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「自分らしい」でモノを買う人が増えている

みなさんは普段どんな基準でモノを買いますか?

機能性?ブランド?
安いから?新商品だから?

どれもモノを買うときに重要な要素ですよね。

上のような基準に加えて、「自分らしいから買う」という人が増えています。

5,065名を対象にした「デジタル消費者トレンド調査レポート2021」では、日本の消費者の特徴に、買い物をする時の気持ちとして「私のスタイルにあった商品でなくてはならない」と回答した消費者が46%と約半数を占めました。

今回はいくつか事例を取り上げながら、「自分らしい」がモノを買う動機になる理由を紐解いてみたいと思います。

パーソナル化が進む化粧品

化粧品は昔からパーソナルな悩みを解決してきましたが、ここ数年でさらに商品のニーズが細分化しています。

化粧品・美容業界で、数年前から流行している言葉があります。

「パーソナルカラー」
 ・・・その人の生まれ持った色(髪・瞳・肌)と
      雰囲気が調和する色(=似合う色)のこと。

「ブルーベース(通称:ブルべ)」
 ・・・青みよりの肌のこと。

「イエローベース(通称:イエベ)」
 ・・・黄味よりの肌のこと。

自分の雰囲気に合う色味を選ぶときに、指標となるのが「パーソナルカラー」や「ブルべ」「イエベ」です。

以前から肌色を意識して化粧品を買う人は多かったと思いますが、これらの言葉はそうした行動を明確に定義したと言えるでしょう。

SNS上では「イエベ向け〇〇メイク」「ブルべにおすすめの化粧品」のような切り口の投稿が常にバズっています。

大手メーカーも公式サイトで診断システムを設けるなど、「自分の肌に合う化粧品は何か?」を知ることは当たり前になっています。

私自身も診断ツールを使ったことがありますが、流行りのものを買うときと違って、自分に合うことを理解したうえで買うため、納得感が強いです。

また、数多の化粧品の中から何を使えばいいか?迷ったときに「自分に合う」という軸があると選びやすいです。

「あなたらしい子育て」多様化を応援するパンパース

続いての事例は、紙おむつブランドのパンパースが実施する「あなたらしい子育てが、いちばん。」プロジェクト。子育てを頑張るすべてのママやパパに寄り添うため、2020年に設立されたものです。

今月になり、シングルマザー・ファザーやステップファミリー、LGBTQ+、障がい、発達の違いを含む多様な子育てを応援するコンセプトへ更新されました。

化粧品の事例は商品そのものが「自分らしさ」につながるものですが、パンパースの場合は企業姿勢がひとりひとりの「自分らしさ」を応援している事例と言えます。

家族のあり方や自分らしさが多様化している流れを受けて、それを後押しする広告も増えています。

「学生らしい髪型って?」個性と向き合うパンテーン

ヘアケアブランドのパンテーンが行ったキャンペーン「#この髪どうしてダメですか」は2019年に話題になり、広告は2020年のグッドデザイン賞にも選ばれました。

ムービーは「地毛証明書」を通じて、実際の生徒と先生が髪型の校則について真剣に話し合う姿が印象的です。

パンテーンの事例も、パンパース同様に「自分らしさ」を応援する企業姿勢を示しています。パンパースは「家族」を、パンテーンは「学生」を(偶然にも字面が似ている)。

「自分らしさ」を考えることは、今の生き方に欠かせない

「自分らしさ」が買う動機につながるのは、化粧品の事例で言えば、「納得感」「道しるべ」的な要素があります。

モノが必要以上に溢れ、「聖子ちゃんカット」や「アムラー」のような一時代にみんなが目指すスタイルがない今、「自分らしさ」を軸にしていくのは消費者にとっても行動しやすいのだと思います。

また、企業が「自分らしさ」を応援する背景は、多様化の流れともう一つ、SNSの普及も影響していると考えます。

Twitter、Instagram、Facebook、noteなど、SNSは「個」の声が強いです。

実際に、パンテーンの「#この髪どうしてダメですか」キャンペーンはSNSで盛り上がりを見せ、最終的には約2万にもおよぶ(!)署名活動に発展しました。

「自分らしく生きたい」という普遍的な感情を、SNSを通じて、個人が表現しやすい時代になったと思います。

「自分らしさ」というキーワード、ビジネスシーンのアイデアに役立てば幸いです。


文:ハギ
@よりみちコピーライター

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