溶け込むのんびりさ…脳に障害のある役を演じているのに、演じているというよりは、彼そのもの・・というか。そう思わせるほどに、なんともハマり役でした。


良い意味でゆるく、気合を入れずに観られる。疲れたときに、一服させてくれるような雰囲気。


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透明感のある綺麗な映像が、シリアスなお伽話のよう


どこまでも純粋なテルは、水絵(小雪)と出会って、独特の優しさが水絵の心境を変化させていきます。


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そして、都会の暮らしが限界だった水絵は、閉鎖的な田舎へ戻ります。テルは、親切で少し胡散臭い男性 サリー(内藤剛志)の車をヒッチハイクして追いかけるのです。



ストーリーはシンプルだけど、どこに向かって行くのか予測できなくて。限りなく現実なんだけど、みんな優しくて、少しずつ悲しい。


そう、ちょうどお伽話みたい。



演技じみてなくて、スッと入ってくる。台詞の緩さ、軽さ、カッコ良さ


あんまりしゃべらない人は、心の中でいっぱいしゃべってるの。ほんと言うとね、私もあんまりしゃべるの得意じゃないんだ。でも、そういうのって、よくないと思うの。そういうことしてると、人は離れてく。(水絵)
自分を裏切らねえと思える奴は、そういるもんじゃない。(サリー)
目を閉じていると、気持ちが楽になる。ものを見なくてすむからだ。(テル)
愛だな。そういうの愛って言うんだよ。宇宙じゃ知らねえよ。少なくとも地球じゃ、愛って呼ばれるんだ。(サリー)


透明な空気感に馴染む言葉が、静かに心に入ってくる。一人でゆっくり観たからかな。ひとつひとつの言葉がとっても重いのに、ふらっと口から出たような軽さがあって、すんなり受け入れられるんです。


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まとめ

この映画をみて浮かぶのは、


透明感のある白と青。
水色のガラスやビー玉、
石けんの白い泡と流れる水の泡。


感情が波のように、柔らかくゆらゆら。

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『想像して』っていう言葉は、平凡な日常を彩る魔法でした。エンディングは、トレーラーにも使われている、atami×Bonnie Pinkの「Under The Sun」


これがまた最高。この映画らしい、大好きな曲です。



"愛だよ。こういうの地球では愛って言うんだよ。宇宙じゃ知らないけどね。"


この作品は、定期的に観たくなる映画。観たことのない方は、朝方の透き通った雰囲気のような空気感に是非出会ってほしいです。




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