なぜ仕事が面白くないのか?仕事の5パターンを分析
こういう心当たりはありませんか?
✅同僚は楽しそうに仕事をしているのに、自分はとてもしんどい
✅同じチームのメンバーで、楽しんでいる人と、つまらなさそうな人がいる
✅仕事はできる方だと思っていたのに、部署を異動してから苦戦している
これは、スキルや経験の差、または興味、関心の違いと思われていることが多いと思います。
もっと勉強をしたり経験を積むことで、その仕事の面白さが分かり、難なくこなせるようになるはず、と考える人もいるかも。
でも、本当にそうでしょうか。
仕事の内容は、よく「向き・不向きがある」とは言われます。
これは間違いではありません。
ただ、ある程度、やってみないと向いているかどうか分からない、という問題もあるし、本人の単なる思い込みの場合もあります(例:口下手だから営業は向いていない等)。
この「向き・不向き」を、非常にロジカルに説明することができる「仕事の5パターン」分類をご紹介します。
業種、職種に関わらず、すべての仕事に応用できる考え方です。
すべての仕事は5つのパターンに分類される
世の中には、膨大な業種、職種が存在し、働き方も多種多様です。
法人、個人、雇用形態や組織の種類に関わらず、あらゆる仕事を数字表現で抽象化して分類する「5つのパターン」があります。
それが次の5つ。
① マイナスを0にする仕事:問題解決型
② 0を1にする仕事:新規事業型
③ 1を9にする仕事:成長型
④ 9を10にする仕事:大企業型
⑤現状キープの仕事:既得権死守型
それぞれ、どういうことか説明します。
① マイナスを0にする仕事:問題解決型
最低ラインを下回っている状態を、通常の状態(ゼロ)に戻すような仕事です。
例えば、赤字企業の業績を回復させてを黒字化したり、信用を失った企業の立て直しなど、「再生請負人」のようなイメージでしょうか。
実は、医者も病気の人を通常の状態に戻すので、「マイナス→0」です。
また、貧困や難民など支援系のNGOの活動も、このパターンに含まれます。
② 0を1にする仕事:起業型
世の中にない、新しい商品やサービスを創造するパターンです。
「ゼロイチ」などと呼ばれますね。
イノベーションに取り組むベンチャー起業や、新規の起業家などがこのタイプになります。
※フリーランスが初めての収入を得る「ゼロイチ」は、ここで言う仕事の分類とは異なるのでご注意。
③ 1を9にする仕事:成長型
既存の商品やサービスの「改良・改善」に取り組む仕事です。
すでにある商品の販路を拡大していく、売上を増やしていく、商品の機能や性能を改良していくなど、多くの企業にとってメインとなる活動です。
日本人、および日本企業(主にメーカー)が得意としている分野ではないでしょうか。
家電や車の例で言えば、初期は最小限の機能だったものが、どんどん高性能化、快適化、デザインの洗練などで進化していくイメージです。
④ 9を10にする仕事:大企業型
すでにある程度のシェアが取れている商品やサービスについて、より完璧を目指す仕事です。
日用品や、コモディティ化された商品を扱う大企業に多いパターンです。
現状のままでも、顧客は「ほとんど満足している状態」ですが、さらに細かい部分で、改良の余地や修正点がないか探して、地道にクオリティの向上を目指します。
⑤現状キープの仕事:既得権死守型
現状で順調に回っている状態だとしても、環境や時代の変化、消費者のニーズの変化によって、将来もキープし続けることができるかどうかは分かりません。
このパターンは、まわりの状況が変わっても、きめ細かく調整を行って、現状をキープする「守り」の仕事になります。
同じ組織内で、①~⑤は混在する
ここまで、仕事の5つのパターンを説明しました。
企業や業種という大きな単位で、どのパターンに当てはまるかを分類することも可能ですが、それはあまり意味がありません。
例えば、新規ベンチャー企業は「 0→1」に当てはまるケースが多いとしても、その企業内では、新規開発を行う人ばかりではなく、事務系のスタッフもいるはずですよね。
また、歴史が古い大企業でも、その中には新規事業を立ち上げるグループがあることも多いと思います。
公務員は「お役所仕事」と言われるように、業務内容が普遍的と思われがちですが、法律改正や制度更新に逐一対応していかなければなりません。
サービスを維持するために「現状キープ」作業は重要です。また、福祉関連の部署では、「マイナス→0」に携わる人もいるでしょう。
