怒鳴られ殴られていたのは成績だけではなかった。

過去（1）で書いた通り爪噛みが止まらなかった。この爪噛み、治せと言われても治せなかった。勝手に手が口の方に運ばれる。（後々知ることになるが爪噛みも立派な自傷行為だった。）爪噛みがバレては怒られる。だから嘘をつく。この繰り返しだった。
爪噛みがバレては父からも母からも怒鳴られ、叩かれ、胸ぐら掴まれ殴られ、頭守れば下から顔に平手打ち、土下座の上から踏まれ、蹴られ、髪は引っ張られ、無視され、家から出される…その繰り返しだ。爪を見られないように手を丸めていると「ドラえもんみたい」とか手を見せると「カエルの手みたいで気持ち悪い」。
さらには弟との比較。当たり前だ、勉強のできる弟とできない私、爪を噛まない弟と噛む私、手のかからない弟と手のかかる私なのだから。

後から聞いたのだが母は私の成績や爪噛みのストレスから目眩などを発症し病院へ通っていたらしい。それを聞いた時自分は存在しているだけで迷惑でマイナスなんだと理解した。


「出来損ない」「お前なんか産むんじゃなかった」「野垂れ死んどけ」「お前は橋の下で拾った子だ、感謝しろ」「よその家の子と取り違えたわ」「お前なんかよその家行ってもすぐに追い出されるわ」「目の前から消えて」「はよ出て行け」「お前はうちの子じゃない」「お前なんか施設に入れてやる」「養子に出す」「少年院に入っとけ」…もう散々だった。幼いながらにそんなことはないと信じていた。だけどどこかで親にそう思われていることが苦しかったのかもしれない。そんなことが起きても爪噛みは治らなかった。なぜならそれがストレスだったから。
そこで父は唐辛子をすり潰したものを指につければ噛まなくなるのではと考え、擦りつけた。その時爪噛みだけでなく、皮膚摘み取り症もあったため滲みて痛いだろうと父も私も思ったが何も痛くなかった。多分痛さに慣れていたのかもしれない。何の反応も示さない私に父は「痛いだろう」とニヤニヤしながら聞いてきた。痛くないといえばどうなるか分からなかったから痛いふりをしておいた。すると父は満足したのかいなくなった。

私も懲りないもので、とある別の日、また噛んだのがバレた。

⚠️ここから先閲覧注意です⚠️
自分自身話すのも思い出すのも文字にするのも気持ち悪くて高校のSCさんにしか言ったことがないです。

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ずっと爪を噛んでいたために父が「そんなに爪が好きなら俺の足の爪食えよ」。わざわざ足の爪を切って、私は母に羽交い締めにされて口に入れさせられた。足をそのまま口に入れられたこともあった。その後は側で見ていた弟も、父も母も「きったね〜」と嘲笑った。それからは私は汚いものという固定概念が取れなくなったし、周りに助けてくれる人なんていないってことも理解した。汚くて関わりたくないと思う人はフォローを外してもらって構わないです。

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「俺（私）だって叩きたくて怒鳴りたくてやっているんじゃない」「お前が〜するからこうしている」「悪いのはお前だ」

こう言われるからにはやっぱり私が悪いんだ、仕方ないよね、自分が悪いんだからね。と言い聞かせるしかなかった。この先も話すが親同士喧嘩するのも自分のせいだと思うようになっていた。

またある日に私は「こんな家に生まれてくるんじゃなかった」

そう呟いた。
てっきり謝罪の言葉が出てくると期待していたが馬鹿だった。

「私だってあんたなんか産むんじゃなかった。この家が嫌なら出て行けばいい。ほら、さっさと荷物まとめて出て行けよ」「四肢満足に生まれたくせに」

もちろん行く当てなんてない。
その場凌ぎで母が癇癪を起こしたためとりあえず謝った。ここに居させてくださいと土下座までした。

早くこの地獄が終わらないかな…とか心の中で親に対しての反抗心が湧き上がるだけで口にも顔、行動にも出せなかった。睨めば「なんだその目つきは！」と怒鳴られ叩かれる。だから心の中で何度も親を殺した。心に思っていることを顔に出さなければ心の中までは見られない、わからない！と思ってそうしていた。
しかし、優しくしてくれる時もある。親は私のことを嫌いなのに優しくするし、私は私で親のことを心の中で殺していたが好きだった。このアンビバレントな感情で私は最低なやつだと認識した。

睨めば叩かれ、謝れば笑ってないのに笑ってると言われ叩かれ、叩かれるたびにどこかに意識を飛ばすのももう全部夢の中にいるみたいだった。

すると小6の冬、異変が起きた。

どうにも身体がふわふわする。触れている、掴んでいる感覚が自分の感覚じゃない。自分の中に自分がいる。自分がロボットみたいだった。

離人していた。

もう流石に全部が無理だったみたいだ。叩かれた時痛かったのは体じゃなくて心だった。

そこで虐待で警察に通報しようとした。

でもできなかった。
もし親が捕まったら私は犯罪者の子供？私はどうなる？
全てが未知だった。