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【休職】時間を有意義に過ごさねば、という呪縛

休職中の生活あれこれを書いています。

お金は(理論上)無限だけど、時間は有限、という話はよく聞きます。
これは、現代では多くの人の共通認識になっていると思います。

時間は有限です

どんなに大富豪であっても、人間の寿命は限界があります。

死ぬ前に凍結睡眠状態になって、百年後にチンして目覚める、とかすれば、数字上の寿命は延ばせるかもしれませんけど。わお、SF。
そういうサービスが実用化されているかどうかは知りません。
別に、そういう願望はないですし。

余談でした。

話を戻して、誰であっても「時間は有限」です。

なので、無駄なことに時間を使うのは愚の骨頂。
タイムイズマネー。
わずかな空き時間も有意義に過ごさねば。
すき間時間を有効に。
「時間術」も盛況。
タイパ。朝活。○○をやめる。
脳の時間別の使い方。
ここに10分間だけ空きがあります。
1分で話してください。
40秒で支度しな。
3分間待ってやる。
etc。

ふう。
世の中の人は、時間管理と効率が好きなんだな。

会社勤務をしていた私

休職に入るまでは、会社員として勤務していました。

新型コロナの緊急事態宣言時に、3~4ヶ月程度の在宅勤務を経験したものの、その後は基本的に出社体制に戻りました。

朝は6時過ぎに起床。
毎朝7時半に家を出ます。
始業は9時、終業は21時。
帰宅は21時半前後。
つまり、会社の拘束時間は約14時間。

帰ってからは夕食、食器洗い、風呂、洗濯。
寝る前の30分くらいが、自宅での唯一の自由時間。
就寝は0時半前後。
子供と話す時間は、1日のうち5~10分くらいしかありません。

会社では、昼休み以外、ほぼ1日中PCに向かっています。
1人あたりの担当と作業量が多く、ほとんどの社員は常にあふれ気味で、何を断念するか、何を先送りにするかの相談や調整が日常的でした。

また、メールはもちろん、ビジネスチャット、スケジューラのリマインド、オンライン文書共有など、効率化、省力化、時短化のためのツールをいろいろと導入して試していました。

弊害として、「あの件はメールだっけ?チャットだっけ?掲示板だっけ?」みたいに、情報を探す手間がかかったり、情報を見つけられなかったり、という本末転倒なことも発生してましたね。
会社あるある、でしょうね。

休職中の私

休職することになって、会社に行かなくてもいい状況になり、これまで、いかに時間に追われて生きていたかに気付きます。

そして、今でもそういう働き方を続けられている人たちを、尊敬するとともに、少し心配にもなります。
いきなり緊張の糸が切れないか、とか、体や心を壊さないか、とか。
余計なお世話かもしれませんけど。

「"忙しい"が普通」になってしまっているんですよね。
感覚が麻痺しているというか。

世の中の、特に子育て中の共働き世帯(うちもそうです)などは、いかにして時間を確保するか、何かを諦めるか、どのように効率化するか、が大きなテーマになっている気がします。

有意義な時間とは

誰しも時間は有限である。だから有意義に過ごさねばならない。
確かに、そう思います。

ただ、有意義の定義は、少し考え方が変わってきたような気はしています。

休職に入った当初の頃、何をしていたか分からないまま、気がつけば夕方になっている、ということもよくありました。
やらなきゃ、と思っていたことができなかった。
無駄な時間を過ごしてしまった、と。

でも今は、仕事のことは完全に忘れて「休養」することが第一である、とも言えます。※医師からもそのように言われていますし。

では、ボーッとする時間は無駄なのか、価値がないのか、と言われたら、そうでもなく、一応は「休む」という意味がある時間=価値がないわけではない、ということですよね。

必ずしも、目に見える形でインプットやアウトプットが存在する時間の使い方だけが、価値があるものではないと思うのです。

「有意義」な時間というのは、文字通り「意義がある」ということですが、「価値があった」とか「満足した」という意味になりますかね。

有意義な時間といえば、例えば、
・本を読んだり勉強ができた
・何かのアウトプットをした
・家族や友人と過ごせた
・心と体のリフレッシュができた
・モノ捨てや片付けができた
・おいしいものを食べた
・趣味に没頭できた
みたいなことが思い浮かびます。

有形か無形かは別として、「何か成果が残るもの」とも言えます。

でも、1人でボーッと過ごす、ということが、ダメ(=有意義ではない)なわけではありません。

なぜなら、今まではできなかったこと、であり、他の人にとっても難しいこと、だから。
「何もしない時間」、これは特別です。
とても贅沢で、優雅な時間の使い方ですね。誇るべき。

結論

有意義とか、そうじゃないとか、別にどうでもいいんじゃないでしょうか。
人間が生きている限り、何をしていようと、無駄な時間などありません。

気兼ねなく、ボーッとしましょう。


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