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「カウンセリング」力を上げるための本を7冊選んでみました

#7日間ブックカバーチャレンジ 、やってみました。
「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を1日1冊、7日間投稿する」というSNS企画。Facebookでよく見かけます。最初は誰から誰に渡されたバトンなのか分かりませんが、パパ仲間たちに僕も便乗してみました。

・本についての説明はナシで、表示画像だけをアップ
・その都度1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする

こんなルール設定がありましたが、最近では招待をしないバージョンや説明をしっかり書いた投稿も多くなっています。

7日間で7冊。ビジネス書、小説、児童書、絵本、などなど。いろんなジャンルをごちゃ混ぜにして選ぶのも面白そうだけど、せっかくなら何かテーマを決めて選ぼう!
ということで、【 「カウンセリング」力を上げるために読みたい本 】を選んでみました。カウンセラーの仕事に限らず、誰かの問題解決のサポートはとても大切なこと。仕事の根本的な部分だし、子育てにも通じます。

悩みごとは、本人が乗り越えないと何の意味もありません。相談を受ける側には、聴く、視点を切り替える、話の固まりを解きほぐす、などのスキルや、寄り添う、手を出さない、といったかかわりが必要です。
それらを学べる本をピックアップしたものの、ブックカバーチャレンジの中では説明せずに表紙画像だけをアップしたので、ここでちょっとずつ補足を入れて紹介します。

◆こころの処方箋

日本の心理療法家の第一人者である、河合隼雄先生の著書。4ページずつに短くまとめられた文章で、全部で55章。ちょっとした時に開いて読み、こころの元気を取り戻すことができます。
同時に、カウンセリングの基本や厳しさを学べる本です。第1章のタイトルは「人の心などわかるはずがない」。

一般の人は人の心がすぐわかると思っておられるが、人の心がいかにわからないかということを、確信をもって知っているところが、専門家の特徴である
>本文 p.10より引用

この一文が、カウンセリングの原点です。

◆共感力

「感動」・「共感」・「共演」を、21世紀のビジネスの重要なキーワードであると語られている本です。「お客様を攻略して囲い込む」、「お客様を3日で確実に落とす」、「戦略、戦術」といった戦争用語のビジネスは、どんな幸せを生み出すのか?という疑問からスタートしていて、はじめて読んだときにハッとしました。
どちらかと言うと、カウンセリングそのものよりもどうやって仕事を展開するかという観点が多いですが、最終章の『自分の人生に共感する』がよかったので選びました。相手の悩みや悲しみ、喜びに共感することは大事ですが、まずは山あり谷ありの自分自身を認めることが第一歩。

◆嫌われる勇気

2013年に出版され、ベストセラーとなった本で、舞台やドラマにもなったので知っている人は多いでしょう。「心理学の三大巨頭」の一人と呼ばれるアドラーの教えが凝縮されています。青年が哲人と対話しながら自分を見つめ直す構成になっているので、読者も自分のことを青年に重ねて自分ゴトとして読みやすい本です。重要なエッセンスがたくさんあるので、読むタイミングによって響く部分が変わってきます。
僕がカウンセリングですぐ効果があったのが、「目的論」。「怒りなどの感情は、何らかの目的を叶えるためにつくりあげた」という前提でクライアントさんと一緒に考えてみて、ずっと心に引っ掛かっていたものに気づくことができました。
その課題が誰のものかを問う「課題の分離」も、カウンセリングや子育てて特に重要です。それが語られる部分を引用しておきます。

無論、精いっぱいの援助はします。しかし、その先にまでは踏み込めない。ある国に「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」ということわざがあります。アドラー心理学におけるカウンセリング、また他者への援助全般も、そういうスタンスだと考えてください。
>本文 p.143より引用

◆マンガでやさしくわかるNLPコミュニケーション

NLP(神経原語プログラミング:言語学と心理学を効果的に組み合わせた実践手法)の中で、コミュニケーションの場ですぐに使えるスキルをマンガで説明してくれる本です。マンガでストーリーが展開し、重要なポイントは文章と図で説明されています。職場でのやりとりが題材になっていて、スキルをどう使えばどんな効果がでるかがとても分かりやすい。

