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「妙義山の宿 sazareの設計」 #2

この場所を訪れる人が自然に癒され 自己を見つめ 
日常に大切な何かを持って帰ることができますよう

通りからの外観は手をつけず
今までの空き家のままなるべく手をつけないようにしました

それはこのsazareを利用する人が、静かな時間を過ごしてもらう為

アプローチも綺麗すぎるものでなく、手作り感が残るように

玄関の壁は前の古い家のタイルを剥がした跡をそのまま生かしました

壁の凹凸感と照明に古家具が馴染みます

インテリアの家具も古材を使っています

シンプルで優しい中に蓮井幹生さんの写真「無常花」を飾っています

暖炉はノルウェーの老舗メーカー 「ヨツール」

床はアカシアの無垢材を活用

壁面には焼いた杉のデザインのタイル

寝室の壁にもタイルを施しました
一つとして同じ形がないデザインのタイル達が光を柔らかくしてくれます

寝室の頭の上には森の体内が広がります
霧に包まれる幻想的な朝もあります

シングルのソファーやベンチ
スツールなど、50㎡ほどの小さな宿に様々な居場所をつくりました

西側の窓は森の中を覗き込むような景色が楽しめます

南の大きな窓は庭を挟んで檜の森を取り込んでいます。

室内空間にはアカシアの木や杉板や珪藻土など自然素材をふんだんに使いました

森の木々に囲まれた中で、朝の霧や、昼の木漏れ日、夜の暗闇や星空
この地球の彩りを身体中で体感できる空間としています

街にいると雨は憂鬱になりますが、森は違います。
緑が濃くなり、霧の羽衣が森を包み、川に水が流れる音や、鳥達が寝床を探して囀り始めたりします

あなたがこの場所を訪れた時、どんな森の景色に出会うことができるのでしょう

それは私も誰もまだ見たことない景色であり、あなただけの特別な景色と
特別な時間になると想っています


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