仕事が面白くないのは訳がある
この仕事の5パターンから考えられるのは、その仕事自体に「面白い仕事」と「つまらない仕事」があるわけではないということです。
個人の特性と仕事内容のミスマッチと考えると、同じ仕事内容であっても、楽しさを感じる人、つまらないと思う人がいることに説明がつきます。
いくつか例を挙げてみましょう。
・会社内で「 1→9」の売上貢献で大きな成果を上げた結果、「 0→1」の新規事業メンバーに抜擢されたけど、その途端に精彩を欠いてしまった、というケースもあり得ますよね。
・すでに存在する商品の改善アイデアを出すのは得意だけど、世の中にないものを創造することは苦手、というタイプは確かにいます。
・逆に、発想力と実行力がある「 0→1」タイプの人が、毎日退屈な書類仕事ばかりだと、仕事がつまらなくなるのは当然です。
・毎日、淡々と同じ仕事をこなすのが得意で(全く苦にならない)、むしろ「何か提案しろ」と言われるほうが苦痛、という人もいるはず。
このように、配属や人事異動は、仕事のパターンに分類される「特性」が重要なのに、単にスキルの有無や経歴だけでアサインし、各自が本来の能力を発揮できない場合が出てきます。
自分の特性を知り、マッチする環境を見つける
この「5つの仕事のパターン」によるミスマッチは、スキルアップや経験で埋められるものではありません。
ある程度は努力でどうにかなりますが、負担と苦痛を伴います。
これが、仕事のストレス、劣等感、評価への不満、などの正体ではないか、と思います。
決して、個人の能力が低いから、だけではないのです。
「他の同僚は、どんどん新しいアイデアを提案できてるのに、自分は何も思い浮かばない。スキルが低いポンコツだ」と悩む人がいるかもしれません。
しかし、もしかすると、その人は既存の商品の欠点を改善し、完成度を高めることには長けている可能性もあります。
もちろん、努力は必要ですが、まずは仕事の種類には5つのパターンがあり、ほぼすべての仕事は、そのどれかに当てはまることを知ることが大事。
それを理解した上で、自分はどの仕事パターンが得意なのか、を認識することが、ミスマッチを防ぐために重要となります。
得意というのが分からない場合、
・このパターンの仕事に喜びを感じる。
・少なくとも苦にならない。
というパターン(特性)を意識したほうがよいと思います。
業種、職種に関係なく、活躍の場が広がる
就職や転職となると、どうしても自分が興味がある業界や、自分ができそうな職種に絞ることになります。
しかし、自分は「0→1」の仕事に喜びを感じるのだ、という認識があるとすれば、そのミッションに携わる場所に名乗りを上げればいいので、異業種間の転職も視野に入ってきます。
実際、いくつか異業種の企業を渡り歩いて、ガタガタの赤字経営をV字回復させた人物も存在します。こういう人は、「マイナス→0」パターンの仕事が向いている資質と能力があったと言えますよね。
同じ「営業職」でも、既存の販路を充実させる「1→9」「9→10」タイプ、全く新規の市場を開拓する「0→1」タイプがいるのは理解できますよね。
総務や経理などの業務は、一見「現状キープ」パターンに見えますが、その中でも「このツールを使えばより効率化になるのでは」「ペーパーレス化を実現」などの「1→9」「9→10」の仕事は可能だと思います。こういう人が評価されるのでしょうね。
就職や転職をする際には、業種や職種だけではなく、求められるポジションの「仕事パターン」にも注目するといいと思います。
まとめ
自分の仕事スタイルが、この5パターンのどれに当てはまるか、少なくともどのパターンなら「苦にならない」か、を知っていることは重要です。
就職、転職だけではなく、退職してフリーランスになった場合でも、さらにはプライベートな活動でも、役に立つ考え方だと思います。
自分ではすぐには分からない、という場合、家族や友達に聞いてみるのも手です。
子供時代にまでさかのぼって、どんなことを成し遂げた時に喜びを感じたか、全く苦にならなかったのはどんなことか、を思い出してみるのもいいのではないでしょうか。
興味や能力だけではなく、この「仕事の5パターン」を意識するかどうかで、ミスマッチのリスクを避けながら、想定外の活躍の場が広がる可能性があると思います。
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