たくさんあるスキルの中で、僕がよく意識しているのは「名詞化崩し」。「家族関係に問題がある」「職場での意思疎通がうまくいかない」「失敗が怖い」など、分かったような気になりやすい言葉には、実は話し手と聴き手のイメージでズレが生じやすい危険性があります。具体的な動きが隠されているので。誰が、何を、どうした、という動きを取り戻すことで、問題の本質に迫ることができます。

この本は、お世話になってるコンサルタントから教えてもらって、僕も自分の講座などで参考図書として紹介しています。表紙の女性がなぜネギを持ってポーズを決めているかは、読んでのお楽しみということで(笑)。

◆生きるとは、自分の物語をつくること

一冊目に紹介した心理療法家の河合先生と、小説家の小川洋子さんとの対談本。映画にもなった『博士の愛した数式』がきっかけで、対談が生まれています。短い本ですが、人にとって「物語」がどんな意味を持つかが語られています。カウンセラーがどんな姿勢でクライアントさんの話を聴き、物語に寄り添っているかを学べる本です。
人は、自然科学で切り取れない矛盾の中で生きていて、矛盾との折り合いのつけ方に、個性が発揮される。そこで個人を支えているのが物語。
どんな物語も、その人にとって大切なものであり、きちんと尊重できているか、を問い続ける必要があると思わせてくれます。

◆心時代の夜明け

ぼくがカウンセリングを学んだ、日本メンタルヘルス協会の代表、衛藤先生の最初の著書。「カウンセリングとは何か?」「柔軟に生きる知恵」「聴くことの大切さ」など、カウンセリングの基本が凝縮されています。人は受け止め方の世界で生きていることに気づき、悩みは個人の成長する種が宿るものと捉え、自分の力で歩く力を取り戻させてくれる本です。
出版は1998年。心の時代と呼ばれる現代の、まさに夜明けを告げています。
日本メンタルヘルス協会の講座でも再三語られていることが、この本の締めくくりです。『理想はカウンセラー不要の社会』。僕もここを目指しています。

「今日は誰も来なかった。こんな日は気持ちええなぁ」とカウンセラー仲間が話し合っているのがいちばんなのです。カウンセラーなんていう職業がない社会、マズローが言うように弱点をさらけ出しても安心できる社会、それがカウンセラーの目指す理想の社会なのです。
>本文 p.254より引用

◆ファクトフルネス

まだ最後まで読めていませんが、「カウンセリング」力をあげるためにも、ぜひ読んでおきたい一冊です。僕たちが意図せずにはまり込んでいる、思い込みの世界を教えてくれます。思い込みは、自分でも気づいていないこと。知らず知らずのうちに、それが正しいと信じ、普段は疑うこともありません。その思い込みのせいで、間違った解釈も生まれてしまいます。
人の悩みも、思い込みから生まれることがたくさんあります。僕たちがどんな思い込みに支配されているか、どうやったら思い込みを乗り越えることができるか、たくさんのデータを交えて紹介されています。ぜひ知っておきたい内容です。クイズにも挑戦できて、気づきを与えてくれます。
著者が目指しているのは、ありのままに世界を見ることで、世界に希望が持てるようになること。イントロダクションの言葉を引用して、この本を読む楽しみにつなげたいと思います。

この本は世界の本当の姿についての本でもあり、あなたについての本でもある。あなたや、わたしが出会うほとんどの人がありのままに世界を見ることができないのはなぜだろう。どうすれば世界を正しく見られるのだろう。そんな疑問にこの本は答えてくれる。
そして、この本を読み終えたら、サーカスを見たあとのように心が軽くなり、前向きになり、世界に希望が持てるようになるはずだ。
>本文 p.25より引用

気になる本はありましたか?
7冊も紹介すると、かなり長くなってしまいましたね。最後までお付き合いありがとうございます。

人の気持ちに寄り添って、問題解決に向かう力を育てるカウンセリング。
あなたと、あなたの大切な人の役に立ててもらえたら幸いです。

※ヘッダー画像はpetitbourgeon3さんによるイラストACからのイラストです

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