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Vol.10_『退職防止』に必要なこと...

社員の退職は多くの会社で問題となっていて、様々な離職防止策が採られていると思います。既存の社員だけでなく、新卒・中途の新入社員の早期活躍のためのサポート’‘オンボーディング’‘も注目されてきています。

私たちもこういった活動はとても大事だと認識しており、他社の事例なども大いに参考にしながら対策を採っているところなのですが、ふと「本当にそこなんだろうか…?」と感じることがあり、今日は『退職防止のためになにをすべきか?』という話をしたいと思います。

※貼り付けた写真はドライブに行った先々で写したものですが、特に意味はなく、本文とはなんの関係もありません。


1.当社の事情

当社の退職率はさほど高くはありません。しかし、個人スキルや取引先との個別の繋がりに頼った形でのルート営業が中心であるため、そこで退職者が出ると大きな痛手(様々な形でのロスや、最悪の場合は転注のきっかけ)となります。

取引先ごとに独特のルールやしきたりがあったり、相性も大きく影響してきます。営業担当者らは苦労しながらルール・しきたりを覚え、様々な経験をする中で得意先の気質に合わせ、信頼を勝ち取りながら取り引きを継続•拡大しています。

後任がいるからといって「はい、バトンタッチね!」というわけにはいかないのです。

ですので、それなりに長く勤めた社員の退職はとても大きな影響があり、また「さあ、これから!」という数年経過した社員が抜けるのも、それまでの膨大な時間が無になり一からに近いスタートになるので、大変なことになります。

加えて、会社は、処遇も立地も知名度も採用においては有利な条件を持ち合わせておらず、新卒採用•中途採用ともに苦戦を強いられ続けています。

このような事情があり、さほど退職率が高いわけではないにもかかわらず、退職問題はとても大きな課題になっているのです。

中小企業においては同じ様な状況にある会社も多いんじゃないでしょうか?

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2.離職防止と採用活動の強化

当社も手をこまねいているばかりではありません。

給与•賞与は水準アップのために賃上げ率の確保や原資の上乗せを行ったり、年間休日もここ5年で7−8日増やすなど、処遇改善・環境改善を進めています。

採用活動でも、重要ポジションにおいては常に中途採用での補強を目論み、人材紹介会社とこまめにコンタクトを取ったり、新卒採用においては候補学生との接点を増やすためのSNSを活用したり、面接においても選考するだけでなく動機付けを意識した内容を取り入れてみたり…。

既存社員に関しては、若手人事担当者が若手社員から本音を聞き出すヒアリングの機会を設けたり、社内の大きなプロジェクトへの若手社員の登用を行うなどして若手の活躍の場を広げる工夫をしたり、最近では、管理職へのハラスメント研修や、マネジメントに関する勉強会なども開催しています。

経営トップから若手人事担当者に至るまで、いろんな立場の人がそれぞれで出来ることをきちんと考えてやってきているなぁ…と思います。

しかし、残念ながら、これらの取り組みを目の当たりにしても、『どんどんいい会社になっていってる』という実感がないのです…。

なぜでしょうか…?

3.大谷選手の活躍を考える

例えば大谷選手...。(いきなり...💧)

彼はきっと、これまで素晴らしい練習環境で、科学的トレーニングを積み、各年代で様々な良いコーチに出会って、苦しいことも含めて様々な経験を積み、どんどんと成長してきたんだと思います。周りの人も所属してきたチームの人も、大谷選手の才能を認め、期待し、あらゆる面でのサポートをしてきたんだと思います。

そして、想像もしてなかったくらいすごい選手になった。

一方、彼の活躍の場が、毎週近所の子供達が集まってワイワイやるだけの野球や、河川敷での運動不足解消のための草野球しかなかったなら、ここまですごい選手には成長しなかっただろうと思うのです。身体能力を生かして、もっとレベルの高い場がある他の競技に変わっていたかも知れません。

野球というスポーツが、各年代でレベルの高い場が存在していて、メジャーという誰もが憧れる最高峰のリーグがあり、自分の力を思い切り発揮できる、発揮しなければ成果を残せない、そういう場があってこそ大谷選手はあそこまでの選手になったのではないかと思うのです。

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4.やっぱり『仕事』なんじゃないか…

何を言いたいのかというと、私達が今やっていることは、待遇を整えたり、技術やスキルを身につけるためのトレーニングを行ったり、一方でオフの日もリラックスできるような工夫をしたりして、『社員』が力を発揮するためのサポート...

言い換えれば、『人』に対してのアプローチ...。『人』が生き生きと働くために様々な改善を行っているんです。もちろん、それもとても大事。そういうことに意を介さない会社に成長はありません。ただ、『人』に対してのアプローチで「働く環境や処遇」を改善し、どこでその力を発揮するのか?

そーなんです。大谷選手が日曜日の河川敷の草野球で力を発揮することなど考えられなくて、やはり相応しい場があったからこそだと思うと、社員がその力を発揮する『場』(あるいは『対象』)、つまり『仕事そのもの』を充実させることがとても大事なんじゃないかと思うのです。

皆が共感するビジョンをどう設定し、それを実現するためのプロセスをどう設定するか、そういった構想をどのように社員に見せ、実現したときの世界をどのように見せるか。

難しいテーマを設定し、考え抜いた計画を立て、皆のアイデアを活かしながら、様々な問題・課題をフレームワークを使いこなして解決・解消、チームで事を成し遂げる...。

そんな『仕事』(仕事の進め方)をして、社員が力を発揮する「場」や「対象」があることがとても大事なのではないかと思うのです。

5.まとめ

考えていけば、ごく当たり前のことに行き着いたな...と思いますが、『仕事』を充実させる必要性には気づきにくいような気がします。

特に経営者・幹部は、今まで『やってきた』ことが評価されて今の地位にいるわけですし、日々一生懸命にやっているので余計に気づきにくい。

社員から見て、目標が曖昧で、計画が杜撰で、進捗も把握せず、結果も伴わない...そんな状態にあったとしても、『仕事』が充実していないことに気づきにくい。

なので、『人』に対するアプローチも大事だけど、こういった気づきにくい、あるいは気づいても指摘しにくい『仕事』に焦点をあてたテーマを、これからも社内で展開していきたいと思います。

今日はここまで。

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