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The Economist誌、グリーンは高くつく

The Economist誌は、多くの主流メディアと同様、気候変動に関する記事を掲載する機会を狙っているようです。そこで、一次エネルギー源を、炭化水素から自然エネルギー(風力や太陽光)へと速やかに移行する必要性を強調しているのです。しかし、英国のエネルギー市場の現状は、「グリーン」への移行がもたらす、避けがたくつらい現実を突きつけています。

英国では、発電の40%と住宅の85%の暖房をガスに依存しており、その価格は過去1年間で3倍に跳ね上がりました。政府が課した小売価格の制限に圧迫され、20社ものエネルギー会社が倒産しています。

英国政府は電力の脱炭素化を推進し、信頼性の低い風力発電や太陽光発電を急増させました。ここ数カ月、過去数十年で最も静穏な日が続きました。そのため、火力発電の利用を増やさざるを得なくなりました。

再生可能エネルギーが増えれば増えるほど、高価なバックアップとしてより多くのガスプラントが必要になります。2035年までに発電を脱炭素化するということは、これらのガスプラントには炭素捕捉技術(CCS:Carbon dioxide Captute and Storage)が搭載され、電力コストがさらに上昇することを意味します。

The Economist誌の記事はこう結んでいます。「いずれにせよ、国民は、電気料金の値上げ、税金の値上げ、あるいはその両方の組み合わせによって、支払うことになるだろう」。

英国の話は、日本政府や産業界も「他山の石」として、我が国の未来の産業発展のために参考として欲しいですね。


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