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ブランド価値ある工場を目指している 三恵メリヤス株式会社常務取締役 三木健さん

三恵メリヤス株式会社 常務取締役 三木健さんにお話をうかがいました。

〜三木健さんプロフィール〜
三恵メリヤス株式会社 常務取締役
1981年生まれ。三代目の現社長の長男。大学在学中に仲間とともに留学支援ビジネスを起業し、当初は国内で競合も多く苦戦したが、ニューヨークをはじめ、海外に拠点を設けていったことが功を奏し、成功を収める。
家業の跡を継ぐために帰国する直前まで、ロンドン拠点をベースに会社を経営。2014年9月、大正15年創業の家業である、三恵メリヤス株式会社に入社すると、父親の経営を手伝う傍らで、大阪府の助成金を原資にTシャツブランド「EIJI」を立ち上げ、クラウドファンディングにも成功。ブランド価値のある工場を目指し、活躍中。

ブランド価値ある工場にしていきたい

記者:三木さんが今、目指している夢を教えてください。

三木:内外の様々な変化の中で、三恵メリヤスをずっと続けていくというのがひとつの大きな夢です。もちろん続けていくことも大変な部分が多くあります。形はどんどん変わっていくと思いますが、今の方が引退されるタイミングで、また大きく変わるでしょうし、一番最年長の方も倒れてしまいして、そうなると一気に技術が落ちてしまう可能性があるなど大変です。しかし一方で僕らが作ったものを喜んで買ってくださる方もいます。喜んで下さる方にしっかりと提供していくことも必要です。さらに、このように言われたものを作るだけでも、そのニーズが無くなってしまえば当然、経営が成り立たなくなります。

記者:その夢を実現するためにどのような目標をお持ちですか?

三木:今までは、僕らが作ったということを知ってもらえる先は、業界の中に限定されていましたが、それを飛び越えて一般のお客さんにも「あそこが作るのなら、良いものに違いない!」と思われるようにブランド価値がある工場にしたいと思っています。
三恵メリヤスのタグをみて「これはすごいな!」と言ってもらえるようになったら、私たちはもちろんのこと、お客様も喜んで大切に着ていただけることでしょう。僕らの名前がお客様の前に出ていくことで、お客様が喜んでいただけるようになるまで、僕らが動く必要があります。何もしないのに名前だけ出して欲しいというのは駄目です。あそこならば当然と思われるくらいの動き方をすることが必要だと思います。今までやれなかった表に出ていくということをポジティブにやっていきたいと思います。

あと、うちの会社に入ってくる若手社員には、活躍できる場を提供してあげたいですね。今、そういう場をなかなか作ってあげられてないので。

記者:どうしてそのように思うようになったのですか?

三木:若い人の方が感性が全然違ったりして、活かせたら面白いと思うんですけど、実際まだ活かしきれていないんです。
だからそういう全力を出す機会を用意しないと、次の世代は楽しんで仕事してくれないだろうし、興味を持たないというか、夢が少なくなってしまうと思うんですよね。

記者:確かに、若手が全力を出せる場があったら、若い世代が育っていきますし、組織自体が活性化していきますね!
これからのAI時代に、どんな美しい時代を創っていきたいですか?

三木AI時代への期待値は本当に高いです。辛いけど誰かがやらなくてはならないような仕事を、AIによって減らすことができます。仕方なしにやっていたことを、しなくて済むようになります。それはすごく幸せなことだと思います。車の運転でも、本読みながらできるとか、モニターを置いて6台までは運転してよいとか、ポジティブに考えたい。
逆にAIが無かったとしたら、日本や世界は綺麗になるのでしょうか?AIがあるから汚くなるのでしょうか?ターミネーターの映画みたいになれば、汚くなるかも知れないけど、普通のAIならば人間はたいへん助かっていくと思います。
例えば農業であれば、この気候なら、どの当たりに花を植えたら一番花がちゃんと育つかとか、収穫も全部分かるようになるでしょう。シンギュラリティによる人間疎外があれば汚くなるかもしれません。人間は、人間にしか出来ない愛情とかストーリーに心が動きます。綺麗な未来は、それがより鮮明になる世界だろうと思います。
AIが選んだものだけを受け入れたら怪しい世界になるかもしれませんが、AIが出来ない仕事をして、AIを使った美しい時代になると思います。働く量が少なくなり、自分がやって楽しいと思う割合が増えてくると思います。生地を目で見て、傷を見つける作業がありますが、そこに技術性とかゲーム性を見出せる人はいるけれども、AIには勝てません。
そうではなくてきれいな洋服を生み出すとか、より感情的な仕事を担うようになることで、楽しい工場生活になるんじゃないかと期待しています。
これまでなら糸や生地をみないといけないとか、畳まないといけないとか、作業で終わってしまうけれど、作業が少なくなったら夢を語る時間とか、人間的な仕事が増えていったら楽しくなるだろうという期待があります。

もちろんAI導入の費用が高すぎれば、AIを入れられるところと、そうでないところでひどい格差が起きると思います。けれど、結局はみんな幸せになると思います。なぜかというと、例えば携帯電話で、今は普通に遠くの人と話ができていますが、携帯電話が普及せずに、未だに飛脚が走っているということはありませんから。価格が下がることによりAIが普及していくでしょう。

記者:人間のクリエイティブ能力を開発する必要があるのでしょうか?

三木:今は時間が無いから開発できないけど、AIによって時間が空くようになれば能力開発ができると思います。
特に日本人は手が空けば仕事をする習慣があり、仕事が美徳だと思うのです。仕事は苦行ではないので、日本人にとってはいい方向に行くのではないでしょうか?また働かなくて済むのであれば、働かない人も増えると思いますが、それはそれで幸せではないでしょうか。どちらに転んでも幸せになるでしょう。ターミネーターの世界でない限りは。人と人が共にやりたいことを語るなど交流が増え、もっともっと楽しくなる気がします

記者:三木さんのお話を聞いて私も明るい未来をイメージすることができました!本日は、本当にありがとうございました。

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【編集後期】
インタビューの記事を担当した、山口、大槻です。
会社と社員の事を本当に大事にされている三木さんの思いが終始感じられたインタビューでした!
関係性が希薄になりつつある世の中だからこそ、三木さんのような「人を大切にする」リーダーが今後の希望になると思います。
お忙しい中、お時間をつくって頂き本当にありがとうございました。

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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