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目標の構造、知ってるか?

前職時代、新規プロジェクトの立ち上げを任されるような仕事が多くて、『事業計画書』をゼロから立案する経験を何度もしました。

『事業計画書』は、おおよそ決まった流れで作っていくのですが、起案背景や現状把握&分析、目的&目標&達成要件などから始まって、最後に目標値に紐付くアクション計画をもって締め括ります。
事業計画書の各項目を集約的に見渡して網羅することで、予算を含めたプロジェクト事業全体の成立具合を見極めることができます。

成立の要になる『目標値』については、表計算ソフトで入力値さえ変えていけば、いかようにも描くことができます。数値は大きくも出来たり、逆に小さくも出来たり、自在。こんないい加減な決定方法のことを『絵に描いた餅』と言うんだろうなぁ、と危うさは感じながらも、とにかく仕上げて、上司のところにサインをもらいに行きました。

『事業計画書』を初めてつくったときの話しです。
26歳くらいだったかなぁ、たしか。

上司は、出来上がった事業計画書をざっーと流し読んだあと、改めて『目標値』と『アクション計画』を見合わせて止まりました。こちらは「ドキドキ」して発せられる言葉を待っていると、「目標の構造、知ってるか?」と。メモにささっと書いて、それを私にくれました。

『目標=根拠+ありたき姿+少しの無理』と、書いてありました。

自分としては、正にここが腑に落ちないまま『数字遊び』のようにやっつけてしまった自覚があったので、瞬時に視界が拓けたような合点があって、すぐに「やり直します」と言って、飛び出しました。
自分が納得できてない『事業計画書』に、GOサインをもらうこと自体がイヤだったし(←GOサインなんてもらえるはずもないw)。

当然のこと、第一ボタンである入口のところから、この『根拠+ありたき姿+少しの無理』に基づいた観点や水準を大きく掛け違っていたので、単なる数字修正では辻褄はまったく合いません。第一ボタンから最終ボタン(目標計画表)のところまで、全部を練り直しました。
徹夜はしたけど、2回目の資料はあっという間に出来上がって、少しの調整指示と要件追加だけで、GOサインがもらえました。

「最初の資料精度と自分で比べてみろ」と「はじめからこっちの水準でつくってこい」と、ありがたい指導付き。… そりゃそうだw

それ以来、『目標=根拠+ありたき姿+少しの無理』は自分にとって、鉄板の公式となっていて、ありとあらゆる仕事のところで使います。
使いこなしていくと、その構造の中でも『少しの無理』のところが、すごく大事なこともわかってきて、この観点が、既成概念に囚われない創意工夫や革新を生む『根源』になってくれます。

この『少しの無理』に挑んでいくコツとして、『常識ではなく不常識に考えよ、真面目に考えずに非真面目に考えよ』や『つねに疑って、壊して、革新せよ』を併せて教えてもらったのも、この時期です。

例えば、「ホームページを60分で構築するのは無理」とか「ホームページ制作費を0円にするのは無理」と真面目に常識で決め付けてしまうと、その前提でしか先の物事は組み立てられないし、『 ivalue (アイバリュー) 』という IT製品&サービスが誕生することは、ありません。

『目標=根拠+ありたき姿+少しの無理』は、自分をいつも助けてくれる『公式』のひとつです。

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