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UN事務総長「化石燃料に新たな投資をしてはならない」発言と真逆の動きも

https://www.theepochtimes.com/no-new-investment-in-fossil-fuel-expansion-un-chief_4454705.html

1.グテーレス氏の発言

グテーレス氏(現国連代表、元社会主義インターナショナル会長)は、 「化石燃料を拡張するための新たな投資をしてはいけない。民間金融は石炭から完全に手を引かなければならない」と発言した。

「あまりにも長い間、金融サービス部門は世界を化石燃料漬けにしてきた。今こそ、彼らは、自然エネルギーへの転換を加速させるべきであり、そうするパワーと責任を持っている」とグテーレスは述べた。

さらに続けて、「科学的・道徳的な要請は明確であり、生産、インフラ、探査を含む化石燃料の拡張に新たな投資をしてはいけない。今こそ、すべての民間金融機関は、採掘から発電に至る石炭セクター全体への資金供給を停止し、自然エネルギーへと積極的にシフトする必要がある」と語った。

グテーレス氏のコメントは、世界教会協議会(WCC)、イスラム長老評議会、ニューヨーク・ボード・オブ・ラビーズ、そして国連環境計画(UNEP)内の諸機関の声明に刺激された形で発せられた。

これらの団体は、「Climate-Responsible Finance」の発表の中で、2022年以降の石油・ガスの探査・生産事業に対する資金提供、特に、北極圏におけるそうした事業のすべてを停止するよう、金融機関に要請している。 

また、これらのパートナーに対して、「新たな石油・ガスプロジェクト、探査、採掘に対する融資を停止し、石炭部門に対するすべての融資を速やかに停止する」よう要求した。

さらに、「UN Net Zero Banking Alliance」のような国連主導の金融グループに参加していないのであれば、速やかに参加するよう要請した。このアライアンスに加盟している銀行は、世界の銀行資産の約40%を支配している。

このグループの要求は、石炭、石油、天然ガスの価格が急速に上昇した1年後に出されたものである。

 

2.世界教会協議会(WCC)とは

「Climate-Responsible Finance」声明の署名者の一人である世界教会協議会(WCC)は、特に冷戦時代、左翼の暴力的な政治組織とのつながりが指摘されてきた。例えば、1978年には、ムガベ氏が率いるジンバブエのゲリラ組織「愛国戦線」に8万5千ドルを提供していた。

ムガベ氏は、当時マルクス・レーニン主義者と自称していたが、その後ジンバブエの大統領になり、ハイパーインフレ、白人農民からの土地収用、ンデベレ族のグクラフンディによる大虐殺を指揮した。

WCCはまた、1980年代初頭、ニカラグアのマルクス主義者サンディニスタ氏が、彼らの革命を支持しないキリスト教徒を組織的に迫害しているにもかかわらず、その支持を表明していた。カトリックの司祭とモラヴィア教会の牧師が相次いで逮捕されたにもかかわらず、1988年版の「ナショナル・インタレスト」に書いている。

今日、WCCは、世界経済フォーラム(WEF)によく顔を出している。2018年、その総幹事であるトゥヴェイト牧師は、WEFで核兵器に反対するスピーチを行った。その国際問題担当ディレクターのプロヴェ氏は、信仰の役割に関するWEFのグローバル・アジェンダ評議会の委員を務めている。

3.化石燃料に対する取り組みを見直す動き

こうした流れの中で、石炭をはじめとする化石燃料への取り扱いを見直す国も出てきた。例えば、ロイター通信が報じたように、インドでは閉鎖された100以上の炭鉱で採掘を再開する意向だ。

欧州の多くの国でも、石炭火力発電所を再稼働させたり、石炭エネルギーへの依存度を下げないようにする動きがある。

米国では、エネルギー情報局が、2022年中に石炭の消費量が増え続けているが、天然ガス価格の下落を見込み、2023年に減少すると予測している。資源価格変動に伴い、一部の議員は、化石燃料企業に対するメッセージを変えている

2021年後半の公聴会で、一部の欧州企業の行動に合わせて、カンナ議員、コルテス議員、ら民主党議員は、石油・ガス生産の削減を表明していない米国のエネルギー企業を非難した

「ヨーロッパの企業が減産しているのに、アメリカの企業が増産しているのは恥ずかしいことなのか?」とカンナ氏は、シェブロン社のワースCEOに問いかけた。

コルテス氏は、エクソンモービルのウッズCEOに質問した後、「ネットゼロを想像上の未来で実現するのではなぅ、この米国と世界で、CO2排出量の大幅な削減を実現することが非常に重要だ」と述べた。

しかし、2022年4月、パローン氏(民主党)は石油会社の経営者たちに、彼らの高収益は、「アメリカ国民の犠牲の上に成り立っている。株主の利益ではなく、国民が望んでいる劇的に増産することを希望する」と述べている。

 

4.Affordable energy to all

米国石油ガス協会会長のスチュワート氏は、グテーレス氏の発言とWCCの炭化水素に対する姿勢に強く反対する声を上げた。
 
「グテーレス長官とWCCには敬意を表するが、すべての信仰の聖典に基づく共通の道徳的な要請は、『to lift up the hands which hang down』であるべきだ。すべての信仰者は、貧しい人々や虐げられている人々を、貧困から救い出すよう、神から命じられている」と、スチュワート氏は述べた。
 
この国連の行動案は、それとは全く逆のことを行っている。投資を制限することで化石燃料エネルギーへのアクセスを制限すれば、最貧困層がもう一世代、さらにその先の世代までエネルギー貧困の中にいることを保証することになる」と。
 
さらに、「気候変動という偽りの聖職の衣をまとうことで、国連は知らず知らずのうちに、意図したかどうかに関わらず、貧しい人々を抑圧する役割を担っている」


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