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【第一の人生】80の章:忘れた頃にやってくる・・・それがK美

*登場人物*

  • 萬里→主婦(久しぶりの出産、育児に奮闘中・娘は若干2才)

  • K美→萬里中学ん時からの友人(また相談らしい・・・)


娘は相変わらず寝ない。

妊娠中から
「この子は感が強いですよ~」
と村さんからも言われていたし、
お腹に抱えていながら
実際萬里もそう思っていた。

外界で何が起こっているのか
どんな会話をされているのか、
明らかに理解しているような
反応を見せてたし。

娘が寝付くのは
深夜2~3時当たり前、
寝かしつけに2時間かけても
30分もしないうちに泣き出す
いつもの寝室なのに
落ち着かないらしい。

本来、落ち着いて
寝られるはずの場所で眠れない
それがなぜなの分からないし
萬里は毎日イライラしていた。

萬里母にそんな話をしたら
母「あんたと同じやん。
私はあんた連れて
実家に泊まることすらできんやった。
天井が変わると泣いて泣いて
大変でね。」

赤ちゃんの頃から寝ないのは
萬里も娘も同じだった。

でも、ここは他所の家ではないし
毎日見ている天井のはずだ。

娘が歩けるようになって
ベッドを昇り降りできるように
なってからは、
リビングで寝かし付け
そっと寝室のベッドへ
運ぶようにしていたが、
数十分もしないうちに泣いて
自らの足で走り出てくるようになった。

その動きを
黙って観察してみた時もある。

泣きながら
歩き(走り)回るのに
話しかけても無反応、
声が聞こえていないようだ
目は開いてるのに
視線が合わない。

鍵をガチャガチャっと触って
ベランダへ出ようとした事もあった。
周りを見ることもなく
目的があるかのように
視線は前しか見ていない。

起きてきたかと思うと
リビングの棚へ真っ直ぐ向かい、
引き出しを開けて
カミソリを取り出し
握ってジッと見つめていた時は
冷や汗が出た。

そこにカミソリがあるのを
萬里すら忘れていた
娘が知っているはずもなかったのに・・・。

動き回る娘を捕まえて
そっと横に倒すと
目をつぶり黙って寝てしまう
毎日その繰り返し。

萬里にもダーリンにも
子供にも
もう何が起こっているのか
さっぱりわからない。

この頃にはダーリンも
やっと仕事復帰。

娘は成長するにつれて
ますます目が離せなくなってきた
世間一般の目が離せない
年頃の子供とは
ちょっとニュアンスが違う。

萬里の疲れもだいぶ溜まっている・・・。

心身疲れ切った毎日の最中、
突然またK美から
電話がある。

K美「ちょっと聞いて欲しい
話があるんだけど、
近々会えんかな?
結構急ぎなんだけど、
切羽詰まってるんだぁ・・・。」

萬里「あんたもう
子供も大きくなったんやないと?
結婚しとるんやろ?
相談なら旦那にすればいいやん!」

K美「いや、ちょっとその・・・、
相談は旦那のこと・・・。」

悩めるK美
再び現る・・・(; ̄ェ ̄)

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